転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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389 勇者を襲う新たな能力!! ゼシオンとディスハーツ!!! その①

ゼシオン・グリスクリッカー

彼は厄災之使徒(ヴェルソルジャー)の中でも取り分けて冷静沈着な男として名が通っている。今回、オオガイの前へ割って入った時も彼の精神は極めて冷静だった。当時の彼の心情を例えるならば一切の波も立たずに凪いでいる水面が最適であろう。

そして彼はキュアブレイブの相手を買って出た。しかしそこに一切の慢心は無く、それでいて自分は彼女の相手が出来ると判断した。

 

(━━━━先の急襲の速度で奴の脚力及び筋力は十分に分かった。ガミラを破りフォラスと互角に渡り合った事実を加味し高く見積もったとしても、奴の実力はサーオオガイには遠く及ばない。そして今の私でも十分に対処は可能!!!

奴の実力がどの程度であったとしても一刻も早く仕留める決定に変更は無い!!!)

 

即ち彼はキュアブレイブの実力をオオガイには遠く及ばないと結論付けたのである。そのゼシオンの思考など知る由も無いブレイブは乙女剣(ディバイスワン)解呪(ヒーリング)を込める。彼女の狙いは唯一、オオガイのみだ。

そしてその狙いが悪手であった事を直後、思い知る事になる。

 

(《征服之神(アダマス)》!!!!)

「!!?」

 

ゼシオンは片膝を地面に着いて心の中で自身の究極贈物(アルティメットギフト)の名を口にした。瞬間、彼の周囲に半径約1.5メートル程の円が浮かび上がる。

無論の事、ブレイブはオオガイの前にゼシオン(名前は知らない)が割って入った事を認識していた。しかしまるで問題にはしなかった。ゼシオンの身体を跳び越えオオガイに大技、《プリキュア・ブレイブカリバー》を見舞うだけだ。

 

「《プリキュア!!!! ブレイブカリバ

『パァンッ!!!!』

「ぶっ!!!!?」

 

その音は、ゼシオンの拳がブレイブの顔面に直撃した音だ。ブレイブの大振りの攻撃よりも一瞬速く、ゼシオンの直線的に目標まで最短距離を行く拳が先に届いたのだ。

余談だが、今のゼシオンの攻撃は、彼に走る由も無いが、蛍の世界に存在するボクシングという格闘技に存在するジャブという技に酷似している。脱力を極め速度のみに特化し訓練された格闘家が放つそれは人間の反射神経を凌駕する。ゼシオンの放つそれも同様、ブレイブの反射神経の先を行った。

 

(~~~~~ッ!!! パ、パンチは軽いけど、それより……………!!!)

(やはり気付いてはいるようだな。この拳はダメージを与える為に放ったのではない!!!)

 

ゼシオンの攻撃はブレイブにダメージを負わせる為に放ったのではない。ブレイブにとって重大なのはこの拳の直撃によって前進を寸断され勢いを殺された事である。

速度を完全に失ったブレイブだったが、その闘志は全く消えていない。地面に足を付け、再び剣を振るう。ブレイブの狙いはオオガイから目の前のゼシオンへ変わった。

 

『ガッ!!』

「!!?」

(甘いな。技で私に勝てると思うな!!!)

 

ブレイブの剣はゼシオンへ届かなかった。剣を振り上げた瞬間、ゼシオンはブレイブの二の腕(・・・)を手で止めた。それによりブレイブの攻撃は寸断された。そしてゼシオンの攻撃はそれでは終わらない。

 

「フンッ!!!」

『ズガァンッ!!!!』

「!!!?」

 

片手をブレイブの二の腕に掛けていたゼシオンは更なる追撃を掛ける。もう片方の手でブレイブの顎を掴み、そのまま体重を掛けた。ブレイブの前へ向かう力はそのまま後ろへ倒れ込む力に変わり、彼女の身体は頭から地面へ叩き付けられた。

 

(…………………………ッ!!!!

この動き、私の動きに完全に反応してる……………!!? まさか━━━━!!!)

「勇者キュアブレイブよ。これが私の究極贈物(アルティメットギフト)征服之神(アダマス)》だ。ガミラを破った事は事実として認めてやるが、近距離で強いのはこの私だ!!!」

 

征服之神(アダマス)

ギリシャ神系 究極贈物(アルティメットギフト)

能力:自身の周囲に(サークル)を展開し、内部に入った者の動きに反応し迎撃する。

 

(~~~~~!!!

こ、こうしてる間にもチョーマジンが里の皆を襲ってる!! グズグズしてなんてられないのに……………!!!)

「ヤァッ!!!」

 

ゼシオンに二発の攻撃を受けた時間は僅か数秒であるが、その時間すら風妖精(エルフ)の里を守る為には惜しむべき時間である。一秒すら惜しいブレイブは勝ちを急ぎ、ゼシオンに圧し掛かられている体勢から彼の腹部を目掛けて蹴りを放った。

 

「!!?」

「悪いな。憚りながらもこれが蟲人族()の強みという奴だ!!!」

 

ブレイブの蹴りはゼシオンのもう一つ(・・・・)の両腕に阻まれた。言うまでも無く虫は三対六本の足を持つ。蟲人族のゼシオンもその身体的特徴を兼ね備え、脇に相当する部分からもう一対の両腕を持ち、合わせて二対四本の腕を持つ。

 

即ち人間の倍の腕と《征服之神(アダマス)》の能力がゼシオンの強さの源であり、ブレイブに優位に立っているのである。

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