転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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371 憩いの夜が始まる! 風妖精(エルフ)の里の大宴会!! その②

リルアが手放しで絶賛する世界樹の酒。その種類は大きく分けて果汁を熟成させたものと麦芽を発酵させたものとに分けられる。そしてそれらの酒が他の酒と異なる点は水と発酵させる際の樽にある。

風妖精(エルフ)の里の近くを流れる極めて状態の良い水と樽に使われる極めて状態の良い木が酒の味を極限まで高めるのだ(リルア談)。

 

そして卓に並ぶ料理も蛍達の予想を超えて様々な種類のものが用意されていた。風妖精(エルフ)の里は鎖国状態であるものの、多種多様な植物は勿論の事、川を泳ぐ魚や度々里の上空を飛ぶ鳥(の魔物)の肉料理が盛大に振る舞われた。それらは安定して取れるのもではない貴重食材だったが、里は惜しむ事なくギリス達に振る舞った。

その中でも取り分けて蛍の舌を楽しませたのは魚と葉野菜を煮込んだ料理だった。その理由を彼女は直感で理解していた。

 

(……………この料理が一番美味しいって思うのはやっぱり日本(私が元居た世界)の料理に似てるからかな。特にこの出汁(?)の味が……………)

「おうホタル! それに目を付けたか。なかなか目が高いな!」

「! リルアちゃん! シャルディアさんまで!」

 

蛍が振り返るとそこにはリルアとシャルディアが立っていた。リルアの頬には既に僅かではあるが赤みが掛かっている。蛍はその光景に極めて不道徳的な印象を覚えた。何年もの時を生きる魔王であると分かっていても自分と同じ程の外見の少女が酒に酔っている光景は直視出来るものではない。

 

「ってリルアちゃん お酒変わってるじゃん! もうあの一杯目飲んじゃったの!?」

「おん? 何言ってるんだあれは食前酒だ食前酒。ここから酒で飯をつまむんだろうが!」

「……………とても女の子や魔王の言葉と思えないね。で、ギリスとルベドさんは?」

「あいつらとは別の卓に行く事にした。一先ず料理を見て回ると言っていたぞ。」

「そうなんだ。それで、シャルディアさんはどうしてここに?」

「私も一人話しておきたい子が居てね。リナ・シャオレン。君だ。」

「え? 俺っスか?」

 

シャルディアは蛍の背後でグラスに口を付けていたリナに声を掛けた。自分に用があると思っていた蛍と自分が声を掛けられると思っていなかったリナはその意外な行動にそれぞれ反応する。

 

「先ずは君にも歓迎の言葉を掛けねばならんな。この里の酒は美味しいか?」

(!? 酒!?)

「まぁはい。そりゃもちろん。俺は酒には疎いっスけど。」

「ええっ!!? リナちゃんそれお酒飲んでるの!!?」

 

蛍は自分と同年代のリナも自分と同じくノンアルコールを飲んでいると思っていた。しかし事実は異なり、リナが呑んでいたのは世界樹の酒だった。蛍はその事実に様々な意味で驚愕した。

 

「そ、それって(法律的にも身体的にも)大丈夫なの!!?」

「ああ。お前にゃ言ってなかったな。俺の里じゃ十歳になりゃ一応は飲めんだよ。まぁすぐに飲む奴は先ず居ないけどな。」

「で、でも、里でパーティーした時は飲んでなくなかった…………!?」

「ああ。あん時はヘトヘトだったからよ。飲むに飲めなかったんだよ。けどよほどの事がねぇ限りは酔っぱらったりはしねぇから安心しろよ。俺達龍人族は肝臓(きも)も頑丈だからよ。

年の初めにゃ樽一杯()った事もあったっけかな。」

「そ、そうなんだ……………。」

 

人間とは特に情報を与えられない限りは他者の能力を自分の尺度に当てはめて考えるものである。蛍も同様にリナの酒への耐性を自分の尺度に当てはめていた。自分(人間族)リナ(龍人族)の身体的構造の違いを目の当たりにした形だ。

蛍とリナの話が終わったと見るやシャルディアは再び口を開く。

 

「それで話を戻すがリナ君。君はあのリュウ・シャオレンの孫娘なんだろ?」

「リュウ? あんたジジィの事知ってんのか?」

「まぁな。直接会った事は無いが。 或いは今日この里に来るかもしれないと思っていたが、それは少々高望みが過ぎたか。

だから君に一つ聞いておきたいんだ。君から見たリュウはどんな人だ?」

 

蛍やリナはシャルディアの質問の意図を理解していた。シャルディアが知るリュウはかつてルベドの勇者パーティの一員の武道家だったリュウだ。それ以降の彼の姿をリナの口から知ろうとしているのだ。

 

「正直そんなに言う事無いっスよ。武道と酒にしか興味の無い老いぼれでしかねぇし。

まぁ強いて言うなら俺が戦ウ乙女(プリキュア)になった日、マスター達と酒を飲む顔が嬉しそうでしたね。」

「……………そうか。」

 

リナの話を聞いたシャルディアは一言だけそう呟いた。リュウと同じ席に居られない事を少しだけ残念に思っているように見えた。

 

 

 

***

 

 

魔王ギリス達を歓迎する宴会はまだ始まったばかりである。そしてその宴会の様子を外部から見ている者が居た。建物から中の様子は見えないが、窓から煌々と漏れる明かりと騒ぐ音から中が如何に盛り上がっているかが分かる。

そしてそれは目撃者の神経を著しく逆撫でさせた。その神経を抑える為に血管が切れる程唇を噛み締めるばかりか爪が掌の皮膚を破る程に拳を握り締めていた。

 

(ふ、ふざけるな…………………………!!!!!

私達影妖精(スプリガン)をあんな目に遭わせておいてお前らは馬鹿騒ぎだと……………!!!?

やはりあいつらはあのクズ共と同類だ!!! 明日まで生かしておいてやるつもりだったが今すぐやってやる!!!! この里を火の海にしてな……………!!!!)

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