転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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334 風妖精(エルフ)の里への旅路! 空を飛ぶ魔王城!! (後編)

風妖精(エルフ)の里へ向かう方法としてギリスが取ったのは自分達の拠点である魔王城《ヴァヌドパレス》を魔法で変形させるというものだった。しかしその魔力を込めたのはルベドだった。数度の転移魔法の使用で魔力を使い果たしたギリスに代わり、ルベドがギリスが作った魔法陣に魔力を込めたのだ。

そしてその魔法の発動によって魔王城全体が激しく揺れた。それはさながら蛍の脳裏に未だかつて経験した事の無い地震を連想させる程の衝撃があった。

 

「ねぇギリス、一体どういう事!!? この魔王城が()()()()って!!!」

「言葉の通りだよ。魔法の効果はもう()()()()()()

それにしても懐かしいね。この身体でもう一度体験できるなんて思いもしなかったよ。」

 

蛍だけでなく()()()()()()()()人間達が皆同様に地震も同然の振動に動揺している中でルベドは涼しい顔をしてその場に立っていた。この魔法の発動による現象を熟知しているルベドだけが可能とする反応だ。そしてもう一人、揺れ動く魔王城の床に平然と直立不動の姿勢を保っている人間が居た。

 

「ほー、この魔法ってこんな感じだったか。最近は地上ばかりで生活してたからな、()()()()ももう新鮮だな。」

「リ、リルアちゃん!? 何を言ってるの!!? 一体ここで何が起こってるの!!?」

「そうかそうか。ホタル達は()()姿()の事を全く知らないんだったな。なら私が見せてやろう。ほれ。」

『ッ!!!!?』

 

リルアは魔力で作られた円型の画面を展開し、その中に映像を投影した。その中に映ったものを見て蛍を始めとする全員が目を丸くさせた。そこに映っていたものは()()()だった。しかしそれは全身が角ばった黒い金属で構成されており、おおよそ生物とは呼ぶ事の出来ない代物だった。蛍は瞬時にその黒い龍の正体を察知したが、目の前で起きている光景を現実のものとして受け入れる事が出来なかった。しかしリルアに向けて真偽を問う言葉を掛ける。

 

「あ、あれってまさか━━━━━━!!!」

「そうだ。あれこそがヴァヌドパレスの()()姿()だ。このドラゴンの翼で風妖精(エルフ)の里へと飛ぶ。そう言いたいんだろ、ギリス!」

 

自分の思考を全て理解してくれる旧友(リルア)の言葉にギリスは満足そうな表情を浮かべた。

 

*

 

ギリスの魔力で作られた魔王城ヴァヌドパレスは彼の魔法によって自在に変形できる。その中に城の形状を巨大な龍に変形させる事で大人数を自由自在に移動させる事が出来る形態が存在する。転移魔法の使用が困難な場合に使用される移動法だ。

そしてその特性は奇しくも蛍が良く知る『飛行機』と酷似している。即ち離陸の際に強い衝撃があるが、上空の一定地点に達すると体勢を安定させて浮遊を始める。龍に変形したヴァヌドパレスも同様、一定時間が経過すると内部での揺れは治まり、元の平穏を取り戻した。

 

「━━━━━━━━あ、と、止まった、の?」

「ああ。お前達にも心配を掛けた。もう着陸の時までは揺れは無いから安心してくれ。」

 

ギリスの言葉で多少なりとも動揺に包まれていた蛍以外の人々も徐々に落ち着きを取り戻した。その様子を見ていた蛍の心中は星聖騎士団(クルセイダーズ)の隊員達の強かさに注目していた。ギリスの魔法の能力を知ってか知らずか、いずれにしろあの激しい揺れの中でも自分より遥かに平静を保っている彼等を見て、彼等が如何に心身共に屈強な兵士であるかという事を再確認していた。

 

「さっきも言った通り、俺達はこのまま空を飛んで風妖精(エルフ)の里へと向かう。それまでは各々自由に過ごして貰って構わない。ルベドと協力して人数分の部屋も風呂場も食事も全て魔法で拵えてある。」

「えっ!!? ギリス、それって━━━━━━!!」

 

星聖騎士団(クルセイダーズ)の隊員達に注目していた蛍は不意にギリスの言葉に聞き逃せない部分がある事を瞬時に認識した。彼が口にした言葉が意味する所は一つしか考えられない。

 

「どういう事!? 『部屋』とか『お風呂』とか『ご飯』とかまるでここで何日も過ごすみたいな━━━━━━━━!!!」

「ん? 『みたいな』ではないぞ。分かっているだろうが風妖精(エルフ)の里へはこの方法で向かう。里に着くまではこの城から出る事は叶わないからな。」

「う、うん。それはもちろん分かってるよ? それで、その里にはいつくらいに着くの?」

「そうだな。今の俺の魔力の出力なら、軽く見積もって二、三日くらいだろうな。」

「!!!」

 

ツーベルクの旅行から帰宅してたった数時間で、蛍は再び長い旅路へと足を踏み入れた。

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