転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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356 戦ウ乙女(プリキュア)達の憩い! 蛍が語る蛍の話! (後編)

自分の情報を開示するよう要求された蛍はまず自分が過ごした場所、即ち『日本』の情報を話した。話していく度にかつての生活が思い起こされる。つい数日前までそこで生活していた筈なのにその記憶が遥かに古いものであるかのような錯覚を覚える。

 

「━━━━とまぁ、色々かいつまんで話したけど分かってくれたかな?」

「分かったけどよ、お前の話に出てきた『デンキ』ってのは何なんだ?」

 

蛍は日本の情報として『電気を利用して様々な事が出来る』と説明した。その発言がリナ達にはとても不可解なものに聞こえた。

蛍にとってこの世界にとっては当たり前の事である『魔法』などは余りに不可解に聞こえたが、それはリナ達も然りだった。

 

「あー、電気ってのはほら、あれだよ。ヴェルドの迅雷之神(インドラ)って雷を身体に纏ってるでしょ? あの雷と似たようなものを動力にして動く道具が私の世界にはあるんだよ。

例えば食べ物や水を温めたり、離れた所に居る二人が話せるようにしたりさ。」

「それって魔法と変わんねぇじゃねぇのか?」

「ん? あー、そうかもね……………」

 

蛍はこれまでにもギリスが魔法を利用して料理をするところや魔法を応用して離れた場所を通話させる道具を目撃している。それは動力源が異なるという点を除けば蛍が居た世界にもあった技術と遜色ないと言える。

次に問い掛けたのはミーアだった。

 

「で、ホタルの居た世界にはその、魔物とかは居ないんスね?」

「うん。犬とか猫とかは居るけど、ドラゴンとかは居ないね。まぁ、お話の中にはちょくちょく出て来るけど……………

(そういえばお話の中にだけ居る生き物がこの世界には実在するって変な感じだよね……………)」

 

今まで気にしなかった事だが、この世界と蛍が元居た世界にはある程度の共通点がある。普通に考えてそれはとても不可解な事だ。しかし蛍はそれ以上考える事を止めた。この世界の事情をまだ数日しか生活していない蛍が理解出来る筈もないのだ。

次はフゥが発言権を得るための挙手をした。

 

「では次は私から二つ。まずギリス様から聞いた事ですが、ホタルが居た世界に居る人間は、所謂《人間族》しか居ないという情報は確かでしょうか。」

「そうだね。ギリスやリルアちゃんみたいな魔人族もシャルディアさんみたいな風妖精(エルフ)も居ないし、人間の寿命は百年くらいが限界だね。」

「理解しました。では次に、ホタルの血縁、並びに家族について詳しく教えて下さい。」

 

女神ラジェルの手によってヴェルダーズ達と戦うべく生み出された戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)の一面を持つフゥにとって家族とは実体験の無い情報である。その彼女が興味を持つ事は自明の理だ。

 

「うん分かった。話すね。

まず、私は四人家族でね━━━━」

 

*

 

夢崎桃(ゆめざきもも)

性別:女性

年齢:39歳

続柄:蛍の母

現職:スーパーマーケット パート職員

前職:食品会社勤務

 

夢崎勇一(ゆめざきゆういち)

性別:男性

年齢:40歳

続柄:蛍の父

現職:証券会社勤務 海外へ単身赴任中

前職:無し

 

夢崎姫乃(ゆめざきひめの)

性別:女性

年齢:12歳

続柄:蛍の妹

現職:小学六年生

前職:無し(強いて言うなら幼稚園児)

 

*

 

蛍は数分を掛けて自分の家族の情報を話し終えた。話し終わる頃にはフェリオやミーア達の目は興味に輝いていた。フゥは目を閉じ頷きながら話を聞き入れ、リナは単なる情報としてしか聞いていないという印象を与えた。

 

「あれ? リナちゃん興味なさそうな感じ?」

「いや別に。ただ(聞き慣れない言葉はちょくちょくあったが)普通の家族だなって思っただけだ。」

「まぁ確かに普通かもだけど私にとっては大切な家族だよ。」

「そうか。それじゃお前は現在進行形でその家族に滅茶苦茶に心配掛けてるって事にならねぇか?」

「!!!!」

 

リナにとっては何気ない一言だったが、その発言は蛍の精神に少なからず衝撃を与えた。ラジェルの言われるままにこの世界で戦ウ乙女(プリキュア)として戦い、ギリスと出会ってからは息つく暇も無い程に激動の毎日を送った。その際、元の世界に残してきた家族の事を考えている余裕は無かった。

 

「……………リナちゃんの言う通りだね。今私の家族がどうしてるか気にならないって事は絶対に無い。出来るならまた会いたいとは思うよ。」

 

蛍は今自分が言った一言にはもう一つの意味が内包されている事に気が付いていた。それは即ち今居る世界より元居た世界を優先する発言だ。全てが終わり元の世界に帰る方法が見つかった時は、迷わず自分は元の世界で生活する道を選択するであろう事を他でもない蛍が一番良く理解していた。

 

(……………どうしよう。こんなつもりじゃなかったのにめちゃくちゃ暗い雰囲気になっちゃった……………)

「おーいみんなーーーーー!!!」

『!』

 

その部屋の空気とは正反対の明るい声が蛍達の鼓膜を震わせた。声の主は戦ウ乙女(プリキュア)でありつつもギリス達と共に行動していたリルアだった。

 

「リルアちゃん何でここに!? シャルディアさんの事はもういいの!?」

「いや違う。そのシャルディアから提案だ。今からお前達を世界樹に案内すると言っている!」

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