転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
蛍とシャルディアが感じ取った異常事態を
「里 防護壁外の森、南区七時の方向にて異常発生!! 状況から見て魔物の発生によるものと思われる!!! 動ける者は即刻現場に急行、魔物の撃退に尽力せよ!!!」
「否、その必要はない。」
『!!?』
拠点である建物の中に居た者達は一斉に上空から聞こえた声の方向に顔を向けた。そこにはシャルディアが上空で羽ばたいていた。彼女の腕の中には蛍が抱えられている。シャルディアが蛍達を連れて世界樹へ向かった事は里に居た全員が知っていた事であった為、動揺は起こらなかった。しかしその場に居た者達はシャルディアの言葉に疑問符を浮かべた。
「シャルディア様!! それはどういう意味です!?」
「その問題には私が対処する! 君達には事故処理を頼む!」
「……………! 畏まりました!!」
その場に居た妖精族達のどよめきはシャルディアの立った二つの言葉で完全に治まった。彼女が問題に対処するという事は妖精族にとってこの上なく信用に足る言葉だ。
「ではホタル君、行こうか。」
「えっ!? うわっ!」
シャルディアは両腕に蛍を抱えたまま空を飛び、異常事態が発生した現場へと急行した。
***
シャルディアが空を飛び現場へ急行するまでの時間はわずか数十秒の事であった。里の防護壁を越え、森へ差し掛かると二人の鼓膜にある声が届いた。それはとても人間が発するものとは思えない、悍ましい金切り声だった。
そして蛍とシャルディアの二人はその声に別々の感想を見出していた。
「(………この声、チョーマジンとかとは違う! ひとまず良かったって思って良いのかな………。)
シャルディアさん、この声は……………」
「心配は要らない。私達にとっては
ほら見えたぞ。やはり奴がこの一件の元凶だ。」
「……………!!」
シャルディアの視線に目を向けると、蛍の視界は森の中で暴れ回る一体の生物の姿を捉えた。それは巨大な樹木の魔物だった。幹の上部、葉が生い茂る部分の下には凶悪な形相が浮かび、日本の太い枝を腕のように振り回して無秩序に周囲の森を破壊している。
「シャルディアさん、あれって……………!」
「奴は《トレント》という植物の特徴を持った魔物だ。里の外にはかなりの数が生息していて、度々里の近くに来ては破壊の限りを尽くす。何、心配は要らない。こんなものは日常茶飯事だ。」
「………今からあの魔物を、その、倒すんですか?」
「否、そんな事はしないさ。我々の本文は
「!」
魔物の発生という事態に対するシャルディアの対処の方法を聞いて蛍は彼女と勇者、延いては冒険者である自分達との差異を理解した。シャルディア達は誰かにトレントの討伐を依頼された訳では無い。
蛍はこの時、魔物の命を奪わず、それでいて被害を抑えられる方法の存在を理解した。
「さぁ、話が長くなったが降りるとしよう。あまり時間は掛けていられなさそうだからな。」
「…………………………
はい!」
そう言ってシャルディアは徐にトレントが暴れ回る森の地上へと降り立った。蛍の頭にあったのはこれからギリス達からも認められるシャルディアの力量が見られるという事だけだ。
シャルディアが眼前に降り立った瞬間、トレントは攻撃の対象をシャルディアに変えた。それが自分にとってあまりに無謀である事は魔物の低い知能では理解出来なかった。
『グギュルアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!』
「ッ!!!」
「いやはや。中々に威勢が良いな。だが私に牙を向けるにはあまりに悪すぎる。お前の頭の出来も、そして
《
「!!!!?」
シャルディアがその言葉を口にした瞬間、彼女の周囲全体に変化が訪れた。森の植物が急成長し、意思を持ったかのように動き始める。誰が言及するでもなく、蛍は瞬時にそれが何によるものであるのかを理解した。
(こ、これがシャルディアさんの
『グギャラァッ!!!!』
「甘い!!!」
ガァンッ!!! 『!!!』
周囲の異常を理解出来ずにいたトレントはシャルディアに向けて枝の一突きを見舞った。しかしシャルディアが腕を振ると急成長した植物の内の一つが通常ではありえない動きを見せ、トレントの攻撃からシャルディアを防御した。
(す、凄い……………!!! これがギリスと同じ、一つの種族の中で一番強い人の力…………………………!!!!)
「魔物。世間知らずのお前に教えてやる。この森を支配するのが一体誰なのかをな!!!」