転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「いやー、
いい汗 かいたねー」
今は日が傾いている夕方。蛍はさっきまで魔物討伐のクエストに精を出していた。
「自分でやるクエストっていいもんだねー」
蛍は
せっかく女神に貰った力をこんなことに使っていいのか という気もしたが、これも生きていく上では大切なことだから、これくらいは許してもらおう と結論づけた。
「
ただいま戻りましたー!!」
「なんだ、その浮かれた声は。」
「もっとしとやかにっていうか落ち着いて出来ないの?」
クエストが成功して喜んでいる蛍をギリスとハッシュは手厳しく迎えた。
「そんな顔しないでよー
ほら、ちゃんとクエストはやってきたからさー」
「やってきたといってもたったひとつだろ?それにそのクエストもスライムから出てくる素材を回収するだけなんだ。」
「それに何も蛍君一人でやることはなかったんじゃないの?
僕達にも声をかけてくれたら良かったのに。」
「わかってないなー2人とも。
自分一人で頑張るから意味があるんじゃないのー」
「ここに来て1週間もたってないやつが何言ってんだ」
ギリスとハッシュから色々言われたが、蛍はクエスト完了を知らせることにした。
「ねぇみんな、今日はどこに泊まるの?」
「近場の宿屋でいいんじゃないか?
飯ならここで取ればいいんだから。」
***
「お待たせしました。
プレーンオムレツ キノコのスパゲティ パエリアです。
ごゆっくりどうぞ。」
3人は運ばれてきた料理に手をつけた。
フェリオは3人の頼んだ料理から少しづつ貰い食べた。
「ハッシュ君ってパエリアが好きだったんだねー」
「別に好きじゃないよ。ただ安くて美味そうだって思っただけ。デザートにシュークリームさえ食べられたらそれでいい。」
「ギリスもグラタンじゃなくてパスタにしたんだね。」
「毎回 グラタンというのも味がないじゃないか。そういうお前もオムレツとは随分控えめじゃないか。」
「他にパンがあるからいいの!」
そんな会話を交わしながら、3人はギルド内での食事を終えた。
***
「ねぇ、3人でダブルベッドってのはどうなの?」
「しょうがないだろ。空いてるのがここしかなかったんだから。」
蛍達が休むために取った部屋は、ダブルベッドの置かれた部屋だった。言うまでもなく3人では不十分だった。
「それにダブルが取れただけ幸運だぞ。下手をしたらシングルしか取れなかったかもしれないんだからな。」
それもそうか と蛍は納得することにした。
「それより蛍、お前、寝なくて大丈夫なのか?」
「何で?」
「何でってお前、
「あぁ。それなら大丈夫!今日は
それに何か最近あまり疲れなくなったんだよねー 体が
「そう思うのは結構だが、あまり慢心はしてくれるなよ?」
「分かってるってー」
ほんとにわかってるのか? とギリスが半ば呆れていると、ハッシュが口を開いた。
「ところでギリス、人探しの依頼って何か連絡は来たの?」
「こんな短時間で来るわけないだろ。
俺達も探しはするが、少なくとも3日はかかるんじゃないか?」
「3日か……… もちろんその間も仲間は探すんでしょ?」
「もちろんだ。」
「じゃあさ、そのリルアって人の事、詳しく教えてよ。」
「あぁ。私も聞きたい!」
「……!!
まぁそうか。たとえ
いいだろう。」
リルア・ナヴァストラ
彼女とギリスは魔人族の通う学校で出会ったのだという。
互いに切磋琢磨した結果、2人ともめでたく魔王になり、それぞれ違う領土を統治するようになった。
そこに厄災【ヴェルダース】が現れ、ギリスとリルアは力を奪われこの世界から葬られたのだという。
それからはずっと会えていない。
「とまぁ これがリルアについて俺が説明できることだ。」
「じゃあ種族もギリスと同じ魔人族なの?」
「いや、あいつは魔人族と竜人族の混血だった。」
「
「
「まぁ今日はそろそろ寝ようじゃないか。
もう11時を回っている。」
「それはいいんだけど…………
誰が真ん中で寝るの?」
「「」」
ギリスとハッシュは黙り込んだ。
蛍が何を言いたいかわかったからだ。
誰がダブルベッドのつなぎ目で寝るのか
***
「うぅ~ おはよ~」
「なんだお前、その気の抜けた挨拶は。」
「ギリスも疲れが顔に出てるけど〜?」
3人とも寝不足を隠せなかった。
誰がつなぎ目で寝るのか。
それを決めるのに数時間 かかった。
ちなみにフェリオはベッドとは違う所で寝たため、朝から元気いっぱいである。
「皆、まずは朝ごはん 食べに行くファ!」
「……そうだな。まずはそうするか……」
元気の無い3人だったが、その疲労を吹き飛ばす事が起こることを3人はまだ知らない。