転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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355 戦ウ乙女(プリキュア)達の憩い! 蛍が語る蛍の話! (前編)

「おーーーーーっ!!」

 

シャルディアに誘導される形で拠点となっている建物に入った面々の中で半ば反射的に声を出したのは蛍だった。中に入って最初に目に飛び込んで来たのは玄関である筈なのに余りに広すぎる空間だった。

それまで見た風妖精(エルフ)の里の建物の例に漏れず床、壁共に木造であり、椅子や机などの家具も茶色で統一され芸術作品と見間違う程の迫力を与えた。

 

現在はシャルディアの旧友であるギリス、ルベド、リルアと最重要人物である蛍が建物に入りそれ以外の人間は外で待機している。総勢百を優に超える全員を移動させるとそれだけで少なからず時間を空費するからだ。

 

「此処は所謂、村民の手続きを行う場所だ。書類の発行などは此処で行われている。」

(つまり市役所みたいなものか……………)

「次は君達の部屋をそれぞれに案内する。」

「え、全員この建物に入るんですか?」

「ああ。この建物は災害時の避難場所の役割も兼ねているからな。地下を含めると最大で五百人以上収容できる(因みに風妖精(エルフ)の里の人口は四百人程)からな。村に居る間は此処に居ると良い。堅牢さも私が保証する。」

 

*

 

「おーーーーっ!!」

 

場所は風妖精(エルフ)の里の拠点である建物の(最大五階ある内の)三階。蛍は部屋の内装に再び感嘆の声を発した。部屋の内装は先程の広間と同様壁や床、家具が全て茶色の木造で構成されている。

 

「結構豪華ファね、ホタル!」

「そうっスね! こんな部屋あと何回泊まれるか分かんないっスよ!」

「全くです。唯彼等と戦うだけに存在する私には不揃いな待遇です。」

「まぁ俺は里を出てからずっとどこかに泊まりっぱなしだけどな。」

 

蛍の感嘆の声に続く形でフェリオ、ミーア、フゥ、リナが各々声を発した。彼女達の共通点は一つだ。

 

「まぁそれで私達は全員戦ウ乙女(プリキュア)な訳だけどさ、こうやって集まるのはなんだかんだ初めてだよね?」

「いや全員って、リルアはどこ行ったんスか?」

「あー、リルアちゃんはギリスやルベドさんと一緒にシャルディアさんのとこに行っちゃった。まぁそこはしょうがないって感じで……………」

 

蛍達には複数の側面を持つ人間が複数人居る。リルアはギリス達と共にシャルディアの下に行き、ハッシュはルベド以外の星聖騎士団(クルセイダーズ)の団員と共に行動している。因みに魔法警備団の団員という側面を持つタロスは普通に行動している。

 

話は変わって、最後の戦ウ乙女(プリキュア)であるフゥが加入した時期はギルドが三手に分かれて行動し蛍が魔法警備団本部にてガミラ達と交戦している最中である。戦ウ乙女(プリキュア)全員が一堂に会したのはその後だ。そして蛍とリナはその後直ぐにツーベルクに旅行に行った。故にこうして(リルアを除く)戦ウ乙女(プリキュア)だけが集まるのはこれが初だ。

 

「あー、えーっと、何から話す?」

「じゃああれだ。ミーアに、それとフゥ、俺達がツーベルクに行ってる間、お前らは何をしてた?」

「自分達はあれっスね。ギリスマスターから色々と聞いてたっス。」

「私も動揺です。何しろこの世界の知識が皆無なものですから。」

「え? それだけ?」

「そっスね。後はご飯の内容くらいしか話す事無いっス。」

 

それを聞いた蛍とリナは理解した。自分達は自分で思っている以上にお互いの事を知らないのだ。しかしそれは即ち話を広げやすい議題が出来た事を意味していた。

 

「じゃあ次はさ、みんなが戦ウ乙女(プリキュア)になるまで何してたか話そうよ。」

「待って下さい。私には戦ウ乙女(プリキュア)になる以前の情報など有りませんよ?」

「私も、蛍と一緒にこの世界に来たから話す事なんて何もないファ。」

「俺も特に話す事ねぇぞ? 里で毎日修行して飯食って寝て、お前が来るまでその繰り返しだ。」

「自分もそんなとこっスね。元々冒険者になりたかったんで、弓の特訓ばっかやってたっス。」

「えっ? それで終わり?」

「俺等はな。けど話はそれで終わりじゃねぇだろ。

ホタル、言い出しっぺのお前はどうなんだよ。お前は他の世界からここに来て戦ウ乙女(プリキュア)になったって話じゃねぇか。その前までお前はどこで何やってたんだよ。

ッてかそもそも、お前自分の事俺達に話してくれた事ねぇよな?」

「!」

 

リナの指摘は的を得ていた。蛍は仲間であるリナやギリス達に自分の情報を殆ど話せていない。激動の毎日が続き、その余裕が失われていた。

 

「おーっ! 自分も気になるっス! 家族とか向こうの世界とか! 色々話して下さいよ!」

「そうファね! 私もパートナーなのに今まで聞いてなかったファ!!」

「家族ですか。私には縁のない話です。少なからず興味はありますね。」

「そういうこった。お前が切り出した話なんだから責任もって洗いざらい話せよな。」

「……………うん分かった。まず、私が居たのは『日本(ニホン)』っていう国でね━━━━」

 

リナ達異世界人にとっては耳馴染みの無い国名を皮切りに、蛍は自分の情報を話し始めた。

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