転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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390 勇者を襲う新たな能力!! ゼシオンとディスハーツ!!! その②

ブレイブは決して風妖精(エルフ)の里に殴り込みをかけた敵であるオオガイ達を甘く見ていた訳では無い。寧ろ敵陣に堂々と姿を現すという行動を余裕の表れであると解釈し己の精神を引き締めた。

それでも尚、この状況(・・・・)は想定外だった。ブレイブは今、ゼシオンに完全に抑え込まれている。

 

(……………ッ!!!)

「精々己の浅はかさでも悔やんでいろ。私はこうしてお前を抑え込んでいるだけで成果になるのだからな。これ程単純な任務もあるまい。」

「!!!」

 

ゼシオンはブレイブを抑え込んでいる。それが意味する所はブレイブが一番良く理解していた。ブレイブは今、足止めをされている。ブレイブは最高戦力の一人であり、その自分が行動をこうして足を止められているのは重大な事態である。

こうして時間を空費している間にも里はチョーマジンの襲撃を受けようとしている。一刻も早くこの状況を脱する事が求められる。

 

(~~~~~!!!

か、身体が動かない…………!! この人は別に重たい訳じゃないのに何で……………!!?)

(精々藻掻け。脱出など出来ん。お前は生涯分かる筈も無いがこれが重心というものだ!!)

(ど、どうすればいいの!!? 今ここで《女神之剣(ディバイン・スワン)》を使ったとしても持ってる手は動かせないし……………!!!

!! そうだ!!!)

「!!?」

 

ゼシオンはブレイブを抑え込む、所謂マウントポジションを取っているこの状況であっても決して油断などしていなかった。ガミラやフォラスと交戦し生き延びている彼女がこの程度の事で制圧出来る筈など無いからだ。

だからこそゼシオンはブレイブの次の攻撃(・・・・)を寸での所で躱す事が出来た。それはゼシオンの事前情報に無かった予想外からの一発である。

 

「《刺突之神(アテナ)》!!!!!」

「!!!?」

 

ゼシオンが四つの手で押さえていたのはブレイブの右手と顔面、そして両脚である。故に唯一自由に動かせる部分があった。それは左腕である。

ブレイブは左手を指を伸ばした刺突の形に変え、そこにシャルディアとの試合の中で得た新たな究極贈物(アルティメットギフト)刺突之神(アテナ)》の力を乗せ、ゼシオンを横から攻撃した。

 

征服之神(アダマス)》の能力に加え、張り詰めた精神状態にあったゼシオンはその零距離射程の攻撃を身を引いて躱す事に成功した。瞬間、ゼシオンは自分の左側(・・)に広がる光景に戦慄した。

 

「……………ッ!!!!」

(避けられた!! でも、これなら……………!!!)

 

ゼシオンの左側に広がっていたのは巨大な風穴が開いた巨木の幹だった。それはブレイブの攻撃、それも素手の攻撃によって開いたものだ。武器すら持たずにこれ程の威力の攻撃を繰り出せるという事実を脳裏に直接叩き込まれたゼシオンは再度実感する。自分が今目の前で相手をしている人間は常識では測れない存在であるという事を。

ゼシオンの拘束から解放されたブレイブは身体を翻し彼との距離を取る。奇しくもそれはゼシオンの征服之神(アダマス)の範囲の外であった。

しかし依然としてブレイブは当初の予定の一切を変更しない。彼等と直接戦う事がこの危機を脱する最短距離である。地面を蹴り飛ばして再度ゼシオン、そしてオオガイに強襲を掛ける。

 

「やああああああああああッ!!!」

(依然として来るか。お前の狙いがサーオオガイである事は分かっている。ならばこそここは通さん。私の《征服之神(アダマス)》の中に入る限りお前の動きは全て読め

「!!!?」

「!」

 

その瞬間、ゼシオンの視界からブレイブが消えた。加えて彼の視界の光景は数歩分前進(・・)していた。その時、ブレイブはゼシオンの背後(・・)に居た。二人の立っている位置が入れ替わったのである。ブレイブはその理由を瞬時に察知し、ゼシオンも一拍が経つ頃にはその原因に気が付いた。

 

(ニトルさんだ!!)

(ニトル・フリーマ!!! 貴様か!!!)

 

ゼシオンが見下ろした視線の先にはニトルが居た。ニトルが転換之王(ベリアル)の能力によってブレイブとゼシオンの位置を入れ替えたのだ。ニトルという横槍がゼシオンの征服之神(アダマス)の死角を突いたのだ。

 

(奴の能力は確か視界内の者を入れ替える能力だった筈!!! それをこの距離でやってのけたというのか!!!)

(この距離でとか思ってんだろ!! 裸眼で余裕だバカが!!!)

 

ニトルの援護により、ブレイブは遂にオオガイと一対一になった。無論、オオガイもその事実に反応しているが関係は無い。彼女に残された選択肢はオオガイに向けて技を繰り出すだけだ。

 

「《プリキュア!!!! ブレイブカリバ

「させませんよ?」

「ッ!!!?」

 

その瞬間、ブレイブの腕が止まった。正確には彼女の腕が強烈な力に引っ張られ、オオガイへ技を繰り出す事を止められた。ブレイブがその力の方向に視線を向けると、そこにはディスハーツが立っていた。彼もまた手を伸ばしている。

 

(だ、誰!!? というか何、この力……………!!!)

(………ディスハーツ……………!!!)

「ゼシオン、情けない、とはこの際言わないでおきましょう。それにしては相手が強大ですからね。

しかし勇者キュアブレイブ、貴方、不届きも甚だしいですよ。勇者は敵を順番に相手してから魔王に挑むものでしょう?」

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