転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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340 燻る闘志を燃やせ!! ソフィアvsニトル!!! その③

『互いに本当の全力を出して闘う』。

ソフィアはその言葉を軍服の襟(・・・・)に手を掛けながら言った。傍目には何気ない動作に見えるその行為だが、蛍はそれが意味する所を瞬時に理解した。

 

星聖騎士団(クルセイダーズ)の団員にとって彼等が着る軍服は二つの意味を持つ。

一つはそれを着る事によって自分が星聖騎士団(クルセイダーズ)である事を証明する意味である。団員にとって軍服とは誇りも同然なのだ。

そしてもう一つは力を制御する《枷》の意味である。ハッシュは身体の筋肉を制限し、本来巨人族であるイーラは軍服によってその身体を大幅に縮小している。それ程重大な意味を持つ軍服をソフィアは脱ごうとしているのだ。

 

「ちょ、ちょっとソフィアさん何やってるの!!? その軍服って星聖騎士団(クルセイダーズ)の誇りなんでしょ!!?」

「確かにその通りね。だけどこいつ相手なら本気を出しても良いって私が思った。それで十分じゃない?」

「おい、何をくっちゃべってんだよ。まさか上着一枚脱いだくらいで俺に勝てると思ってんじゃねぇだろうな。そんなんで強くなれんなら誰も苦労しねぇよ。」

「ち、違うのニトルさん!! あれはそんなんじゃ━━━━」

「確かに、上着脱いだくらいで強くなれる奴なんてこの世には居ないでしょうね。だけど本当の力(・・・・)を引き出す事は出来るんじゃない!!?」

『!!!』

 

その言葉とともに、ソフィアは身体に纏っていた上着を脱ぎ捨てた。その瞬間蛍、そしてニトルはその行動の意味を理解する。上着を脱いだ瞬間にソフィアの身体に変化が訪れた。

それまで黒の割合が多かった赤い髪が更に鮮やかに変色した。その色を言葉で表現するならば『真紅』という名詞が似合うと二人は感じた。

変化はそれだけではなかった。上着を脱いだ瞬間に蛍とニトルを高熱を帯びた魔力の圧が襲った。彼女の身体を迸る炎の魔力だ。

 

「………成程な。それがお前の全力って訳かよ。」

「そういう事よ。さ!! あんたも全力を見せてみなさいよォ!!!!」

『!!!!』

 

その瞬間、ソフィアが取った行動を蛍もニトルも視認できなかった。辛うじて分かったのはソフィアの身体が肉迫してくる事だけだ。当時、ソフィアは足を地面から浮かせ身体を地面と平行へと近付けた。そして足から炎魔法を炸裂させ、炎を噴射させて得た推進力によって高速でニトルへと急接近したのだ。

ニトルの初手の攻撃である炎魔法を応用した蹴りを圧倒的に昇華させ、そのまま返したのだ。ソフィアの身体は炎魔法の噴射によって一個の砲弾と化した。推進力をそのまま武器へと昇華させ、ニトルへ真っ向から勝負を掛ける。

 

━━━━━━バシィッ!!!!

『!!!』

 

ソフィアの肉迫を反射的に認識した次の瞬間、蛍の耳朶に届いたのは『攻撃を受け止める』音だった。しかしそれはソフィアがニトルを攻撃した音ではなかった。

蛍の視界に入ったのは空中(・・)に居るニトルが背後から(・・・・)ソフィアの首筋目掛けて蹴りを繰り出し、その蹴りをソフィアが防御する光景だった。攻撃を繰り出したのはニトルであるにも関わらず、その表情は穏やかではなかった。それは彼に攻撃が確実に決まるという確信があったからだ。

 

「!!! マジかよ━━━━!!」

「成程 これが噂の。だけどねッ!!!」

「!!!」

 

発言の途中でソフィアは身体を九十度捻り、片腕の筋力だけでニトルの身体を投げ飛ばした。ニトルの身体は空中を飛び、彼は空中で二、三回 回転し地面に着地した。

 

「………………!!! (マジかよこいつ!! 俺を片手でぶん投げやがった……………!!!)」

「今のが噂の《転換之王(ベリアル)》って贈物(ギフト)なのね。一番効果的なタイミングでそれを発動するセンス、そして私の首を正確に狙い打ったその当て勘、どっちも素晴らしいわ。

だけどね、あんたのその贈物(ギフト)、入れ替わる対象が私とあんた(・・・・・)だけに絞られてたら予測は簡単ってものよ。それじゃあ実践で通用しないわね。」

「!!! (す、凄い!! 今の一発だけでニトルさんの長所も短所も全部見抜いた……………!!!)」

 

蛍はソフィアの今の一言に隠された彼女の鋭い洞察力と分析力に驚愕していた。しかし当の本人であるニトルはその限りではなかった。

 

「勘違いしてんなよ。今のは予行演習だ。あのクソッたれの酸を入れ替えたあの時の勘を確実にするためのな。」

「そうなの? で? 勘は掴めた?」

「お陰様でなぁ。もう自由に使えるぜ。

で、何だったか? 入れ替わる対象が絞られてりゃなんとかとか言ってたな。だったらよォ、予測なんか出来ねぇくらい増やしてやるよォ!!!」

『!!!?』

 

その言葉と共に、ニトルは炎の魔法を発動した。しかしそれは攻撃の為ではなかった。魔力によって形成された火球は部屋の空間全体を漂っている。

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