転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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39 猛吹雪と陽の光! 大混戦の雪原!!

ハッシュとコキュートスが乱入し、戦場はさらに激化していた。

 

「ハッシュ・シルヴァーン ハ シバリングデ何トカナッタガ 戦ウ乙女(プリキュア)、貴様ハドウカナ?」

 

「!!!? まさか!!」

「ハァッッ!!!!」

 

コキュートスが掛け声と共に再びブリザードを巻き起こした。それもチョーマジンの活動する川を狙わず、ブレーブとフェリオだけに狙いを定めて。

 

「…!!!! こ、これは……!!!!」

「ブレーブ! しっかりするファ!!!」

 

ブレーブはその場で動けなくなった。ハッシュとは違い ブレーブには体温を上げる術がないのだ。

 

「う、動けない……!!!!」

「ヤハリソウカ。 未熟ナ戦ウ乙女>(プリキュア)ヨ、コレガ我ラ ヴェルダーズ軍ノ力ダァ!!!!」

 

ブリザードを防ぐのに精一杯でブレーブは動くことができない。

 

「サァヤレ!!! チョーマジン共!!!」

 

コキュートスの声で4体の魚の魔物がブレーブに襲いかかる。

 

「させないッ!!」

 

ハッシュがブレーブに襲いかかるチョーマジンを攻撃しようとするが、氷に足を掴まれた。

 

「!!!」

「ドウシタ? ハッシュ・シルヴァーン。

貴様ノ相手ハコノ私ダゾ!!!」

「ブレーブ!!!」

 

ブリザードに捕らわれたブレーブに魔物が襲いかかってくる。

 

陽光之神(アマテラス)!!!!!」

「「!!!?」」

 

フェリオが上に向けて光を放った。するとみるみるうちにその場の気温が上がり、ブリザードがかき消された。

 

「フェリオ!!?」

「これで動けるはずファ!!

さぁ早くチョーマジンを倒すんだファ!!!」

「…!! わかった!!!」

 

体温も上がり、動けるようになったブレーブは乙女剣(ディバイスワン)を構えた。

 

「やああぁぁぁッッ!!!」

「!!!?」

 

向かってきたチョーマジンの一体に剣の刃を突き立てた。

 

解呪(ヒーリング)!!!!

 

《プリキュア・ブレーブインジェクション》!!!!!」

 

プリキュア・ブレーブインジェクションとは、彼女が先のテュポーンとの戦いで編み出した 解呪(ヒーリング)の力を効率的に使う技術である。

剣から放たれた光は魚のチョーマジンの体を飲み込み、元の小魚へと戻した。

 

「……フゥ。 よし!! まずは一体!!!」

「ブレーブ、まだやれるファ!!?」

「もちろん!!!」

 

コキュートスも一瞬のことに言葉を失った。

魔物召喚(サクリファイス)の魔法陣を持ってしても完全に解呪(ヒーリング)された魚を戻すことは不可能だった。

 

「…ナルホド。ソレガ解呪(ヒーリング)トイウモノカ。 ヤハリココデ消シテオカネバナルマイ。」

 

コキュートスがブレーブに手をかざした。

しかし、その攻撃はハッシュの回し蹴りによって止められる。

 

「やらせないさ。そのために従属官(ぼく)がいる!!!」

「ソウダナ。私モ本気ヲ出ソウ!!

氷之槍(サイア)》!!!!」

 

コキュートスの手から氷が作られ、それが槍の形に変わっていく。

 

「サァ行クゾ!! ハッシュ・シルヴァーン!!!!」

 

 

***

 

 

「ブレーブ、これを!!」

「!? これは……!!」

 

フェリオがブレーブの背中に手を当てた。するとブレーブの体温が上がっていく。

 

「フェリオ、何をしたの!?」

「ブレーブに陽光之神(アマテラス)の力を与えたんだファ!それでブリザードの中でも動けるはずだファ!!」

「……!! ホントだ!!!」

 

ブレーブの体にこの猛吹雪の中でも動けるだけの体力が戻った。

 

「フェリオ、フェリオは解呪(ヒーリング) 使えるよね?」

「もちろんファ!!」

「じゃあ一旦こいつらを連れてハッシュ君から離れよう。

そしてそこで一気に叩くんだよ!」

「わかったファ!!!」

 

 

「聞コエテイルゾ。 私ガソレヲ読ンデイナイトデモ思ウカ!!?」

「「!!!?」」

 

コキュートスから吹雪が吹き付け、コキュートス、ハッシュ、ブレーブ、フェリオを囲んで巨大な氷の壁が作られた。

 

「コレデ退路ハ封ジラレタ。」

「コ、コキュートス…!!!」

 

「ブレーブ、こうなったら一気に残りの3体 解呪(ヒーリング)するしかないファ!!!」

 

 

***

 

ギリスはチョーマジンを3人に任せ、リルアとの会話を続けていた。

 

「ねぇ、あの3人 どこ行ったの?」

「そんなことより 何か思い出さないか?」

「思い出すも何も忘れてることなんて何もないから」

 

ギリスは一向に反応を見せないリルアに頭を抱えた。そして1つの決断を下す。

ギリスが取り出したのは携帯用の通話結晶だ。

 

「ハッシュ、聞こえるか?俺だ、ギリスだ。」

『ギリス、どうしたの?』

「今からリルアを連れてそっちに行く。

ブレーブにも伝えてくれ!!」

『!!!? そんな 何で!!?』

「リルアの記憶が戻る気配が無いんだ!!

もう これにかけるしかない!!!」


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