転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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352 遂に見えた世界樹!! 着陸 風妖精(エルフ)の里!! (後編)

風妖精(エルフ)の里へ到着したという情報は一瞬にして魔王城中を駆け巡り、場内は期待と緊張と使命感が入り混じった独特の空気に包まれた。

しかし場内では蛍達は旧友や風妖精(エルフ)に会える期待に胸を膨らませ、星聖騎士団(クルセイダーズ)は緊張感に包まれていた。因みにハッシュは後者だった。

 

そして前者の中で特にはち切れんばかりの期待に胸を膨らませている者が居た。

 

「なぁなぁギリス! もうすぐだよな!? もうすぐでシャルディアに会えるんだよな!?」

「逸るなと言っているだろう。既に着陸準備に入っている。後数時間後には里の酒が吞める。」

「そうだよ。それに僕達は遊びに行く訳じゃない。これも奴等に打ち勝つための行動の一環だという事を忘れないでくれ。」

 

現在は蛍達魔王城に乗っている全員が一つの大広間に集められ、再び地面に足を付ける時を今か今かと待っている。そしてその中で言葉を交わしている者が三人居た。ギリスとルベド、そしてリルアの三人である。

彼等三人以外の人間達は皆、三人の間に広がる空気に馴染めずにいた。彼等三人の共通点は言うまでも無くシャルディアと面識がある事である。その例に漏れる人間達には理解出来ない何かが三人の間の空気にはあるのだ。

そしてそれは蛍ですらも例外ではなかった。

 

(………うん。私は今まで友達と離れ離れになった経験なんて無いからギリスの気持ちは分からないけど、それでも嬉しいに決まってるよね。)

 

ギリス達の胸中は想像する事しか出来ないが、それでも自分の寿命の何倍もの時を超えた再開が非常に喜ばしいものである事を蛍は容易に察知出来た。そして様々な感情が入り乱れていた場はギリスの言葉で統制される。

 

「さて諸君、三日に及ぶ長旅、実にご苦労だった。だがこれはまだ開始地点に立ったに過ぎない。

俺達はこれから風妖精(エルフ)の里へ入り、それぞれに活動する。風妖精(エルフ)を始め、里には多種多様な妖精族が居る。その高度な魔法技術は態々語るまでも無いだろう。味方に付けられたならば百人力だ。

俺達が合同で実行するこの数日の行動にこれからが掛かっているという事を忘れないでくれ。」

 

自分達に向けたものか或いは星聖騎士団(クルセイダーズ)達へ向けたものか、いずれにしろその言葉はその場に居た全員に適度な緊張を与え冷静さを取り戻させた。自分達は今、風妖精(エルフ)の里へ旅行に行くのでは決してなく、これは戦力増強の為の作戦の一環であるという事を再認識させられた。

そして次に口から出た言葉は自分達がこれからその作戦へ踏み込むという事を意味していた。

 

「これより、この城は着陸態勢に入る。城内にも多少なりとも振動が掛かる為、体勢を崩さないよう注意するように。」

「……………………」

『ブォアッ!!!!』

「!!!」

 

その音は、(魔王城)が地面へ着陸する為に羽ばたいた音だった。その反動は竜の体内(城内)へ多少なりとも衝撃を与えたが、それは直ぐに収まった。そして衝撃が収まったという事は着地に成功した事を意味する。

 

「……………お、収まった………? って事は……………」

「ああ。着地成功だ。今はこの城を元の形態に戻している。そうでなければ碌に出られんからな。

あと数分すればその変形も完了する。そうすれば漸く(・・)だ。」

「……………!!」

 

蛍だけでなくその場に居た全員が身体で受けた衝撃とギリスの言葉によってこれから起こる事の全てを理解した。

 

 

 

***

 

 

 

(魔王城)の羽ばたきによる衝撃の後、魔王城は元の姿へと戻っている。その際にも城の内部には多少なりともの断続的な震動が続いている。そしてそれも程無くして収まった。内部から確認する術は無いが、その場に居た誰もが自分達が居る魔王城が元の城へと戻ったのだと理解した。

またしても口を開いたのは蛍だ。

 

「…………これって、元のお城に戻ったって事だよね………?」

「ああ。今此処は魔王城(ヴァヌドパレス)の数十階と言った所だ。さぁ、窓から外を見てみろ。面白いもの(・・・・・)が見えるぞ。」

「面白いもの? もしかして、風妖精(エルフ)の里が━━━━」

「どうやらそうではない。兎に角見てみろ。」

「そうではない━━━━━━?

 

ッ!!!?」

 

その時、蛍が見たのはそこに広がっている筈の風妖精(エルフ)の里では無かった。視界の端には確かに入っていたが、蛍の意識はその前方(・・・・)に集中していた。

そこには一人の女性が居た。身長は蛍より二回り程も大きく、透き通るような金色の髪は頭頂部で束ねられ、更に一際目を引いたのは人間とは明らかに異なる尖った耳と背中から生えた昆虫を連想させる羽である。

それらの膨大な視覚情報を処理し、蛍は一つの結論に至った。そしてその結論を証明する言葉を蛍達は聞いた。

 

「━━━━久しいな。我が友たちよ。

そして歓迎しよう、誇り高い勇者と精鋭諸君。私がこの風妖精(エルフ)の里の族長、《シャルディア=ティアーフロル=フェルナーデ》だ。」

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