転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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388 唸りを上げる大地の神!! ダクリュールの新たな力!!! (後編)

オオガイ達は風妖精(エルフ)の里を襲撃する前夜にも準備を整えていた。彼等にとって幸運だったのは里の外に大量に魔物が生息していた事である。選んでも選び切れない程に森の中には素体が存在し、チョーマジンの軍勢を用意する事はそう難しくは無かった。

この場合、オオガイ達にとって最も厄介なのは戦ウ乙女(プリキュア)とその関係者が持つ固有贈物(ユニークグフト)嫌ナ予感(ムシノシラセ)》という、謂わばチョーマジンの探知能力である。しかしオオガイはその能力の攻略法を思い付いていた。

 

以下は昨夜、蛍達が里で宴をしていた頃に森の中で交わされた会話である。

 

*

 

「お前達、森の中の魔物は捕まえて来たな。」

「はい。ですけどどんな奴を捕まえて来るか言われなかったんで手当たり次第に捕まえてきましたよ。」

「シテ、如何ニシテ魔物ヲチョーマジンニ変エルノデス。此処デ行エバ奴等ガ嗅ギ付ケテ一戦ヲ交エル事ニナリマスゾ。」

 

オオガイの前に六人の男達が整列していた。その後ろには生け捕りにされた大量の魔物が居る。あるものは縛られ、あるものは足を負傷させられ、兎に角身動きが取れない状態にされている。ダルーバが命令の遂行を報告し、コキュートスが疑問を口にした。それはこの場に居る誰もが感じていた至極真っ当な疑問だった。

 

「勿論分かっている。だが簡単な事だ。チョーマジンに変えるのを奴等に感付かれるなら、奴等に感付かれない位置まで離れてから変えれば良いだけの事だ。」

「えっ、ちょっと待って下さいよ!」

 

離れてから変えると、オオガイはさも当然のようにそう言った。その解決策に待ったを掛けたのはダクリュールだった。

 

「何だ、言ってみろ。」

「そいつはちょっと無理があるんじゃないんですか? 確かにあいつらには気付かれないでしょうけどその後はどうするんです?

オオガイさんの筋書きじゃチョーマジンを一斉に里にけし掛けるんでしょ? そんな大勢の奴等を移動させるなんて無理があるしまず気付かれて返り討ちに遭うのがオチでしょう!?」

「慌てるな。そこでお前の出番なんだ。」

「えっ!?」

 

オオガイはダクリュールに言われたような指摘を既に想定しその解をも思い付いていた。そしてダクリュールへ言葉を掛ける。

 

「良いかよく聞けダクリュール。明日の初動はお前に掛かっている。お前のもう一つの贈物(ギフト)に全てが掛かっているんだ。」

 

*

 

ダクリュールはオオガイに言われた事を滞りなく実行した。それは究極贈物(アルティメットギフト)大地之神(ガイア)》の能力で地震を起こし、その地響きの音によってチョーマジンの足音を掻き消し、確実に襲撃を成功させるというものだった。

紆余曲折があったとはいえそれは成功し、今現在ブレイブ達の眼前には大量のチョーマジンが里へ乗り込んで来たという現実が広がっている。そして当のダクリュールはダルーバに抱えられ既にオオガイ達の居る高台へ戻っている。

その現実を脳内で処理するより早く、ルベドが持っていた通話結晶が光った。相手は言うまでも無く里の警護に当たっていたハニとソフィアだ。

 

「こちら総隊長ルベド!! 何が起きている!?」

『九番隊隊長 ハニです!! 場所は里の東区中央地、大量のチョーマジンが押し寄せて大パニックです!!!』

『六番隊隊長 ソフィア、同じく西区にて大量の敵襲です!!!』

「………!!! 分かった。君達はそのまま一般市民の安全確保に専念しろ!!」

『はいっ!!!』

 

ルベドが受信した通信内容はその場に居たブレイブ達にも聞こえている。その内容の意味する所は里の全体を一斉にチョーマジンが襲い掛かったという事実だ。その絶望的な事実を認識した瞬間、ブレイブは瞬時に理解した。最早この状況を打開する方法は一つしか無いという事を。

 

『━━━━ボォンッ!!!!』

『!!!!?』

「おいブレイブ!!! 何をやっている!!!」

 

その音はブレイブが地面を蹴り飛ばして跳び上がった音だ。彼女の視線の先にはオオガイが居る。ブレイブは死地にこそ希望を見出した。自分の向かう場所にこの絶望的状況を脱する方法が存在するのだ。

 

「決まってるでしょ!!? オオガイ達を倒すんだよ!!!

あんなに大勢のチョーマジンを一々解呪(ヒーリング)なんてしてられない!!! これしか方法は無いよ!!!!」

「それでも無茶だ戻って来い!!! お前一人に相手出来ると思うのか!!!」

 

ギリスの指摘は正鵠を得ていると、ブレイブも理屈の範疇では理解していた。しかしブレイブは止まれずにいた。ここで止まってしまったら自分は一生後悔する事になると、確信に近い何かがあった。

決死の形相で肉迫するブレイブに対し、オオガイはまたしても口角を上げて相対する。彼の中でのブレイブの認識は龍の里でのブレーブ(・・・・)から変化していない。

 

(単身突撃とは良い度胸だな。次はそのまま来るか? それともまた爆弾と入れ替わるか?

何をして来ようとも次こそ対応して見せる。今度こそ奴の面を叩き潰して━━━━)

「!」

 

ブレイブを迎撃する事を考えていたオオガイの前に入って来たのはゼシオンだった。

 

「サーオオガイ。此処は私めが。」

「何?」

「私にも彼女の実力の程を知る必要性があると考えます。加えて先の光景によって確信しました。奴は未だに貴方に敵う存在ではありません。」

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