転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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357 風妖精(エルフ)の里の中心地! そびえ立つ神秘の世界樹!! (前編)

世界樹とはこの世界において最大級の植物である。その最たる特徴はその成長に水分ではなく魔力を要する事である。通常の植物が水分を根から吸収し葉から蒸散するのに対し世界樹は魔力を根から吸収し葉から蒸散するという特徴を有している。

そしてその特徴は風妖精(エルフ)をはじめとする妖精族が生活するにあたって非常に重要な役割を果たす。故に妖精族は世界樹の側で慎ましく生活する道を選んだ。風妖精(エルフ)の里は世界樹を中心に作られた集落なのである。

 

そしてその世界樹に向かっている者たちが居る。里の族長であるシャルディアを先頭に来客の戦ウ乙女(プリキュア)である蛍、リルア、ミーア、リナ、フゥの六人である。世界樹に向かう道すがら、リルアは話を聞いていた。

 

蛍達が部屋の中で話していた彼女が住む(日本)や彼女の家族についての話だ。

 

「━━━━ほう、成程な。

しかしそれはまるで私達の魔法技術と遜色ないように聞こえるが。」

「うん。そう考えた方が分かりやすいかもね。」

 

リルアは蛍が生活していた日本という国は魔法や魔物という概念の無い国であるという事と蛍が四人家族であるという事を聞いた。リルアにとってそれは子供が聞く御伽噺のように興味深いものに聞こえた。蛍にとって科学文明が当然のものであるようにリルア達にとっては魔法技術が当然のものなのだ。

 

「だが言われてみればホタルの身の上など、今まで気にした事も無かったな。」

「うん。まぁ、今まで聞く余裕も無かったって言った方が正しいだろうけどね……………」

 

蛍とリルアの出会いは蛍達がリルアを二人目の戦ウ乙女(プリキュア)にすべく当時記憶喪失状態だった彼女を勧誘した時に遡る。

そしてその直後、二人はそれぞれ別行動を取った。それからは今まで激動の毎日が続いた。蛍が言う通り聞く余裕が無かったという指摘は的を得ていると言える。

 

そして程無くして蛍達は目的地である世界樹へ到着した。

 

「……………これが…………………………!!!」

「どうかな。やはり間近で見るのは格別かな。」

 

蛍は里に到着した時に既に世界樹の全貌を目の当たりにしている。自分の身長を数十倍にしても尚届かないような巨木と真っ向から相対した。寧ろその時より現在の方が世界樹の見えている範囲は狭い筈であるが、受ける迫力は前回を遥かに凌駕していた。

視界に入るものは世界樹の幹が全てであるが、距離が近いからこそ感じるものもある。

 

そして首を上げれば視界には一面の緑が映る。青々とした無数の葉とその間から光る木漏れ日は異世界に居ながらも自然の美しさを凝縮し視界一杯に広げたような神秘的な光景だった。

 

(……………な、なんというか、その、きれい……………!!)

「どうやら気に入ってくれたようだな。それならば連れて来た甲斐が有るというものだ。」

「あ、はい。上手くは言えないですけど、その、きれいだなって……………!」

 

蛍の隣ではシャルディアが同様に世界樹を見上げている。蛍と違い、シャルディアは毎日のように世界樹を見ている。しかし世界樹に抱く感情はシャルディアの方が遥かに大きい。それ程に妖精族にとって世界樹とは重要なものなのだ。

 

「…………あの、一つ聞いて良いですか?」

「ん? 何かな?」

「シャルディアさんや妖精族にとって、この世界樹ってどんなものですか?」

「どんなもの か。そうだな。 命の恩人、とでも言えばいいかな。

あの日(・・・)、この世界樹の側に居なければ確実に私達は滅んでいた。今こうして私が君と話せているのも、この世界樹があってこそなんだ。」

「そうですか……………。 そうですよね。」

 

蛍は今の自分の行動を野暮なものであったと省みた。

ヴェルダーズが嘗て妖精族、延いてはこの世界に与えた被害など分かり切っていた筈である。それを癒すには一体どれ程の労力が必要だったかは計り知れない。

妖精族はこの世界樹の側で生きる事で傷を癒し、今日まで種を紡いで来たのだ。その妖精族にとって世界樹が如何に重大なものであるかは考えるまでも無い事である。

それを再認識した蛍は再び世界樹を見上げた。

 

視界に入る自然の美しさ、鼓膜を震わせる木の葉の音、鼻を抜ける花々の香り、今の蛍の意識はそれらを堪能する事のみに集中していた。

 

 

 

***

 

 

 

時を同じくして、蛍達より遥か遠くから世界樹を眺めている者達が居た。しかし彼等は世界樹に対して特別な感情は抱いていなかった。ただそこに一つの巨大な植物があり、そこに自分達の攻撃目標があるという認識しかなかった。

 

「あれが世界樹って奴か。噂に聞く通りの飛んだ独活(ウド)じゃねぇか!!」

「本気でそう言ってんならお前一人で突撃してきなよ。俺達は後から行くから。」

「右ニ同ジダ ダクリュール。アノ奥ノ手(・・・・・)ノ発動ニハ世界樹ガ必要不可欠トイウ陛下ノ御言葉、忘レタ訳デハアルマイナ。」

「ハッハッハ!! あの奥の手によって生意気な餓鬼共が泣き叫ぶ光景が目に浮かぶようじゃ!!」

「しかし魔力を循環させる植物とは興味深いですね。葉の一枚でも持って帰って調べるとしますか。」

「して、如何しますか サー・オオガイ。即座に突入、殲滅と行きましょうか。」

「否、今日は準備に専念しろ。虫共に身の程を分からせてやるのは明日だ。」

 

彼等はチョーマジン化(・・・・・・・)させたロック鳥(巨大な鳥の魔物)に乗り、風妖精(エルフ)の里へ接近していた。風妖精(エルフ)の里に奇襲を掛ける七人の厄災之使徒(ヴェルソルジャー)、ダクリュール、ダルーバ、コキュートス、フォラス、ディスハーツ、ゼシオン、オオガイである。

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