転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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370 憩いの夜が始まる! 風妖精(エルフ)の里の大宴会!! その①

(キュアブレイブ)は勝利した。厳密にはシャルディアに一発でも攻撃を入れるという勝利条件を達成したというのが正確な表現だが、兎に角蛍はその条件を達成し、勝利を収めた。

シャルディアとの戦闘(試合)により体力を使い果たし、地面に倒れ伏した蛍をその場に居た全員が介抱しようと奔走したが、全員、特に里の出身の妖精族達はシャルディアが敗北を認めた事実に少なからず驚愕した。

 

里の者にとってシャルディアは最強の存在であり、彼女が戦いの場において誰かに(尤も専らが里を襲う魔物だが)傷を負った瞬間など見た事が無い。故に、それを人間族の少女が達成したという事実は彼等に衝撃を与えた。

 

そしてその中でも一際蛍の身を案じ、真っ先に駆け付けた男が居た。蛍は虚ろになった視界の中でもその男に気付き、声を発した。

 

「! ギ、ギリス……………」

「全く。負傷には気を付けろと言ったろ。こんな茶番で変身していられなくなる程体力を削る奴があるか。」

「!!

………そ、そうだね。ごめん……………」

 

蛍はギリスの言葉を甘んじて受け入れた。シャルディアとの試合を茶番扱いされるのは心外だったが、戦ウ乙女(プリキュア)である自分にとって重要なのはヴェルダーズ達に負けない事であり、シャルディアに勝つ事ではない。

加えて自分の醜態も負い目に感じていた。今の蛍は体力を使い果たし変身は疎かまともに立つ事すら出来ない。そこまで自分を追い込む事は愚行と言えるし、何よりギリスの言葉の中には少なからず自分の身を案じる気持ちが含まれている事を蛍は理解していた。

 

「…………しかしだ。最後の最後に二つも新しい究極贈物(アルティメットギフト)使えるように(・・・・・・)なったのは、胸を張って良いと思うぞ。」

「……………!!! ありがとう……………!!

それでさ、ごめんだけど肩貸してくれない? まだ歩けそうにないからさ……………」

「前言撤回だ。やはりお前は気を引き締めた方が良い。」

 

半ば呆れた声を発しながらギリスは蛍に肩を貸し立ち上がらせた。こうして蛍とシャルディアの正規の一戦は幕を下ろした。

 

 

***

 

 

時刻は夜、太陽が地平線の向こう側へ沈んで間もない頃。風妖精(エルフ)の里の拠点である建物の大広間に蛍達が集合していた。シャルディアとの試合で消耗した蛍だったが、休息を取り魔法による治療を受けると問題無く動けるまでに回復した。

 

そして今、蛍は大広間の壇上(・・)に立っている。そこには蛍の他にギリス、ルベド、リルア、シャルディアの四人が立っていた。残りの全員は大広間に用意されたいくつもの卓を囲んで座っている。そして蛍達五人が一斉に手に持っていたものを掲げた。それは飲み物が入った(木製の)グラスだ。

 

「では皆の者、私事ではあるが嘗ての友と出会えたこの良き日を盛大に祝うとしよう。

乾杯だ!!!!!」

『乾杯!!!!!』

 

乾杯の一言と共に広間に居た全員がグラスの中身を(半分ほど)飲み込んだ。その後最初に声を発したのは蛍ではなくその隣に居たリルアだった。

 

「クゥ~~~~~~~~~~~~~~ッッ!!!!

あー やはり美味い!!! 世界樹の酒は何時吞んでも格別だな!!! なぁ、お前もそう思うだろ!!?」

「うん!! さっぱりしてて美味しいよこれ! (まぁ私のはノンアルだけどね……………)」

 

言うまでも無く、(元)女子中学生である蛍は飲酒など出来る筈も無く、酒の代わりに果汁を基にした飲料(いわゆるジュース)が提供された。

因みに蛍が今居る世界における成人(飲酒可能)年齢は十八歳である。その為蛍が元居た世界では未成年扱いとなるハニやソフィアなども世界樹の酒を喉に通す事となった。

 

「さ、ホタル君。もうお膳立ては十分だぞ。好きな卓に着いてどれでも好きなものを遠慮無く食べてくれ。」

「はい。ありがとうございます!

(うーん、どのテーブルに行こうかな。乗ってる料理は色々あるけど、違いとかあんまり分かんないし……………。

良し、こういう時は━━━━!)」

 

蛍は壇上を降り、目を付けた卓へ歩を進めた。

 

「みんな! 来たよー!」

「おう。やっぱお前はここに来るよな。」

「待ってたっスよー!」

 

蛍が選んだのはリナやミーアが集まっていた卓だ。

 

「ささ、早く食べましょ! 自分達は酒飲めないんスから、その分食べないと損っスよ!」

「そうファよ。あんなに無茶して、何回手を出そうと思ったか分からないファ。」

 

シャルディアと戦っている中、蛍はフェリオに助けの手を出さないように頼んだ。しかしフェリオは何度もブレイブに助力しようとした。それ程までにブレイブは死力を尽くしていたのだ。

 

「!

………そうだね! 私もお腹空いちゃってるし、いっぱい食べよう!」

 

仲間達に囲まれ、蛍は卓に座る。楽しい夜はまだ始まったばかりだ。

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