転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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345 明らかになる新たな能力!? ハニ主催 ニトルの特訓!! (後編)

ニトルはハニから手渡された二つのボールを両手に持ち、思考を巡らせていた。しかしどう考えてもハニが言った事を遂行出来る見込みが浮かんでこない。

ハニは『青いボールを投げて赤いボールを壁にぶつけろ』と言った。無論、ニトルもこれが転換之王(ベリアル)の能力に関係している事は察知したが、どうすればそれが出来るのか、その方法だけが見当が付かない。

 

「やっぱり分からない? じゃあさ、質問を変えてみようか。 ホタルちゃん、ニトル君の後ろに立ってみてくれない?」

「え? は、はい。」

 

ハニに従い、蛍は言われるがままにニトルの後ろに移動した。ハニとニトルが向かい合い、その後ろに蛍が立っている。

 

「で? こんな事して一体何をしようってんだよ。」

「それはね、こうする(・・・・)ためだよっ!」

「ッ!?」

 

瞬間、ハニは出し抜けにニトルに向けて懐に隠していたものを放った。あとで判明したそれは毛糸の塊だった。たとえ直撃しても一切の害も無いが、ニトルは反射的に危険なものを投げられたと判断し、《転換之王(ベリアル)》を発動した。毛糸(投げられたもの)と自分の後ろに居る蛍とを入れ替え、逃れる為だ。

 

「わっ!?」

ドゴッ!!!

「うげっ!!?」

 

しかし次の瞬間、ニトルの身体は衝撃を受けた。彼の眼前には蛍が現れ、そしてニトルへぶつかった(・・・・・)。投げられた毛糸の塊と全く同じ動き(・・・・・・)でニトルの方へ移動したのだ。

毛糸の塊より遥かに大きな衝撃を受けたニトルの身体は大きな音を立てて床に倒れた。

 

「えっ!? な、何で私動いて………!!? ってかニトルさん 大丈夫!!?」

「~~~っ 痛ってぇ~~~~~!! 何でだ!? 俺は確かに発動した(入れ替えた)筈だろ……………!!」

「あーあ、やっぱり(・・・・)そうなっちゃったね。」

「えっ、やっぱり!? ハニさんこうなるって分かってたの!!?」

 

ニトルを下敷きにさせられた(・・・・・)ホタルに対し、ハニが声を掛けた。その表情はまるでこの状況を予測していたかのようだった。

 

「うーん、分かってたって言うと嘘になっちゃうかな。だけどそうなった理由なら分かるよ。

それはね、ニトル君が動きごと(・・・・)位置を入れ替えたからだよ。」

『!?』

 

二人はハニの言葉の意味を一瞬 理解出来なかった。それは二人共《転換之王(ベリアル)》の能力が『位置の入れ替え』だと考えていたからだ。

 

「………そういやあんた、俺が入れ替えられんのは場所だけじゃねぇとか言ってたな。けど、それが一体何だってんだ。」

「分からない? もし君が自分の贈物(ギフト)場所(・・)だけじゃなくて動き(・・)も自由に入れ替えられるとしたらさ、さっき私が言った事も出来るし、今みたいな事も防げるんじゃないかな?」

「!!」

 

その時点でニトルは漸くハニが言わんとしている事を理解した。彼女はニトルの贈物(ギフト)で出来る事を増やそうとしているのだ。

 

「成程な。こいつは俺の贈物(ギフト)の特訓って訳か。 良いぜ。受けてやろうじゃねぇか!!」

「そう言ってくれて嬉しいよ! じゃ、風妖精(エルフ)の里に着くまで付きっ切りで面倒見てあげる!!」

 

ニトルはハニとの特訓を快諾した。その顔の裏にはやはり自分を食い物にしたフォラス達への感情もあるだろうが、誰もその事には触れなかった。

互いに快活な表情を浮かべるニトルとハニを、蛍とギリスは気の抜けた表情で傍観していた。

 

「……………なんか、放っといても大丈夫そうだね。」

「ああ。てっきりお前のような事になると思っていたがな。」

「っ!! そ、その話はもう止めてよ……………。 それよりギリス、今からって予定とかある?」

「いや無いな。数時間毎に城の状態を見なければならんが、それまでは開いている。」

「そっか。 じゃあさ、ギリスの部屋に行ってもいい?」

「は?」

 

ギリスは蛍の真意を探るような声を発した。蛍のような年頃の少女が態々異性の部屋に足を踏み入れるなど、余程の理由が無ければ有り得ない。たとえそれがギリスと蛍の関係性であってもだ。

 

「それは構わないが。

おいマキ、二人に付いて、何かあったら俺の部屋まで報告に来てくれ。」

「分かりました。」

 

マキに見張りを任せ、蛍とギリスは今にも始まろうとしているニトルの特訓を背に大広間を後にした。

 

 

***

 

 

ギリスの部屋は、他のメンバーや団員達に宛がった部屋と全く同じ内装だった。これといった特徴も無く、椅子や机のある居間とベッドが置いてある寝室で構成されている。

蛍とギリスは今の机に向かい合って座った。

 

「………嘗て魔王だったからと言って自分を贔屓している訳じゃない事は分かってくれただろ。」

「いやいや、そんなつもりで来たんじゃないよ!」

「なら一体何なんだ。態々こんな部屋に来たんだ。何か理由があっての事なんだろ。」

「うん。ギリスにどうしても聞きたいと思ってたの。ルベドさんや、あと、シャルディアって人の事。」

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