転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
それ故にソフィアは蛍に手合わせを要求した。自分はもちろんの事、彼女には六番隊の隊員達の身を預かる責任がある。だからこそ彼ソフィアにはこれから活動を共にする蛍達の実力を正確に把握しておく必要があるのだ。
*
蛍自身はソフィアとの試合に対してはやぶさかではなかった。世界には拳を交える事によって両者の思いを伝えられる人間も存在する事をかつての龍神武道会にて蛍自身も身を以て経験している。
蛍本人は口には出さずとも承諾しているが、その宣言に待ったを掛けたのはニトルだった。
「おいお前、やる気満々なのは良いけどホントに大丈夫なのかよ。」
「ッ!!? ニトルさん!?
やる気満々って、そんな風に見えちゃった!? で、大丈夫って言うのは………!?」
「決まってんだろ。身体は大丈夫なのかって聞いてんだよ。お前、さっきまで血反吐ぶち吐いてたじゃねぇかよ。」
「! あ、あー、その事ね……………」
ニトルの言う通り、寧ろこの状況下で危険視されるのは
「何? 何かあったの?」
「何かも何も、コイツァさっき血反吐吐くほど消耗してんだよ。
「あ、そうなの? ………そんな病み上がり状態(そして多分回復魔法を掛けた後)じゃ戦おうにも本調子出せないか……………」
蛍はフォラスとの戦闘などによる負傷を回復魔法によって全快にさせていたが故にソフィアとの試合を問題なくこなせると考えていたが、それも先程と同様に誤った認識だった。
「そういう事ならしょうがないわね。この話は無かった事に━━━━」
「えっ何で!!? 全然いけますよ!? それにちょっとケガしてもまた回復魔法でも
「バカか。こいつはそれが出来ねぇから止めようっつってんだろうがよ。」
「ど、どういう事ですか………!?」
この世界において、魔術の知識はその道を行く者にとっては一般教養も同然の学問であるが、蛍はその手の知識は素人同然である。その理由は大きく分けて二つ、蛍、即ちキュアブレイブには魔法より格上の戦闘技術である
即ち蛍には魔法を使用する事も技術を習得する理由も無いのだ。しかし、魔法の知識を習得する意味はある。蛍自身は魔法を使用する機会は無いが、魔法が生活に関係する機会は多く存在するのだ。
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「良いか。回復魔法ってなァ一回使うだけで身体にシャレにならねぇ負担がかかるんだ。極端な話、そいつを日に三回使ったどっかの馬鹿野郎は身体中の細胞がグズグズになって二度と戦えねぇ身体になったって聞くぜ。」
「!!!!」
ニトルはその逸話をツーベルクから逃げるように転居した町においてあった文献から得たものだ。彼にとって魔法関係の知識など忌まわしいものであるが、一方で自分をここまで追い詰める魔法がどのようなものであるのか興味を示す愛憎入り混じる感情があった事もまた事実だ。
「そうそう。まぁそれは何十年も前の話だけどね。だけどあなたみたいな子供の身体に掛かる負担は分かったもんじゃないわね。多分二回でも限りなくセーフに近いアウト。それでなくてもそんなリスクを負って試合なんて本調子も出せなくてやる意味もあるとは思えない。」
「だから、止めておこうと……………」
「そういう事ね。今日は大人しく安静にしてた方が良いわ。あなたの実力の程はハッシュや総隊長から詳しく聞いておくとする。」
「おい、ちょっと待ちなよ。」
『!?』
蛍との試合を取り止め、部屋の外に出ようとしたソフィアを止めたのはニトルの声だった。
「ねぇちゃん、そんなに血の気が余ってんならよ、俺と戦ってみる気はねぇか?」
「えっ!!!?」
「ハァ??? 何言ってんの? 私が誰だか分かってんの?
言っとくけどね、私は実力で隊長に選ばれてんの。あんたみたいなどこの馬の骨かも分からないゴロツキが張り合えるようなやわな鍛え方なんかしてないわよ。」
「そうかい。自信満々なこったな。お前こそ俺が誰だか分かってんのか?
俺はな、他でもないこいつの推薦でここに居るんだ。つまり俺の実力はイコールこいつの見る目の指標になるとは思わねぇか?」