転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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392 勇者を襲う新たな能力!! ゼシオンとディスハーツ!!! その④

土ー正確には土壌ーには様々な成分が含まれている。窒素やカリウムなどの栄養分は植物の成長に大きく貢献する。土の中に埋まった植物の葉や動物の死骸などが分解される事によってこれらの成分は土壌の中に発生する。

そしてその中には《鉄分》という物質が含まれる場合も往々にして存在する。風妖精(エルフ)の里では金属加工の技術が発達していなかったが、ブレイブにとって不運な事に里の土壌には少なからずこの鉄分が含まれていた。

 

*

 

「んがっ……………!!!」

(ほう。直撃は免れましたか。)

 

土の中からいきなり大量の細かい金属の塊が飛び出した。ブレイブに認識出来たのはそれだけだった。しかし直感的にこれが目の前に居る男、ディスハーツの《電磁之神(アルゲース)》によるものであると理解する。

ディスハーツは《電磁之神(アルゲース)》の能力を使って自分が今立っている土の中の鉄分を操作し、固め、弾丸に変えてブレイブに繰り出したのだ。ブレイブはその攻撃に瞬時に反応し、眼球、頭部、関節などの急所を防御し負傷を最小限に留めた。

 

「………………!!!」

「なかなかどうして悪運の強い人ですね。ですがそんな偶然、そう続くものではありませんよ?

後悔したくないのならば今ここで()を使う事を推奨しますが。」

「……………………!!!!

女神之剣(ディバイン・スワン)》!!!!!」

 

瞬間、ブレイブが握っていた剣が変化し、真の姿を現した。刀身が一回り程も大きくなり、眩い光を放つ。この世界に五つしか存在しない刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)の内の一振、《女神之剣(ディバイン・スワン)》が姿を現した。それを発現させるという事はブレイブが完全な臨戦態勢に入った事を意味する。しかしそれは敵達(・・)もまた然りである。

ゼシオンは言った。ブレイブの力量を量る為にも無闇に手を出さないように と。しかしディスハーツはその限りではない。その思考の全ては目的の遂行のみに集中している。

 

「!!!」

 

ブレイブのミスは目の前のディスハーツに意識を集中させ過ぎた事だ。その時既に、彼女の両側でフォラスとコキュートスが攻撃の構えを取っていた。それは極めて単純な《挟み撃ち》だった。

 

豪雪之神(オカミノカミ)》!!!!!

酸魔法《酸之爆弾(アシッド・ボムバ)》!!!!!

(《堅牢之神(サンダルフォン)肉球之神(バステト)》》!!!!!)

『!!?』

 

ブレイブは一瞬の内に二つの究極贈物(アルティメットギフト)を発動した。横側と掌にそれぞれ、盾と肉球が浮かび上がる。コキュートスの氷の攻撃を盾で受け、フォラスの酸の塊を肉球で弾いた。

 

「やあっ!!!!」

『!!!!』

 

攻撃から身を守った次の瞬間にはブレイブは反撃に転じた。それはその場で回転し剣を振るうという単純明快なものだったが、あらゆるものの硬度を無視して両断する能力を持つ《女神之剣(ディバイン・スワン)》で繰り出されるそれは必殺の一撃と化す。フォラスとコキュートスは瞬時に反応し、後方に跳んでそれを躱した。

 

(……………アレガ刀剣系………。一振リ一振リガ防御不能必殺ノ一撃ト化ストハヤッテイラレンナ。ダガ━━━━!)

(キュアブレイブ。貴様は所詮紛い物の凡骨よ。存分にその身の丈に合わん剣を振るい徒に体力を削っておるが良いわ!!!)

 

 

 

***

 

 

 

七十八秒。

ブレイブが単身突入してからそれだけの時間が経過している。しかしギリス達は決してブレイブを放置していた訳では無い。戦況の変化に備え手を出せずにいたのだ。

しかしその忍耐も限界に達しようとしている。最初に動いたのはニトルだった。

 

「くっそ!! これ以上黙って見てられるか!! 俺が爆弾と入れ替えてあいつを連れ戻す!!!」

「待てニトル!! さっきも言ったろう!! それはもう通用しない!!」

「それでも入れ替える事は出来るだろ!! あいつを助けられりゃ御の字だ

!!!」

 

その瞬間、ニトルは確かに見た。ディスハーツが後方に目をやり、確かに自分の方を見た。

次の瞬間、ディスハーツの目の前に巨大な金属の壁が形成された。ディスハーツが能力で土壌の鉄分を操作し金属の壁を作り出した。これによりニトルの能力の発動条件である視界が封じられた。

それを認識した瞬間、次に動き出したのはグラトニーだった。

 

「退いていろニトル(・・・)!! あんな鉄板、私が壊す!!!」

「待てグラトニー!! 今下手に動くのは━━━━」

「ならここから(・・・・)撃てばいいだけの話だろうが!!!!

《プリキュア!!!! グラトニーイレイザー》!!!!!」

 

変身アイテム(フェデスタル)がはめ込まれたグラトニーの魔法陣から魔力と解呪(ヒーリング)で練り上げられた光線が放たれた。鉄板一枚など蠟燭の火のように消し飛ばすその光線は一直線にディスハーツへ向かう。

 

━━━━しかし、光線が直撃したのはディスハーツの金属の壁ではなかった。

 

豪雪之神(オカミノカミ)》!!!!!

「!!!!?」

 

突如として、巨大な氷塊が形成されグラトニーの光線と衝突した。氷塊は跡形も無く蒸発したが、グラトニーの攻撃は完全に阻まれた。グラトニーは直感的に誰がそれをやったのかを理解した。

 

(コキュートス………!!! あの虫けらが……………!!!!)

(リルア・ナヴァストラ。過去ノ栄光ニ縋ルノハ大イニ結構ダガ、私ハ同ジ相手ニハ二度ト不覚ハ取ラン!!!)

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