転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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37 襲いかかる猛吹雪! 新たな刺客 コキュートス!!

蛍達が2人目の戦ウ乙女(プリキュア)を探そうとしているさなか、チョーマジンが発生した。

 

「ちょっとギリス どうしよう!!?」

「落ち着け! ひとまずお前がハッシュとそこに行け!!

俺はあとから追いつくから!!」

「わかった!! 行こう!!ハッシュ君!! フェリオ!!!」

「うん!!」 「わかったファ!!!」

 

ギリスはひとまずリルアの所に置いて、蛍はハッシュとフェリオと共にチョーマジンが発生した場所へ駆けつける。

 

 

***

 

蛍達が駆けつけたのは施設から少し離れたところにあった河原だった。

 

「……あれが……!!」

 

そこに居たのは腹に魔法陣を持った魚だった。テュポーンの湖にいたものとは違うが、それでも解呪(ヒーリング)して救わねばならない対象であることはすぐに理解出来た。

 

「ハッシュ君は控えてて!私が戦うから!!」

「わかった。」

 

 

蛍はブレイブ・フェデスタルを取り出した。

「行くよ!フェリオ!!」

「わかったファ!!」

 

 

《プリキュア・ブレイブハート》!!!!!

 

 

蛍の姿は戦ウ乙女(プリキュア) キュアブレーブに変わった。

 

「フェリオ、行くよ!!!」

『うんファ!!!』

 

『「乙女剣(ディバイスワン)!!!!」』

 

ブレイブ・フェデスタルから刃が伸び、剣になる。

 

「…フェリオ、一瞬で決めよう!!」

『うんファ!!』

 

2人が決めたのは瞬殺だった。

長期戦になると不利になるのは既に把握済みだ。

 

川を泳いでいるチヨーマジンに狙いを定めた。狙うは腹の魔法陣。切りつけた後に解呪(ヒーリング)の攻撃 《プリキュア・ブレーブガリバー》によって決着する。

 

ブレーブは足に力を込めた。

 

 

「やあぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ブレーブが一瞬でチョーマジンとの距離を詰め、剣を振りかざした。

 

 

ビュゴオオオオオ!!!!

『「!!!!?」』

 

その時、謎の冷風がブレーブを襲った。

たまらずブレーブは近くの足場に着地する。

 

「貴様ガ噂二聞ク 戦ウ乙女(プリキュア)カ。」

 

まるで機会でエコーをかけたような声が聞こえた。

 

「誰!!?」

 

風が吹いてきた方向を見ると、そこに異形の者がいた。

 

まず、腕が4つあった。

全身が水色で、まるで氷のように光沢を持っている。

顔はまるで昆虫のような出で立ちで、口には大きな牙が付いていた。

とても人間とは形容し難い風貌だった。

 

ブレーブはすぐにその者に手を向けた。

 

「……解析(アナライズ)!!!」

 

名前:コキュートス

年齢:???

種族:蟲人族

性別:男性

職業:護衛者(ガーディアン)

贈物(ギフト)

???

 

 

「コキュートス……?」

『あんたもダクリュールみたいなヴェルダースの差し金ファ!!?』

 

「…イカニモ。私モ我ガ主 ヴェルダース様二命ジラレテ参上仕ッタ。」

 

『「…………」』

 

ブレーブとフェリオを不気味な緊張感が包んだ。ダクリュールに殺されかけたあの時の緊張に似ていた。

 

「…戦ウ乙女(プリキュア)、ソシテ魔王ギリスノ息ノ根モココデ止メサセテモラオウ。」

 

コキュートスが構えようとすると、彼は切迫した気配を感じた。

 

ドゴォン!!!! 「!!!?」

 

ハッシュがコキュートスを蹴り飛ばしたのだ。既にローブを脱いで肌着になり、本気を出す態勢に入っている。

 

「ハッシュ君!!!」

「こいつの相手は僕がやる!! 君はチョーマジンを頼んだ!!」

『「わかった!!」ファ!!』

 

ブレーブはフェリオと共に魚に突っ込んでいく。

 

***

 

ブレーブが奮闘してる横でハッシュとコキュートスが対峙していた。

 

星聖騎士団(クルセイダーズ) 三番隊隊長 ハッシュ・シルヴァーン」

「…正体を伏せてる僕を知ってるのか……。」

 

「身体強化系ノ究極贈物(アルティメットギフト)ノ持チ主デアル事ハ 分カッテイル………。

 

ソシテッッッ!!!」

「!!?」

 

またハッシュの体を猛吹雪が襲う。

 

「コレガ私ノ究極贈物(アルティメットギフト) 豪雪之神(オカミノカミ)ダ。」

 

豪雪之神(オカミノカミ)

日本神系 究極贈物(アルティメットギフト)

能力:冷気や雪を操る

 

バキバキッ!!

「!!」

 

謎の音にハッシュが下を向くと、足が凍り始めていた。

 

「驚イタカ?一瞬ノ油断ガ貴様ノ命取リダッタトイウコトダ。」

「………」

 

コキュートスに対し、ハッシュは何も答えない。その代わりに フーっ と大きく息を吐いた。

 

究極贈物(アルティメットギフト) 拳闘之王(ヘラクレス)が発動しました。』

「!!?」

 

その後ハッシュの足に食らいついていた氷が溶け始めた。

 

「………ソウカ。 シバリング カ。」

 

シバリングとは、いかなる人間にも備わっている身震いをすることによって発生する熱で体温を保とうとする生理現象である。

ハッシュの拳闘之王(ヘラクレス)による精度の高いシバリングは氷を簡単に溶かし、肌着1枚で活動できるだけの熱を産む。

 

「…冷気は僕には効きません。僕ならあなたには負けない。」

「……ソウカ。ソレヨリ戦ウ乙女(プリキュア)ノ方ハイイノカ?」

「彼女なら大丈夫です。僕が総隊長と同格だと認めたんですからね。」

「ソノ自身ハ 従属官(フランシオン)故カ?」

「さぁね。」


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