転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ソフィアが提案した蛍との試合は始まる前から二転三転の局面を見せた。蛍が今日一日安静にしていなければならないと判明し試合が取り止めになるかと思われた直後、ニトルが突拍子もない発言をしたのだ。
「…………ハァ? 立て続けに何妄言重ねてる訳?
あんたがその子の推薦を受けてるですって? そんな事ある訳が無いでしょ!!」
「あ、ああいや、それは本当ですけど………………」
「えっ?!」
ソフィアはニトルの言う事の一切合切を疑ってかかったが、彼が言う事は全て紛れもない事実である。その事を証言する蛍の言葉を聞いてソフィアは面食らったような声を発した。
「確かに、
「……マジで?? こんなチンピラのどこにそんな見込みがあったって言うの?」
「ア?」
「!!!」
蛍の証言を聞いても尚、ソフィアはニトルの実力の真偽を信用する事が出来なかった。しかし彼女は選ぶ言葉を間違えた。瞬間、その場に凍り付いたような空気が立ち込める。
「………人を名指してチンピラ呼ばわりたァな。 随分とお高く留まったお嬢ちゃんだぜ。
あのクソスライムといいお前といいよォ、俺をなめ切ってる奴等ばっかりで面白くねぇなァ。
━━━━まぁいいか。そんならよォ、見せてやるとするか。俺の実力ってヤツをよォ!!!!」
「何をベラベラと喋ってんの。やるならさっさとしなさいよ。」
「おうよ!!!」
ツーベルクの一戦の再来をも彷彿とさせる壮絶な舌戦の末に遂にニトル・フリーマ対ソフィア・バンビエスの試合の火蓋が切って落とされようとしていた。
「ち、ちょっとニトルさん 大丈夫なの!? 相手は
「心配してくれんのか。だが要らねぇ。そんくらいの肩書きのある奴の方が燃えるもんもあるってやつだぜ。それでなくても中途半端に燻ってしょうがねぇんだからよォ!!!」
「……もしかしてだけどそれ、フォラスの件でイライラしてるからじゃないよね?」
「さあな。だがどっちにしても心配は要らねぇよ。こいつ相手にぶつけられたら水に流してやるからよォ!!」
*
蛍は目の前に広がる光景に圧倒されていた。方やは
そして方やは数奇な巡り合わせにより旅先ツーベルクにて出会い、自分がギルドへの加入を勧めた炎魔法と
その二人が今、試合とはいえ一触即発の状況下にある。問題はこの一連の出来事の顛末だ。
(は、始まっちゃう……!! どうなっちゃうの………………!!?
ニトルさんの相手はあの
ニトルさんがボコボコにされちゃうかな!? ああでも一応
あぁ~~ またギリスに怒られちゃうなぁ…………!!)
蛍の脳裏には魔法警備団の本部での出来事が蘇る。当時、(まだ正体不明だった)勇者連続殺人犯に恐怖していた蛍はエミレの発案で、彼女と木刀で試合を行った事がある。その時、独断で試合という危険を伴う行為を行った事をギリスに問い詰められたのだ。
この状況下では最早同じ轍を踏む事は避けられない。ならば最大限自分に出来る事をしなければならないと蛍は声を上げた。
「ニ、ニトルさん!! ソフィアさん!!」
「ん?」
「どうしたよ。素っ頓狂な声上げてよ。」
「私、審判やるね! これは一応試合な訳だし、万一怪我があったらいけないし……………!!」
「そ。ありがと。 だけど大丈夫よ。そんな事にはならないと思うから。
あんた、ニトルだったわね。一つハンデをあげようかしら?」
「アン? 何言ってんだお前。」
「ハンデをあげるって言ったのよ。
一回だけ、本気の攻撃を受けてあげるわ。それが私に通じなかったらもう試合やる意味も無いからそれで終わり。それなら回復魔法も必要無いでしょ?」
蛍の耳にはソフィアの提案はニトルの実力を測る為には合理的なものに聞こえた。だが、ニトルの神経を逆撫でしているという点では非常に不適切であった。
「ハァ~~~~ッ どこまでもなめてるわお前。
だったらとくと味わえや。この俺の本気をよォ!!!!!」
「!!!」
遂にニトルの闘志が爆発した。その感情全てを炎魔法に変えて足から吹き出し、推進力に変えて地面を蹴り飛ばす。ニトルが取った行動は炎魔法を利用した渾身の蹴りだった。それを瞬時に見抜いたソフィアは腕を挙げて防御を固める。
「オルアァァッッ!!!!!」
ドゴォン!!!!! 「!!!?」
結論から言うと、ニトルの蹴りはソフィアの想像を超えた。その炎魔法を炸裂させて放たれた蹴りはソフィアを防御の上から物凄い力で蹴り飛ばした。
ソフィアの身体は地面を転がり、壁の直前でようやく止まった。
「………………!!」
「おいおい、何をボンヤリしてんだよ。
それよりどうだ? 俺の力は。隊長サマのお眼鏡に適ったかよ?」
「………良かったわね。合格よ。 もう少しだけ付き合ってあげるわ!!」