転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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361 勇者の矜恃を見せる時!? 蛍vsシャルディア 勃発!!! (前編)

「シャルディア族長、僭越ながら確認させて頂きますが、発生した魔物はトレント一体という事で間違いありませんね。」

「ああ。多少森の植物がやられたがこれといった被害は無い。」

 

場所は依然として風妖精(エルフ)の里の森の中。シャルディアは里の護衛隊の隊員である男にトレントの発生の詳細を報告していた。そしてその場には蛍も立ち会っている。おんぶで帰ると言った直後に隊員が現れた形だ。

 

「しかし申し訳無いな。私が勝手な行動を取ったばかりに君等の手を煩わせてしまって。」

「滅相もございません。この里に来客など何年振りかも分からない事なのですから。」

「えっ!? あっはい!!

シ、シャルディアさんの力、しっかり見させてもらいました。はい!!」

 

隊員の男の口から不意に出た『来客』という言葉に反応した蛍は半ば反射的に言葉を発した。それでも口から出た言葉は紛れも無い本心だ。シャルディアの力に感服した事は勿論の事、一つの種族の長が態々自分の為に行動してくれた事は自分にとっては過剰な待遇と言える。

 

「ではホタル君、今度こそ帰るとしようか。この場は君に任せていいか。」

「はい。 総員、早急に現場検証を始めるぞ!」

『はっ!!』

 

妖精族の人間達が破壊された木やシャルディアが操った植物を詳しく調べ始める光景を背に受けながら蛍はシャルディアの腕の中に入り、空へ舞い上がった。

 

 

 

***

 

 

 

「少々悠長に過ごしてしまったな。あいつら心配しているだろう。ホタル君、もう少しばかり速度を上げて良いか?」

「はい。全然大丈夫ですよ!」

 

拠点である建物へ向かう為に空を飛ぶ最中、シャルディアの腕の中で蛍は彼女の顔を見上げながら一つの事を考えていた。

 

(シャルディアさんの贈物(ギフト)、何と言うかその、凄かったな……………。それにルベドさんも凄かったな。あの大量のワイバーン(ってギリスが言ってた)とかいうドラゴンを一気に倒しちゃって。

ギリスもきっと、元々はそれ位強かったんだろうな。で、今もその力を取り戻し始めている……………と。

 

……………今の私って、どれくらいギリス達の役に立ててるんだろうな…………………………)

 

蛍は少しばかりではあるが自信を失いかけていた。

魔法警備団本部にてギリスに深手を負わせた失態。ガミラの口から聞かされた勇者の本質の如何。ツーベルクでフォラスを倒しきれなかった事実。

 

彼女はまだ自覚の段階には至っていないが、彼女は自分の戦果にある種、不甲斐なさを感じていた。果たして自分は本当にかつての魔王であるギリスと肩を並べて行動するに相応しい人間なのか、彼女の中で僅かばかりではあるが疑問が発生していた。

 

(……………私が本当にギリスの為に動けているか、確かめた方が良いかもね……………。)

 

蛍は頭の中である一つの決断を下した。そしてそれを程無くして実行に移す。

 

 

 

***

 

 

シャルディアが空中を移動して数分後、拠点である建物が蛍達の視界に入った。そして建物の前にギリスとルベドが立っている事も認識した。

 

「! ギリス、ルベドさん!」

「やれやれ。どうやら少々待たせてしまったみたいだな。」

 

シャルディアはそう言ったものの、蛍の目に映るギリスとルベドの顔は穏やかなものだった。魔法警備団の時とは異なり、蛍の身を必要以上に案じている様子は無かった。

シャルディアは蛍を抱えたまま、ギリスとルベドの前に降り立った。

 

「…………お前にしては少し長かったな。そんなに強い魔物が出たのか?」

「いや。唯この子に少しばかり年長者の意地ってやつを見せてやろうと思ってな。出た魔物はトレント一体。被害という被害も出ていない。」

「年長者の意地 か。という事はやはり使ったのだな。

お前の《豊穣之神(フレイヤ)》、まさか衰えてはいないだろうな。」

「心配は要らないさ。少なくとも力の維持もままならないような奴に後れを取るような鍛え方はしていない。」

「………そんな減らず口も言えなくなるくらいには戻るつもりだから安心しろ。」

「そうかそうか。それは非常に楽しみだ。」

 

拠点に帰還して数秒と待たずにギリスとシャルディアは刺々しい言葉を交わす。それが果たしてどこまでが軽口でどこまでが本心なのか、蛍には判別できなかった。分かっているのは一つ、これ以上事態が悪化する事を防ぐべきだという事だ。

その為に蛍はつい先刻頭の中で考えていた思考を実行に移す。

 

「あ、あの、シャルディアさん!」

「? どうかしたか?」

「その、私、さっきシャルディアさんの、フレイヤっていう究極贈物(アルティメットギフト)を見て、その、凄いって思いました! あんな事、今の私には出来るかどうかも分からないって思いました。

だから!! だから、シャルディアさん、今から私と、戦ってくれませんか!!?」

『!!?』

 

決意を込めた胸に手を当て、蛍はそう声を張り上げた。

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