転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
今から自分と戦って欲しい。
蛍のその突拍子もない提案はその場に居た者全員を容易く驚愕させた。しかし蛍の心には微塵も迷いの感情は無かった。彼女は飽くまでも強固な決意の下にそう言ったのだ。
それでもその発言を聞き捨てならないと判断したギリスは蛍の前に割って入った。
「おい、いきなり何を言い出すんだお前は!! 自分が何を言ってるか分かっているのか!!!」
「ギリス! うん。分かってるよ。私、シャルディアさんとしっかり
「……………もしやお前、また自分に自信を無くしてるんじゃないだろうな。」
「!」
ギリスの推測は合理的な根拠に基づいたものであると言える。
蛍はつい先日、ルベドが(自分と同じ)刀剣系
加えてギリスはシャルディアが持つ
その二つの根拠により、ギリスは
「どうなんだ答えろ!! もしその理由で言ってるのなら薦めはしない。
忘れてるかもしれんがお前はつい先日まで唯の人間だったんだ!! 譬え刀剣系に選ばれたとしてもたった数日でこいつ等に追いつける筈が無いだろう!!!
そもそもこいつ等と比較する事自体が愚かな事だ!! お前は今のままでも十分に強い。でなければとっくの昔に死んでいる!! 焦る必要は何処にも無い。だから━━━━━━━━
!」
ギリスは必死の表情で捲し立てた。そして蛍はその言葉の数々を自分を案じてくれているが故に出る有難い言葉として受け止めた。
しかし蛍は話の途中でギリスの肩を触り、それを止めた。自分の言い分をギリスに伝える為だ。
「ありがとう。ギリスが私の事を心配してくれてるのはちゃんと分かったよ。
だけど、そういう事じゃないの。別に焦ってる訳じゃないよ。そりゃ自信満々って訳でもないけど、それでもやっていけてるとは思ってる。」
「ならば何故だ!?」
「なんで、か。
………シャルディアさんと戦いたいって言ったのはね、私ももう少し頑張れるんじゃないかって思ったからなんだ。」
「……こいつと戦って、己の可能性を高めたいと言いたいのか。」
「……まぁそういう事だね。 で、どう? やっぱり反対かな?」
蛍は心の中でギリスがこの提案に反対しても文句は言えないと思っていた。今から自分がやろうとしている事が如何に危険な事であるかは彼女が一番理解していた。
そしてギリスはたっぷりと五秒を数える時間の後、口を開いた。
「……………負傷にはくれぐれも気を付けろ。危なくなったら直ぐにでも止める。
こんな茶番で人の手を煩わせる事になったらそれこそ目も当てられないからな。」
「……………!! ありがとう!!」
ギリスはそれ以上何も言おうとはしなかった。こうしてギリス公認の下、蛍とシャルディアが試合形式でぶつかり合う運びとなったのである。
***
場所は
シャルディアの力量だけでなく、
そして今、広場の中央で蛍とシャルディアが相対している。しかし最前列でその世紀の対決を観覧しているのは妖精族の面々ではなくギリス達だった。ギリスは一言も発さずに静かに場を眺めているが、周りの面々は各々の感想を口々に述べている。
「聞いたっスよリルア! あのシャルディアって人、やっぱりメチャクチャ強いんスよね!?」
「そうだぞ! 私もあいつの腕が鈍っていないか見させて貰うとしよう!」
「それなら俺はまだ碌に見れてねぇあいつの実力をここで見させて貰うとしようか。」
「おん? まだ見れてないってお前、ツーベルクで見てないのか?」
「そん時はバケモンにされててはっきり覚えてないんだよ。まぁ抑え込まれたりはしたけどな。」
小声で交わされるその会話は蛍の耳には届いていなかった。もし聞こえていたとしても意識を傾ける事は出来ない精神状態に今の彼女は居た。今、蛍は目の前のシャルディアに集中し、そしてここに来る途中でギリスに言われた言葉を心の中で復唱していた。
『現れた魔物はトレント一体という話だったな。
だったらくれぐれも締めて掛かるべきだ。お前は十中八九あいつの実力の一割も見れていない。トレント如きに全力を出さねばならない程あいつの腕は鈍ってはいないだろうからな。』
ギリスの助言を噛み締め、再び蛍は今自分が如何に強大な存在と相対しているのかを再確認する。そして遂に火蓋を切って落とす言葉がシャルディアの口から出た。
「先ずは君の勝利条件を確認しておこうか。私の身体に一度でも攻撃を当てる事が出来れば君の勝ちという事で良いかな。」
「…………はい。」
「良い返事だ。私達妖精族も少なからず君達には興味があるからな。全力で掛かってくると良い!!!」
「分かりました。
《プリキュア・ブレイブハート》!!!!!」
一呼吸を置いて意を決し、蛍は