転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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339 燻る闘志を燃やせ!! ソフィアvsニトル!!! その②

実力によって星聖騎士団(クルセイダーズ) 六番隊隊長という肩書きを手に入れたソフィア・バンビエスにとって、ニトルというどこの馬の骨とも分からない男の攻撃を受けるという行為は彼の実力を量る小手調べのようなものでしかなかった。しかし次の瞬間、彼女は理解させられる事になる。

自分に対して挑戦を申し出た目の前の不遜な男は自分に届き得るだけの実力を持っている事を。そしてその男の実力を見抜いた夢崎蛍(ホタル・ユメザキ)という少女の見る目は確かであるという事を。

 

(今の一発、ガードのやり方をミスってたら確実に骨を持ってかれてた……………!! この一撃だけで、こいつがどれだけ自分の才能を磨いて来たかが分かるってモンね………………!!!

どうやら私の勘が外れたみたいね。こいつには私達、あるいはルベド総隊長と肩を並べて戦う資格がある!!)

 

ソフィアは蹴りを受けた腕に残る鈍痛を噛み締め、改めて目の前のニトルという男を吟味していた。そして自分の判断が誤ったものであった事を認め、改めてニトルと向かい合う。自分はこの男と誠実に向き合う義務があるという事を理解した。

 

「━━━━おいどうしたよ? 俺はあんたのお眼鏡に適ったんだろ? まだ付き合ってくれるんだろ? だったら早くやろうぜ。」

「もちろんそのつもりよ。だけど、あんたに二つ聞きたい事が出来たわ。

あんた、歳はいくつ?」

「オン? 先週二十歳になったばっかだけどよ。」

「あらそう? なら大丈夫ね。安心してここで過ごせるわよ。」

「??」

「それと、あんたが今まで戦ってきた中で一番強かった奴は?」

「…そうだな。あのクソスライム以外なら、三年前に俺を森の中で襲いやがったクソ生意気なベヒーモスがしんどかったな。

だがまぁ、死に物狂いで返り討ちにしてやったぜ。どうしても死ぬわけにゃいかなかったからなぁ。 なんせそん時ぁまだあいつらに冷や汗かかせる気満々だったからよォ!!!」

(!! またそんな事言って………!!)

 

ニトルの中には依然として自分の計画を徒に潰したフォラスへの憎悪が消えていない。つい先程水に流すと言ったばかりだが、その宣言も疑わしいと蛍は思った。

 

(………まぁ、フォラスが悪い奴なのは分かり切ってるし、やる気がある人が居るのは私達にとってはプラス(・・・)だし、カイさん達が言うみたいに私達に迷惑かけない内は何も言わなくて良いかな……………)

 

蛍はニトルの中に渦巻いている感情を悪しきものだと考えたが、直ぐに他の仲間たちがそれも含めてニトルを仲間に迎えた事を再度認識した。それが敵に向き、自分達にとって力になり得るものであるならば少なくとも現状では頭から否定するものではないという結論に心の中で至った。

 

「まぁとにかくだ、俺を認めてくれるってんならよォ、仕切り直しといこうや。」

「そうね。だけどもう今みたいな直撃をそう簡単に決められるとは思わない事ね。ここからは私も闘う(・・)から

ねッッ!!!」

「!!!」

 

その瞬間、蛍の目が捕らえられたのはソフィアが両足を広げ地面を踏みしめるその動作だけだった。次の瞬間にはソフィアとニトルの距離は目と鼻の先まで迫り、ソフィアの拳をニトルが身を引いて躱していた。

 

「やっ!!!」

「へぶっ!!?」

『!?』

 

ソフィアが選択した次の行動は、顔面に狙いを定めた上段の後ろ回し蹴りだった。その衝撃はニトルを軽く吹き飛ばしたが、蹴りは直撃しなかった。ニトルは反射的に手で顔面を庇い防御を間に合わせた。

それでもニトルが攻撃を食らったのは間違いない。彼に身体は先程のソフィアと同様に回転しながら吹き飛び、壁の直前で止まった。しかし、その状況下で一番驚いていたのは攻撃を受けたニトルではなく、ソフィアの方だった。

 

(この引っ掛けの攻撃もギリギリだけどガードされた………!!)

(あ、あっぶねぇ 躱したと思って油断したぜ。間に合わなかったら顎を蹴られて落ちてたな……………!!!)

(い、い、今の、速すぎて良く見えなかった……!! これが星聖騎士団(クルセイダーズ)の隊長さんの実力なんだ……!!!)

 

蛍は目の前に居るソフィアという人間の力の程に圧倒されていた。とてもではないが気を抜けばソフィアが究極贈物(アルティメットギフト)の使い手ではない事を忘れそうになる程に目の前で広がる光景は鬼気迫っていた。

その危機感とは裏腹に、ソフィアが次に発した声は明るいものだった。

 

「今ので良く分かったわ。あんた、想像以上よ。」

「あ? 何言ってんだ。まだ蹴り一発受けただけじゃねぇかよ。」

「バカね。この私の蹴りを受けられる奴なんてこの世界に数えるほどしか居ないわよ。

ねぇ、あんたさえよければさ、お互いにホントの全力(・・・・・・)をぶつけ合わない?」

「へぇ。面白れぇじゃねぇか。」

(!!! ま、まさか………!!!)

 

ソフィアは上着の襟(・・・・)に手を掛けながらそう言い、蛍とニトルは双方別々の方向からその言葉の意味を理解した。

ソフィアとニトルという異色の対戦はたった二発の攻撃で最高潮に達し、早くも佳境を迎えた。

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