転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ブレイブは今、確かに追い詰められている。しかし今彼女を追い詰めているのは敵対している人間ではなく、
シャルディアの飽和攻撃はブレイブが今まで受けた攻撃の中でも群を抜く激しさだった。試合という規則に守られた場でなければ命の危機すら覚えるような気迫がその攻撃にはあった。
しかし、ブレイブはその絶望的な状況下においても突破口を見出した。それは最も身近にあり、それ故に見つかりづらい突破口だ。
(……………あそこだ。あそここそが私が勝つために必要な道なんだ。勝ちたいならあそこまで行かないといけない。行けるかな……………
いや、そんな弱気になっちゃダメだ!! 私は勝ちたい!!! そのためにあそこまで行く!!!
そのためには、今ここで自分を成長させなきゃいけない!!!!!)
本来、成長とはそう簡単に実現できるものではなく、その実現には大なり小なり労力が伴う。ブレイブもとい夢崎蛍も十四年という人生の中で少しづつではあるがその事実に気付き始めていた。しかし、今のブレイブには確信があった。
シャルディアから勝利をもぎ取りたいという《闘志》と少しでもギリス達の役に立ちたいという《献身》、そして今まで何度も窮地を乗り越え生きてこの場に立っているという揺るぎない事実。様々な要素がブレイブの心を奮い立たせていた。
そして今、うら若い勇者に奇跡が起ころうとしていた。
*
『…………………………!!!』
ブレイブの心には闘志が湧き始めていたが、言うまでも無くそれは彼女以外知り得ない事だ。寧ろ傍目から見た現在のブレイブは窮地に立たされ敗北を待つだけの人間に見えている。それはブレイブとの面識の浅い妖精族達や
それでも彼等の胸中にはブレイブの弱さを糾弾するような思いは無く、『やはり無謀』や『種族の長に勝てる筈が無い』というような諦念に満ちていた。つい先日まで普通の少女だったブレイブと歴戦の猛者の一人であるシャルディアとの間にはやはり埋められない実力差があるのだという漠然とした共通認識が生まれ始めていた。
しかし、彼等は直後目の当たりにする。一人の勇者がシャルディアの猛攻を打ち破る、その奇跡を。
無論の事、胸中で闘志を燃え上がらせている最中でもブレイブはシャルディアの猛攻を凌ぎ続けている。一手でも選択を誤れば押し切られて敗北するという状況だ。自分は少しも隙を見せず、その中でもシャルディアの猛攻の隙を見つける。ブレイブの空論である突破口を現実のものにする為にはそれが必要不可欠だ。
(!!! 見つけた!! これだ!!!)
そしてブレイブは遂にシャルディアの猛攻の中に生まれる隙を見つけた。それはほんの一瞬、しかしブレイブが体勢を立て直し渾身の攻撃を繰り出すには十分すぎる隙だ。それはシャルディア本人すら知らなかった癖、一瞬猛攻の波が収まり、その直後度を越えて激しい攻撃が襲うという癖と呼ぶには余りにも小さく短い癖だ。
しかしブレイブはその癖を見抜き、そしてその僅かな時間で《
「《プリキュア・ブレイブカリバー》!!!!!」
『!!!!?』
それは、ブレイブの渾身の一閃だった。その一振りはブレイブに向けた枝の槍を纏めて両断して見せた。ブレイブは遂に自分が勝利する為の突破口に挑む権利を手にしたのだ。
(ここで渾身の一発だと!!? だがそれは悪手だろ!
今の君は隙だらけじゃないか!! そこを攻撃すれば何も変わらない。私の勝利だ!!!)
(シャルディアさん。あなたは今から
「《
『!!!!?』
その瞬間、その場に居た者は全員
しかしその悪手すら些事に思える程の異常事態が目の前のブレイブの身体には起きていた。まず、ブレイブの身体は宙に浮かんでいた。そして背中、正確には肩甲骨に相当する部分から
「……………………………………………………!!!!!
まさか、君は今この場で成長して見せたとでも言うのか……………!!!」
「はい。たとえシャルディアさんには及ばなくても、私も成しえたい事があるんです。その為には立ち止まってる暇なんて無いんです!!!!!」
インド神系
能力:自分の身体に炎で形成された翼を発現させる。
「……………戦闘の中での新たな
「━━━━いや、その必要はありませんよ。」
「!!?」
「……………私が勝てるかどうかは、
そう言ってブレイブは剣を構えた。それは身体を半身にし腕を大きく引く、《刺突》の構えであった。