転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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341 燻る闘志を燃やせ!! ソフィアvsニトル!!! その④

ニトル・フリーマは『ヴェルダーズ達に影魔人(カゲマジン)に変えられた被害者』と『蛍達のギルドの一員』という二つの経歴を持つ唯一の人間である。彼はフォラスの被害に遭い、影魔人(カゲマジン)として戦闘していた当時の事をこう振り返っている。

 

『当時の事を理解している』と。

 

それは即ち影魔人(カゲマジン)としての戦闘のあらゆる情報を知識として把握しているという事である。蛍との話では負傷の事しか話していなかったが、彼は攻撃の事も知識として理解している。

故にニトルはこのソフィアとの試合という場を実験台として自分の脳内にある行動が成功するか否かを確かめようとしていた。

 

*

 

ソフィアはニトルの究極贈物(アルティメットギフト)転換之王(ベリアル)》の攻撃を受けた上でその弱点を言い当てた。しかしニトルはその弱点を克服する方法を見つけ出していた。問題はそれが上手く行くという確信が無い事だ。

 

(ホタルの奴から誘われてあの連中と戦うと決めた時から、これ(・・)が上手く行くんじゃないかって考えてた。俺の力が実戦で通用しねぇだと? んな事ァこいつを食らってから決めやがれ!!!)

 

ソフィアの思考は『不可解』の一色に染まっていた。対戦相手であるニトルが魔力を練り固めて火球を形成した。それだけならば何もおかしい事は無い。魔法で戦うものならば誰もが取る手段だ。問題はその火球が周囲に浮かぶとその場で動きを止め、全く自分に向かって来る様子が無いのだ。

 

(━━━━何してんのこいつ? 贈物(ギフト)は通用しないと考えて魔法主体のスタイルに戻した? いや、にしては火の玉が小さすぎる。私と張り合うなら量より質で勝負しないと勝てないって事は分かり切ってるのに━━━━)

バギィッ!!!!! 「!!!!?」

「!!!」(よっしゃ!!!)

 

ソフィアが周囲の状況の把握に集中していたその瞬間、彼女の身体を衝撃が襲った。彼女が辛うじて認識出来たのは自分の身体が飛ばされているという事だけだった。しかしその場を傍目で見ていた蛍は何が起こったのかを全て理解した。

 

(い、今、ソフィアさんがニトルさんに近付いた(・・・・)と思ったら、ニトルさんが思いっ切り蹴り飛ばした………!! って事はソフィアさんと火の玉を入れ替えたんだ!!

というかあの贈物(ギフト)って生きていない物でも入れ替えられるんだ!! 予測できなくしてやるってこの事か!!)

 

空中に飛ばされているソフィアは身体に走る痛覚を意識から切り分けて、何が起こったのかを把握する事に終始していた。しかしその隙すら与えず、ニトルの反撃は始まった。

 

「!!!」

「はぁっ!!!」「うぐっ!!?」

 

背後に気配を感じたと思った瞬間、ソフィアは腕を後方に回して防御を固めた。瞬間、ニトルの蹴りが防御している腕に直撃し、反対方向に吹き飛ばされる。その時点でようやくソフィアは自分の身に何が起きているのかを理解した。

 

(こいつ、まさか自分と火の玉を入れ替えてるの!!? って事はつまり、ここにある火の玉全部があいつの移動位置の候補って事…………!?)

「!!」

 

体勢を立て直そうとした瞬間、ソフィアの眼前にある火球がニトルに変化した。既に拳を発射する準備を整えている。贈物(ギフト)の発動を認識した瞬間、ソフィアは反撃に転じた。

 

「調子乗ってんじゃないわよ!!!」

「誰が!!」「!!?」

 

ソフィアが眼前に拳を突き出した瞬間、目の前からニトルの姿が消え、強い力で首が締め上げられた。ニトルが自分とソフィアの背後にあった火球を入れ替えて背後を取り、彼女の首に両腕を回して締め上げたのだ。

 

「……………ッ!!!」

「誰が調子に乗ってるって? 調子乗って俺をなめてかかってんのはテメェの方だろ!!」

「……だからそれどっちもあんたの方でしょ。誰に締め技掛けてるか分かってんの!!!?」

バギッ!!!! 「んぎっ!!!!?」

 

瞬間、ニトルの鼻を強烈な衝撃が襲った。ソフィアが首を前に倒し、一気に後方に振り上げる動きでその後頭部をニトルの顔面に直撃させた。顔面や鼻に許容量を遥かに超える衝撃を受けたニトルは反射的にソフィアの首に掛けていた両腕の固定を緩めてしまう。

 

「はあっ!!!!」

ズダァン!!!!

「!!!!? げはっ………!!!!」

 

ソフィアは身体を反らせた状態でニトルの手首を襟を掴み、身体を折り曲げる動きにニトルを巻き込み、そのまま身体を地面に叩き付けた。ニトルの背中に衝撃が走り、肺の空気が漏れ出る。下手な追撃は危険だと判断したソフィアはニトルと距離を取った。

全身に走る鈍痛を押し込めてニトルは起き上がり、再びソフィアと相対する。

 

「……成程なぁ。 身体の使い方はそっちの方が上って訳かよ。」

「当たり前でしょそんなの。

だけどあんたの才能もかなりの物よ。町で見かけたら間違いなく総隊長からお声が掛かってたでしょうね。だからあんたを認めて私も見せてあげる。隊長まで上り詰めた私の全力をね!!!」

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