転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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383 自分の気持ちに正直に! ニトル・フリーマの決意!! (前編)

「━━━━どうしてニトルさんは私達の仲間になってくれたんですか?」

 

それは一人の少女の口から出た純粋な疑問の言葉だった。その少女はギリス達のギルドの一員であるマキ・マイアミ。彼女がニトルに問い掛けたのは風妖精(エルフ)の里へ向かう旅路、マキとニトルが同じ大広間でハニが主催した特訓に勤しんでいる時だ。

 

「既に知っているように私はマスターの面接を受けてここに入った訳ですけど、ニトルさんはそうじゃありませんよね。確かホタルちゃんの勧誘に乗ったって聞いてますけど。」

「あー、それ私も気になる! ホタルちゃんに助けてもらったんだよね? それで絆が芽生えた的な?」

 

マキが提示した話題にハニも興味を持った。この場に居る三人に共通しているのは蛍との関係であり、それはニトルより二人の方が長い。数秒の沈黙の後、ニトルが口を開いた。

 

「………あいつとの絆、か。あいつは確かに俺を信じて肯定もしてくれた。それに関しちゃ本当に感謝してる。けど、それが全部だって言ったら噓になるのも事実だ。

………もう半分は胸を張って言えるような代物じゃねぇ。ただの汚い復讐心だ。」

『!! 復讐心!!?』

 

ニトルの口から発せられた余りに過激な単語に二人が一斉に反応した。

 

*

 

ニトルは自分を否定し両親を死に追いやった故郷ツーベルクを襲撃する計画を実行しようとした事、その時にフォラスの襲撃を受けた事、それによって自分の目的が潰された事を包み隠さず話した。

 

「………そりゃあの時(・・・)の俺だって、例えばそこらの騎士とかがとっ捕まえに来たなら、それで俺が捕まったってんなら力及ばずって諦めたかもしれねぇ。けど、あのクソッたれスライムだけは違う。

あの野郎は道楽で俺を殺そうとしやがったんだ。それだけじゃねぇ。俺を怪物に変えて手駒にしやがった。こんな侮辱が他にあるかよ!!!

 

………ハァ。話が長くなったがこれが俺があいつに付いて行く理由の半分だ。それ不純だっつーならあのマスターに異議でもなんでも言えばいいだろ。俺は追放されても文句言わねぇからよ。」

 

今現在、ニトルの心は様々な感情が混じり合い彼自身でも分析し切れない程の混沌を生んでいた。

自分を助けてくれた蛍への恩義、自分を見下し嘲ったフォラスへの憎悪、それを間違ったものとして否定する自制心、自分が今ここに居る事への疑問、そして蛍やギリス達ギルドとの場違い感。

ニトルが自分の感情を理解出来ない理由は相反している筈のそれらの感情が全て確かに(・・・)存在している事を知っているからだ。

 

そのニトルの胸中を知ってか知らずか、ハニが再び口を開いた。

 

「…………ニトル君、ハッシュ君って覚えてる?」

「ハッシュ? あんたら星聖騎士団(クルセイダーズ)の三番隊隊長か。俺はまだまともに話せてねぇけど、何でそいつの名前が出てくんだ?」

「うん。これはあの子の昔の仕事の話なんだけどね━━━━」

 

ハニが語ったのはハッシュが嘗てー戦ウ乙女(プリキュア)の仲間になるより前ー行った潜入調査である。不正行為を行っていた勇者のパーティーと領主の家に潜入し、見事に彼等の疑惑を明らかなものとしたのだ。

 

「………そんな事件を新聞で読んだ気がしたな。それがなんだって言うんだよ。」

「それでハッシュ君が言ってたの。監獄の戦いに勝てたのはあの二人のお陰でもあるって!」

「?」

「アルカロックって監獄は知ってるよね? そこに居たヴェルダーズの仲間がその二人をニトル君みたいに怪物に変えちゃって、だけどその二人がちゃんと謝ってくれたからハッシュ君達もこの人達は助けようって思えて、そのお陰で勝てたって。

だから何が言いたいかって言うとね、人は変われる事もあるって事。ニトル君も今から自分が何をやらなきゃいけないかしっかり考えたらさ、きっとホタルちゃんや皆に認めてもらえるようになるよ!」

「……………………!」

「じゃああの、私からも一つ良いですか?」

 

ハニの熱弁に続く形でマキも口を開いた。

 

「私も最初、それこそ入ったばかりの事は不安しかなかったんです。私なんかがこんな凄い戦いについて行けるのかなって。だけどいざその時になったら案外身体がスムーズに動いたんです。それでミーアにも認めてもらえましたし。

だからそんなに難しく考えずに、自分が正しいと思った事に正直に動けば案外上手く行くと思いますよ!」

「……………………!」

 

二人のその言葉は確かにニトルの複雑に絡み合っていた心に一つの導を示した。しかし一方で果たして自分にそれが出来るのかどうか不安に思う心も強まる一方だった。

 

 

 

***

 

 

時は現在に戻る。ダクリュールの強襲から辛うじて蛍を救い、その後でニトルはようやくマキが言ったその時が訪れた事を理解した。その時、ニトルは確かに震えて(・・・)いた。

そして彼は《プリキュア・ブレイブハート》という蛍達の言葉を耳にする。ニトルの耳にはその言葉が開戦の合図のように聞こえた。

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