転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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332 風妖精(エルフ)の里への旅路! 空を飛ぶ魔王城!! (前編)

ギリス達勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)の居場所は魔王城《ヴァヌドパレス》から星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部へと移った。その場に至る過程はギリスが転移魔法を掛けた紫色の扉をくぐったというだけの単純なものだ。しかし、その事実が重大な事を意味する事は明白だった。

ツーベルクと星聖騎士団(クルセイダーズ)の本部との距離は複数の山々を隔て、その足で行けば最低でも数日は掛かる。それ程の距離をたった一つの扉を潜るだけで移動できる事が、それを可能にする魔法がどれ程のものであるかをギルドの面々、特にこの扉を始めて潜るニトルは実感していた。

 

「…………………………!!!!!」

「ニトルさん、やっぱりびっくりしてる? そりゃそうだよね。私も初めてここに来た時すごすぎて何も言えなかったからさ。」

 

蛍はニトルの心中を理解していた。本来、星聖騎士団(クルセイダーズ)はこの世界において最高峰の騎士団であり、その本部に立ち入る事が出来る人間など一握り程も居ないと断言できる。ましてや自分がその一握りに入れるなどとつい先日までは思いもしなかった事だ。そしてそれは蛍もまた然りである。だからこそ彼女はニトルの心中を察する事が出来た。

 

そして蛍達は大きな机を挟んでルベドと向き合っている。つい数日前にも同様の事があったがその時点と比べても変化はあった。

 

「……改めて見ると、少し見ない間にかなり力を付けたようだね。」

「あぁ。昔の伝手で仲間になった奴も居るが、こいつは蛍の推薦だ。」

 

ルベドの興味は旧友リズハや事情を逐一知っているフゥよりも面識のないニトルに向いていた。

 

「だろうね。一応聞いておくけど信用は出来るのか?」

「出来ると考えている。蛍だけでなく俺も他の奴等も加入を承諾しているからな。

……万に一つ、こいつが俺達に害をなす気ならば、それ相応の手段を行使するまでだ。」

「……()()()出来なかった事を実行する気なんだね。」

「その時が来たら、な。」

「あのー、そういう事は俺のいないとこで話してもらえませんかねぇ?」

「あぁ、今の話は軒並み忘れてもらって構わないぞ。お前には無関係な話だ。

お前がその気にならない限りは な。」

「!!!」

 

ギリスが今このような状態に陥っているのはヴェルダーズの内心を見抜けなかったが故である。だからこそギリスは二度と人の裏切りを見逃さないと固く決心していた。たとえその決意の矛先がニトルという、蛍が信頼を置く人物であっても、例には漏れない。

 

「心配いらねぇよニトルさん。そんな事言ったら俺だって元々ヴェルダーズって奴とは無関係だったんだからよ。」

「そうですよ。私もそうだったから言える事ですけど、頑張って働いてれば、信用は後から付いて来るんですから!」

「私も、貴方にしか出来ない事で私達を支えてくれる可能性が高いと確信しています。」

「! お前ら………!」

 

そう言ってニトルの肩に手を置いて声を掛けたのはタロスとマキ、そしてエミレだった。

タロスには魔法警備団の指示という理由があるとはいえ、マキとエミレは元々普通のギルドのつもりでギリスとの面接を受け、籍を置き、実際に健闘している。だからこそ三人はニトルも自分達と同様の運命を歩むという確信があった。

 

「━━━僕も《転換之王(ベリアル)》の能力が有益に働く事を期待しているよ。だから、そろそろ本題に入ろう。

もう入って来てくれて構わないよ!」

「はいはーい!」

「…失礼します。」

 

同じような境遇に置かれている四人が醸し出す暖かな空気をルベドの声が自然な形で本来の流れへと戻した。そして彼が声を掛けると、大広間の扉を潜って二人の女性と大勢の人間がルベドの後ろへと立った。特に目を引くのはルベドの両隣に立っている二人の女性だ。

片やは桃色の髪を三方向に結んだ女性、星聖騎士団(クルセイダーズ) 九番隊隊長 ハニ・ミツクナリ。片やは濃い赤色の髪を二つに結んだ女性、六番隊隊長 ソフィア・バンビエスだ。そして彼女達の後ろに居る人間達は皆 九番隊と六番隊の隊員である。今回の風妖精(エルフ)の里への遠征にはルベドを含む彼等全員が蛍達に同行する。援軍としては十分すぎる程の戦力だ。

 

「ハッシュ君にホタルちゃん! 少し見ない間でめちゃくちゃ立派になったねー!

また一緒に活動できるなんてホントに嬉しいよ!」

「ハッシュ。それと、ホタル・ユメザキだっけ? ハッシュは分かってるだろうけどこのバカの言う事は聞き流してもらっていいから。

あの時はほとんど話せなかったけど、六番隊のソフィアです。よろしく。」

 

ハニは頬に紅をさして満面の笑みで再開を喜び、対照的にソフィアは表情一つ変えずに必要最低限の自己紹介でその場を終える。

代表者である二人の隊長が一言づつ話し終えると、ルベドは踵を返して九番隊、六番隊の隊員達に向けて口を開いた。

 

「九番隊、そして六番隊の皆。いよいよ風妖精(エルフ)の里に向かう時が来た。

この任務は半分以上が僕の私情で出来ていると言っても過言ではない。それでも付いて来てくれる君達には心から感謝しよう。

ではこれより、僕とギリスの能力を最大限に使って風妖精(エルフ)の里、即ち世界樹に向かう。」

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