転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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381 風妖精(エルフ)の里の二日目!! 狙われた大精霊降臨祭!!! (中編)

紫色の巨大な羽根というあまりに異様な落下物の存在。それは大精霊降臨祭の開催を間近に控えていた妖精族、そして来客達を容易に混乱に叩き落とした。しかしその混乱の渦中においても冷静さを失っていない者が蛍の側に二人居た。

 

「全員狼狽えるな!!! 俺は此処だ!! 一先ず全員集まれ!!!」

「総員警戒態勢を取れ!!! 敵襲、魔物両面の可能性に備えろ!!!」

「!! ギリス! シャルディアさん!!」

 

方やは魔人族の長ギリス、方やは妖精族の長シャルディア。彼等はこの異常事態においても一切の冷静さを失わないばかりか他の者に指示を飛ばす手腕すら見せた。その二人の姿に蛍も失っていた冷静さを取り戻す。今この場においてしなければならないのは決して慌てふためく事などでは無いと自分に言い聞かせる。

そしてギリスとシャルディアという司令塔の下へ人が集まった。

 

「ギリス!! 状況はどうなってる!? ホタル君は無事か!?」

「一体何が起こったというのだ!!? 魔物の仕業か!?」

「! ルベドさん!! リルアちゃん!! みんな!!」

 

大混乱の渦中からルベドとリルアを先頭としてギルドの面々が一斉にギリス達の下へ集まった。

 

星聖騎士団(クルセイダーズ)はお前とハッシュだけか。他の者は何処だ?」

「ソフィアとハニは既にこの里の人達の避難指示に当たっている。何かが落ちて来たようだけど何か分かるか!?」

「え、えっと、落ちて来たものはあれで……………!!!」

『!!!』

 

落下物を問うルベドの言葉に蛍が答える。地面に刺さった異様な羽根を指差し、他の面々の表情も驚愕の一色に染まる。

 

「な、何だよあれ!!! 羽根!!?」

「は、羽根なのは間違いないでしょうけどあんな大きさ、見た事ありませんよ!!」

「………いや、自分は見た事あるっス。あの大きさは《ロック鳥》の羽根っスよ!!!」

『!!?』

 

地面に突き刺さった羽根を見てリナ、マキ、ミーアが各々の反応を示した。そしてミーアが口にした《ロック鳥》という言葉にギルドの面々の殆ど(・・)が反応を示す。その例外は蛍とリナだった。

異世界者の蛍とつい先日まで里で生活していたリナはその名前に聞き覚えは無いが、《ロック鳥》はこの世界においては馴染み深い魔物の名前だ。

 

「ろ、ろっくちょう………!? 何それ…………!?」

「ホタルは知らないんスか! 要はバカデカい鳥の魔物っスよ。自分は狩った事無いんスけど村の大人が首取ってたのを見た事があるんス。

でもおかしいっスよ。ロック鳥なんてこの辺に居る訳が無いし何よりあんなキモい色の羽根なんて見た事も聞いた事も━━━━」

「おいミーア!! あれを見ろ!!!」

『!!!!』

 

ミーアの言葉を遮り、リルアは上空を指差した。その場に居た誰もがその方向に視線を向け、更なる驚愕に襲われた。空には雲が張っていたが、その雲の中に明らかに巨大な影が三つ(・・)浮かんでいた。

そして次の瞬間、雲の中に居る影の正体を彼等は目の当たりにする。突如として雲の中(・・・)から突風が巻き起こり、分厚い雲を内部から搔き消した。

 

「!!!!!

ギ、ギリス、あれって…………………………!!!!!」

「皆まで言う必要は無い。全員分かっている事だ……………!!!」

 

ミーアの推測通り、その影の正体は《ロック鳥》だった。しかしそれでも尚その場に居た全員の驚愕は今までで最高潮に達した。その三体のロック鳥の身体は地面に刺さった羽根と同じ紫色であり、胸部には同じく紫色の魔法陣が浮かんでいた。

蛍達はその特徴を持つ生物を一種類だけ知っている。

 

(チ、チョーマジン化したロック鳥……………!!!!!)

「おい!! 誰か落ちて来るぞ!!!」

「!!!!」

 

星聖騎士団(クルセイダーズ)の団員の誰かか或いは祭りの準備に当たっていた妖精族の誰かか、兎に角蛍はその声を聞いてようやくロック鳥の下に人影を認めた。人影の数は七人、そして全員が黒色のマントのような大きな布でその姿を覆っていた。

しかし蛍達は既にそのマントの中に誰が居るのかを見抜いていた。チョーマジン化した鳥の魔物の上に乗る人間など一種しか存在しない。

 

━━━━ズドドドドドドドッ!!!!

『!!!』

 

ロック鳥から飛び降りた彼等は世界樹から数十メートルほど離れた、世界樹と遜色ない高さの建物の屋根に降り立った。そしてすぐさま彼等は身体を覆っていたマントを脱ぎ捨て、その全貌を蛍達に見せ付けた。

 

「へー、ここが風妖精(エルフ)の里か。何も無い田舎って感じだな。」

「おうおう戦ウ乙女(プリキュア)星聖騎士団(クルセイダーズ)もうじゃうじゃ揃ってんじゃねぇか!! ここで全員ぶっ倒してやろうか!!!」

「リルア・ナヴァストラモ居ルナ。今度コソ奴ヲ氷像ニシテヴェルダーズ様ノ前ニ献上サセテヤルトシヨウ。」

「呵々!! あの餓鬼も一緒とはな!! 戦ウ乙女(プリキュア)の軍門に下ったという笑い話は本当じゃったか!!!」

「あれが妖精族ですか。興味深い身体の構造ですね。研究対象に一体くらいは持って帰るとしましょうか。」

「皆の者、予定通りに行くぞ。今度こそ奥の手(・・・)で目障りな戦ウ乙女(プリキュア)共を叩き潰す。」

 

ダルーバ、ダクリュール、コキュートス、フォラス、ディスハーツ、ゼシオンの六人が蛍達の前に姿を現した。そして更にその後ろに更に大きな人影があった。蛍はその人影に見覚えがあった。

想起されたのは龍神武道会の一幕。その男とは大会の最中に乱入した巨人、オオガイである。オオガイは徐に七人の内の最前列に移動し、そして口を開いた。

 

「愚鈍なる妖精族に告ぐ。我等が主 ヴェルダーズ陛下は貴様等を生かしておいても問題では無いと考えておられた。だが、戦ウ乙女(プリキュア)の肩を持つならば話は別だ。

今日ここで、滅んでもらう。」

『!!!!!』

 

オオガイの宣戦布告の言葉は風妖精(エルフ)の里に居た全員に衝撃を与えた。

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