転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
蛍が生まれるより遥か昔、ギリスが現役の魔王として活躍していた頃、リルア・ナヴァストラも同様に魔界の一国を治める魔王の一人として活動していた。当時の彼女は敏腕な王女としてその手腕を振るっていたが一方で見かけには似つかわしくない大食らいとして悪名を轟かせていた。
そんな彼女は今、魔王には似つかわしくない醜態を蛍に晒している。蛍の眼前、顔をアルコールで赤く染め上げリズハに肩を貸し、緩み切った表情を浮かべているリルアの姿がそこにはあった。
「……………カイさん、リルアちゃん、一体どれくらい飲んだの?」
「宴の最中でも十数杯は飲み、それでも私の見立てでは臨界点の寸前だった。そこに件の目玉の酒を五杯は飲み、この状態だ。」
『…………………………』
蛍とカイが冷ややかな視線を向ける中、当のリルアは赤い顔で僅かに開いた唇の間から細い笑い声を発している。その姿は魔王は疎か通常の人間とすら思えない愚鈍さだった。
「…………カイさん、この状態でお風呂に入れるのはまずいんじゃないかな? 血管とか心臓とか(魔人族の身体はよく知らないけど)危ないんじゃない?」
「ああ。故に此処の休憩所で安静にさせようという結論になったのだ。私も此の後は湯を浴びて休ませてもらおうと思っている。君もそのつもりなのだろ?」
「まぁ、もうちょっと起きてようと思ってるけどそんな感じだね。でさ私、カイさんに一つ聞きたいと思ってた事があるの。」
「何だ?」
蛍は一拍間を置いた後、カイへの問いを口にする。そこに邪な疑心は無く、ただ純粋な好奇心に由来する疑問だ。
「何でカイさんってリルアちゃんと一緒に居るようになったの?」
「! 一緒に? そう思うか?」
「だってほら、ギリスが
「……………
私と彼女が先日、グランフェリエで活動していたのは覚えているか?」
カイが口にした先日とは
蛍達が魔法警備団の本部でタロスの身辺調査及びガミラ達と交戦している最中、カイやリルアはグランフェリエという豪華客船の上でガスロドと一戦を交えた。
「
「そんなにその時のリルアちゃんはすごかったの?」
「ああ。最初は飯に目を輝かせているばかりだったが有事の際は快刀乱麻の活躍だった。その時に私は思ったんだ。彼女は人の上に立てる人間であり、私こそがその者になるべきだとな。」
「……………そっか。ちょっと分かるかも。私とギリスも似たようなものだし。」
カイは自分の感情を独自の感性だと思っていたが、蛍も同様の感情を抱いていた。共に行動し戦った経験が彼等と魔王の間に絆を生んだのだ。
そうして生まれた奇妙な間に割って入ったのはリズハだった。二人が話している間にリルアを休憩室へ連れて行きその扉から出て来たのだ。酔い潰れたリルアを寝かせ(体力を消耗する)
「カイさん、ホタルさん!」
「リズハ。リルア殿は眠ったのか。」
「うん。多分一時間もしたら起きてお風呂に入ると思う。」
「そうか。ならもう安心だな。私も湯を浴びて来よう。」
リルアが安静に休んだ事を見届けたカイは女湯の脱衣所を出て男湯へと向かった。そうしてその場には蛍(とフェリオ)とリズハになった。しかしそれは蛍にとって気まずい状況ではなかった。蛍はリズハにも話したい事があった。
「………えっと、リズハちゃん。こうやって話すのは初めてだよね?」
「ホタルさん、どうかしたの?」
「あいや、私の事はホタルちゃんとでも呼んでくれれば良いよ?(フゥちゃんもこんな気持ちだったのかな?)」
「そっか。じゃあホタルちゃんって呼ぶけど、私に何か用でもあるの?」
「うんうん。リルアちゃんの事でね……………。」
蛍は未だにリズハを『リルアの妹』という色眼鏡でしか認識出来ていない。他でも無い蛍自身がその現状をどうにかしなければならないと考え、リズハに話題を振ったのだ。
「それじゃあ私から聞くけどさ、ホタルちゃんにとってお姉ちゃんってどんな人?」
「!
……………大体はカイさんと一緒かな。最初は頼もしくないって思ってたけど、
「そっか。やっぱりそういう考えになるよね。」
「
「うんうん。普段のお姉ちゃんは抜けてるけど魔王としての実力は本物だったから。」
「そうなんだ。私はその時のリルアちゃんを知らないからな……………。
じゃあ今度はリズハちゃんの事教えてよ! 例えば、リズハちゃんの
「………
「確か、人を眠らせたり夢に入れたりするんだっけ?
じゃあもし私が
「おー! それは良いね。だけど今日は必要ないかな。だってホタルちゃん、今日はヘトヘトでしょ?」
「まーそうだね。」
何の生産性も無い会話がそれまで開いていた蛍とリズハの距離感を埋める。そうして