転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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342 燻る闘志を燃やせ!! ソフィアvsニトル!!! その⑤

ソフィア・バンビエスが星聖騎士団(クルセイダーズ) 六番隊隊長という地位に就いてからはまだそれほどの時間は経っていない。無論、それ以前は他の人間が隊長という椅子に座っていた。

ソフィアが就任する以前六番隊隊長であり現在は六番隊の副隊長に就任している男、《ヘルディーズ・ゲヘナ(26)》は当時、そしてソフィアについての事をこう振り返っている。

 

「六番隊の隊長から降ろされた時の事ですか? ええ。それはもう納得いかなくて、総隊長殿に直接異議申し立てを行いましたよ。だってそうでしょう? 当時の事だと思って聞いて欲しいんですけど、私より一回り近く年下の少女にいきなり取って代わられるって言うんですから。

その時の総隊長殿の反応ですか? それは意外な事に、まるでこうなる事を予測していたみたいに落ち着いて私に受け答えをしたんですよ。 彼女を隊長に据えたのは実力故であり、私は補助に徹するのが最善だと判断したからだ とね。そして彼女が入団した経緯も私と同じだと言うんですよ。

私もつい数年前までは血の気の多いガキのような人間でね、出す拳を見つける為に冒険者になって魔物相手に力をぶつけていたんですよ。それを星聖騎士団(クルセイダーズ)のお眼鏡に適って、今に至るという訳です。

 

え? 私がそれを納得した理由ですか? その時の事は生涯忘れませんよ。

あれはソフィア隊長の初任務の事です。それは私が経験した中で最大の事件でした。一つの村で複数の盗賊団が一斉に略奪を行ったんですよ。私は民間人の安全を確保する事しか出来ませんでした。とても盗賊団の相手などする余裕はありませんでした。そもそもの実力が足りていなかったんですよ。もし私が六番隊を主導していたら、きっと被害は数倍に上っていたでしょうね。

その時私はソフィア隊長の実力を思い知らされました。それまで私はてっきり腕力や格闘術に秀でていた人間だと思っていたんですが、それは違ったんです。あの人が本当に優れていたのは魔法の腕前でした。広範囲の炎魔法で盗賊団を一網打尽にしたんです。

 

その時の魔法ですか? 奇妙な段階を踏んでいた、聞き馴染みのない系統の魔法でした。

━━━━確か、『古式魔法』という系統だったと聞いています。」

 

 

***

 

 

『全力を見せる』という言葉を星聖騎士団(クルセイダーズ)の隊長が発する。それが意味する所は蛍も、そしてニトルも十分に理解していた。しかしニトルはその上で迎え撃つ事を決意した。

 

「━━━━面白れぇ。隊長サマの全力を受け止められるなんざ光栄なこった。分かったよ。贈物(ギフト)は使わねぇ。真っ向から耐え抜いてやるよ!!!」

「!!!! な、何を言ってるのニトルさん!!! すぐ逃げなきゃダメだよ!! 死んじゃうよ!!!」

「お前こそ何言ってやがんだホタル。こっちは今朝殺されかけた上になめ腐った口ばっか聞かされ続けて頭にきてんだよ。あのクソッたれの腐れ外道共に吠え面かかせてやる為にはよォ、唯の人間一人相手に出来なきゃお話にならねぇだろうが!!!!」

「!!!」

「あー、なんか熱く語ってるとこ悪いけど、あんたもその『唯の人間』だって事分かってる?」

「おうともよ。だからよ、唯の人間同士全力をぶつけ合おうや!!!」

 

ニトルのその言葉がソフィアの闘志に火を付けた。彼女は全力の攻撃を放つ準備を整える。しかしそれは奇妙なものだった。懐から一枚の縦長の紙を取り出し、ニトルの方へ向けると彼女の口から聞き慣れない言葉が発せられた。

 

「━━━━『日輪(にちりん)

灼爍(しゃくしゃく)

火龍(かりゅう)咆哮(ほうこう)』」

『!!!』

 

ソフィアが言葉を発するに連れ、手に持っている紙が煌々とした光を発する。まるでそれまではソフィアの身体から垂れ流されていた魔力がその紙に集中しているかのようだった。その時点でニトルはようやく理解する。自分が如何に思い切った挑戦に打って出たのかを。

しかしニトルは逃げる選択をしない。今朝自分を食い物にしたスライム フォラスに比べたら目の前のソフィア・バンビエスなど遥か格下だ。彼女に立ち向かう事が出来なければフォラス達に借りを返す事など叶う筈も無い。

 

「炎古式魔法!!!

焔龍牙突(えんろうがとつ)!!!!!」

『!!!!!』

 

ソフィアが構えていた紙を起点として、巨大な炎の塊が発射された。炎は変形し、巨大な龍の形となってニトルへ襲い掛かる。しかしニトルは一歩も引こうとはしなかった。意を決して全身に魔力を込め、炎の龍を迎え撃つ決意を固める。

 

━━━━だが、炎の龍がニトルへ到達する事は無かった。

 

「…………………………?

!!!?」

「ルベドさん!!!「総隊長!!!」」

 

蛍、ニトル、そしてソフィアの三人はニトルの前に立っているルベドの存在を視認した。

ルベドとソフィアの間には二人以外の何もなかった。ソフィアが放った渾身の魔法は跡形も無く消えていた。そしてルベドは指を一本立てている。彼の魔力を込めた指の一振りがソフィアの魔法を完全に消し去ったのだ。

 

「━━━━やれやれ。随分と派手に暴れてくれたね。だけどここまでだ。もうお昼の時間だよ。」

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