転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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396 究極贈物(アルティメットギフト)無き戦い!! ハニvsダクリュール!!! (後編)

ハニ・ミツクナリの贈物(ギフト)軟化(クナリリース)》。その能力は文字通り物を柔らかくするというものである。その正確な効果範囲は自分の周囲にある無生物に限定される。即ち、彼女の能力で彼女自身の肉体は軟化させられないのである。

ダクリュールはハニが幾度も自分の攻撃を、《軟化》よりも無駄の多い《回避》によってやり過ごした。その情報がダクリュールにハニの弱点を教えたのだ。

 

*

 

「その面、どうやら図星のようだな。テメェ(・・・)の能力の強み(・・)はよォ、これで無意味になったって訳だな!!!」

「!!!」

 

ハニの《軟化(クナリリース)》は固有贈物(ユニークギフト)に分類される。そしてそれには究極贈物(アルティメットギフト)より有利な点が一つだけある。

それは、能力の詳細が知られにくいという点である。固有贈物(ユニークギフト)は基本的に当人限りのものであり、遺伝する事は滅多に無い事が理由だ。

 

ダクリュールはハニの能力の詳細を瞬時に見抜いた事により、その不利な点を解消した。尤も、その程度の不利など問題ではないと考えていたが、ハニの精神を揺さぶる事には成功した。

 

「これでもうお前は能力を偽って騙す真似も出来なくなった訳だ。固有贈物(ユニーク)持ちの勝ち筋はそれだって相場は決まってるからなァ。

もう分かんだろ? これでお前は敗色濃厚!! 後はお前の能力を全部完封して俺の勝ちって訳だ!!!」

「…………勝ち誇るのは良いけどさ、向こうは結構危ないみたいだよ?」

「ァン?

!!!」

 

ハニが指差した方向に視線を向け、そこに広がっていた光景にダクリュールは目を見開いた。

 

「好きなだけ勝ち誇れば良いと思うよ? だけど私達はまだまだ負けてないから!!!」

「どうやらそうかもしれねぇな。さっさとテメェをぶっ倒して戻らねぇとなァ!!!」

 

 

 

***

 

 

 

オオガイ達の、ハニのような星聖騎士団(クルセイダーズ)の隊長の警戒度は蛍達戦ウ乙女(プリキュア)より一段劣っていた。しかしこの瞬間、その認識は誤っていた事を思い知らされた。ハニが稼いだ時間は一秒に足りるかどうかという僅かな隙であったが、その時間はブレイブを包囲網から救出するという大役を果たした。

焔之神鳥(ガルダ)の翼を羽ばたかせ、一気に身体を加速させ死地から逃れた。今の彼女の心中にあったのは一刻も早く仲間と合流しこの失態を雪ぐ事だけだ。

 

「!!!」

 

包囲網から脱出したブレイブの視界に最初に飛び込んで来たのは氷塊(・・)だった。風妖精(エルフ)の里の光景には余りに不揃いなその物体が誰の手(・・・)によって生み出されたのか、ブレイブは瞬時に察知した。

 

(コキュートス!!!)

 

ブレイブがコキュートスの姿を認識したのは氷塊を生み出したのが彼であると察知した後である。彼はブレイブに背を向け、完全に無防備状態だった。前方に集中し、ブレイブが包囲網から脱した事にはまだ気付いていない。しかし、今ここでコキュートスを攻撃する選択肢は真っ先にブレイブの脳内から消えた。

 

(コキュートスはまだこっちに気付いてない。だけど、今ここで攻撃して確実に決まる保証もないし、なにより被害が大きすぎる!!!

なら、狙うのは━━━━━━━━!!!)

 

言うまでも無く、コキュートスの氷塊はギリス達を狙って放たれたものである。しかし幸運な事に、その氷塊はまだギリス達には届いていない。その事実を認識した瞬間、彼女の行動は決定された。

 

「ヤアァッ!!!!!」

「!!!!?」

 

その瞬間、コキュートスの視界に飛び込んだのは斜めに両断された己が生み出した氷解だった。ギリス達を纏めて攻撃する筈だったそれは両断された瞬間に効力を失い、瞬く間に崩壊した。その光景を生み出した当人はコキュートスの視界上部に居た。《女神之剣(ディバイン・スワン)》を握ったブレイブがそこに居た。

 

(キュアブレイブダト!!? 馬鹿ナ!! アノ包囲網ヲドウヤッテ!!?)

『ドゴォン!!!!』

「!!!

(イ、今ノハダクリュール!!? ……横槍(ソウイウ事)カ……………!!!)」

 

コキュートスの耳が捕らえた音はハニがダクリュールを殴り飛ばした音であり、目の端でその光景を捉えていた。しかし瞬時に意識を前方に向ける。自分の役割は依然何一つ変化していない。

 

「甘イナキュアブレイブヨ!! ソンナ事ヲシテモ何モ変ワリハシナイ!!! 貴様等ヲ氷像ニスルトイウ運命ニハナ!!!

豪雪之神(オカミノカミ)》!!!!!」

 

コキュートスは再び地面を強く踏み付け贈物(ギフト)を発動し、巨大な氷塊を前方に炸裂させた。しかしその時、ブレイブは既に地に足を付けていた。踏ん張る地面を得た勇者の力をコキュートスは見誤った。

 

「甘いのはそっちだよ。」

「!?」

「《女神之剣(ディバイン・スワン)》!!!!!」

「!!!!」

 

コキュートスが感じたのは強烈な殺気。そしてそのまま(・・・・)だと確実に自分が死ぬという直感。それを察知した瞬間、コキュートスは脳が命じるよりも早く上半身を引いていた。

そして視界に飛び込んだ光景を見て己の直感が当たっていた事を認識し、強い戦慄が彼の背筋を貫いた。

 

女神之剣(ディバイン・スワン)の刃はコキュートスの生み出した氷塊のみならず、彼の背後にそびえ立っていた高台の地面までもを一刀両断していた。

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