転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ニトルの一言で情報共有の場だった喫茶店での議題は『なぜフォラスが襲撃する事が出来たのか』という話題に変化した。
「え、ええっと、それってつまり、フォラスが私達がここに旅行に来るってのを知ってたって事だよね?」
「それもさっき聞いた。同じ事ばっか言っても時間の無駄だろ。そもそも今あの野郎がその事を知ってた事を話してもしょうがねぇだろ。どうせ理由なんか分かりゃしねぇんだ。
そんな事より今話さなきゃならねぇのはあいつが
『!!』
湯気の細くなったコーヒーを一口飲み、ニトルは更に言葉を重ねる。
「こっからはお前らの話を聞いた上での俺の仮説になるぞ。なんでも『グランフェリエ』や『魔法警備団』とかいう遠い場所にも奴等の一味は現れたんだろ?
……だとするなら多分、お前らが戦ってる敵の中に『空間に干渉する』ような能力を持ってる奴がいるんだろう。
つまり奴等は何かしらの『情報源』と『移動手段』を強みにしてお前らの先手を取ってるんだと思う。それをどうにかしない限りはお前らは後手後手に回るだけだぞ。」
「『………………!!』
って!! 何でお前が仕切ってんだよ!! 俺は何の役割も与えちゃいねぇからな!!!」
「そりゃお前らが何にも気付いちゃいねぇ鈍感だからに決まってんだろ。そんなお前らの代わりに有益な意見を出してやってんだからまずは礼の一言でも言ったらどうなんだ。」
「ま、待ってよ二人とも!」
再びリナとニトルの間に唯ならない空気を感じた蛍は二人の間に割って入り仲裁した。
「何を待つってんだよ。そもそもお前はなんだってこいつに入れ込んでんだよ。こいつに
「そんな事は無いよ! それに引き込まなくて後悔するくらいなら引き込んで後悔したほうが良いと思ってる。
だから、ニトルさんも一つ直して欲しい事があるの。」
「俺に?」
蛍は『そう』という代わりにカフェオレで喉を湿らせた。そして心の中で構築した言葉を口にする。それはニトルを自分達の仲間であると認める言葉だ。
「だってニトルさん、さっきから『お前ら』って言ってるでしょ? それを言うなら『俺達』って言うべきだよ。だってニトルさんも私達の一員なんだから!」
『!!!』
蛍の一言で遂にニトル・フリーマという人間のギルド《
「………言っとくけどよホタル、ギリスのマスターにはお前からちゃんと説明するんだぞ。それからギルドの手続きもお前がやれよ。後、マスターが反対した時はもっかい全員で話すからな。」
「もちろん分かってるよ。それにギリスはきっと反対なんかしないよ。それにそろそろ━━━━
!」
その時、蛍の懐が淡く光った。彼女がギリスから渡されていた通話結晶が通信を受信したのだ。
「おい、まさかそいつは通話結晶か!!? そんな高尚なモンまで持ってんのかよ!!」
「そうだよ! きっとギリスからだよ。
あ、もしもしギリス?」
『ホタルか。今ツーベルクの近くの空き地に《
「うん! 今から向かうから場所教えて?」
『その町を出て東に十分程歩いた所だ。見つかったら騒ぎになるから、なるべく早く来てくれよ。』
「うん分かった!」
そこまで会話を交わし、蛍は通話を切った。そしてその会話はリナやニトルにも聞こえる状態となっていた。故にニトルは聞き逃せない部分について質問を投げ掛けた。
「お、おい!! 今の声がギリスって人か? 随分若い声をしてたがよ、というかそれよりなんか設置したとか言ってなかったか!!?」
「あ、うん。それについては実際に見てもらった方が早いかな。ギリスは
ニトルは蛍の言葉の意味を理解出来ずにいた。しかし彼はすぐに理解させられる。蛍の言葉の意味も、自分がどれほどの人間の下に就いたのかもだ。
***
「……………………!!!!!」
「あれがギリスのお城だよ。ついこの前出せるようになってからはずっとあそこで暮らしてる。」
各々荷物を抱えて東へ進むこと十数分。唐突にそれは視界に飛び込んで来た。見上げるような巨大な城がそこにそびえたっていた。その瞬間にニトルは理屈ではなく直感で理解させられていた。
これほどの巨大な建物を顕現させる事が出来るギリスという人間がどれ程強大なのかを。そして自分がその人間の下に就いたという事実を。
「さ、早く入ろ入ろ! ギリスも皆も良い人ばかりだからきっとすぐになじめるよ! それにギリスにもいっぱいお土産話を聞かせなくちゃいけないしね!」
「その事を話したらきっとギリスのマスター、血相変えると思うぜ。フォラスの事も、こいつの事もな。」
「あー、そりゃ間違いないね。」
ギリスの表情を脳裏に浮かべながら、蛍達は城門へと歩を進める。こうして波乱に満ちた夢崎蛍の旅行は終わりを告げた。