転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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367 試される勇者の意地!! キュアブレイブvsシャルディア!!! (闘志)

シャルディアが持つ究極贈物(アルティメットギフト)豊穣之神(フレイヤ)

蛍はこの能力を一目見ただけでそれが如何に強力であるかを理解させられた。特に彼女が目を引いたのはその《攻撃可能範囲》である。

シャルディアの贈物(ギフト)は周囲の状況にも干渉し、その射程は自分が持つ能力よりも遥かに長かった。そして程無くして彼女は自分の予感が間違っていなかった事を理解する。

 

今現在、シャルディアの贈物(ギフト)一つ(・・)の攻撃を防御するのに自分が持つ贈物(ギフト)全て(・・)を使わされているのがその証拠だ。

 

*

 

勇者の戦ウ乙女(プリキュア) キュアブレイブと風妖精(エルフ)の里の族長 シャルディアの互いの誇りを賭けた実力の衝突は更なる局面を見せる。現状はシャルディアの樹木を利用した飽和攻撃にブレイブが防戦一方になっている状態だ。

片手に刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)女神之剣(ディバイン・スワン)》を握り、片手の平には《肉球之神(バステト)》を常時発動させ、更に《堅牢之神(サンダルフォン)》も発動し、文字通り全力でシャルディアの攻撃を辛うじて捌いている。

その気迫は観客となっている外野にもひしひしと伝わっている。次第に行き場を失った興奮という名の感情は言葉となって彼等の口から漏れ出た。

 

「…シャルディアの奴、ここに来て遂に本気を出してきたな。」

「……本気 ね。確かに魔物にあれ程の攻撃はまずしないだろうけどあれを全力と言うには無理があるんじゃないかな。」

「な、な、何なんですかあれ!!! あんなの防ぎ切れる訳無いじゃないですか!!! 大人気無いですよあのシャルディアって人!!!」

「大人気無いだと? 違うぞ。あいつはそんな小さな女じゃない。ブレイブを認めているからあれ程の力を出しているんだ!!」

「………そうは言ってもよォ、あんな広い(・・)攻撃見た事もねぇぞ。範囲だけなら厄災の連中超えてんじゃねぇのか……………?」

「確かに。きっとここが正念場だろうね。ここを切り抜けられればブレイブにも勝機はあるけど、無理ならこのまま押し切られて負ける。」

 

シャルディアの攻撃に防戦一方となっているブレイブを見てギリスやルベドだけでなく、マキ、リルア、リナ、ハッシュも各々の感想を漏らす。シャルディアの攻撃が激しさを増している事、そしてブレイブが正念場に立たされている事が彼等の共通認識だ。

しかし、ブレイブの耳には仲間達の言葉は全く入っていない。今の彼女の心にあったのは目の前の窮地を如何にして切り抜けるか という事だけだ。そしてその思考の根幹には様々な(・・・)感情があった。

 

(…………………………!!!! は、激しい!!! 攻撃が激しすぎる……………!!!

なんとか受けられてる!! でも、受けられてるだけ(・・)だ……………!!!

それじゃ勝てない!! このままじゃすぐにジリ貧で負ける……………!!!!

い、嫌だ……………!!! 勝ちたい……………!!!!

私、この人に、シャルディアさんに勝ちたい!!!!!)

 

本来ならば、ヴェルダーズ達と戦う(・・・・・・・・・・・)戦ウ乙女(プリキュア)であるブレイブにとってシャルディアとの試合の勝敗など取るに足らない些事である。重要なのは無差別に様々な命を狙うヴェルダーズ達に負けない事であり、たとえシャルディアに勝利したとしても戦ウ乙女(プリキュア)としては全くの無意味である。ブレイブ、もとい夢崎蛍も理屈の上ではそれを十分過ぎる程に理解していた。

しかし、そのような綺麗事を素直に飲み込める程今のブレイブの精神は成熟していない。

 

人間とは本能的に敗北を嫌うものである。今のブレイブはシャルディアとの勝負の場に立ち、そして己の敗北を本能的に嫌悪した。本来、自分達の利益にはならないこの勝負に貪欲に勝利を求めた。ギリスへの献身と己の勝利への欲求が今の彼女を突き動かしていた。

 

そして混ざり合う二つの感情は勇者に奇跡を起こす。

 

 

「ッ!!!?」

 

瞬間、ブレイブの脳裏にある予感(・・)が走った。それは、自分がシャルディアから勝利を収める予感だった。防戦一方となっている状態から抜け出せる根拠の無い自信(・・・・・・・)が脳内に溢れ出した。

 

(━━━━あ、あった。こんな近くにあったのに気づかなかった……………!!!

シャルディアさんの攻撃から抜け出せる()が…………………………!!!!)

 

そう。ブレイブはこのシャルディアの一斉攻撃から逃れる道を見出した。その道は自分のすぐ側にあった道だった。それを見つけた瞬間、ブレイブの心に消えかけていた感情が再び、勢いを持って再燃した。

 

(……………この道だ。私は勝てる。きっと(・・・)シャルディアさんに勝てる!!!!!)

 

その感情は勇気とは似て非なる感情、《闘志》である。

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