転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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397 キュアブレイブ帰還!! 風妖精(エルフ)の里の防衛戦!! (前編)

コキュートスが戦ウ乙女(プリキュア)と接触したのは今回が初めてでは無く、二度目である。一度目の単独専攻で彼はブレーブ(当時のブレイブ)とも接触、交戦している。しかし、彼はブレーブ(・・・・)を重要視していなかった。彼が危険視していたのはグラトニーのみであり、ブレーブは未熟な少女としか認識していなかった。

 

しかし、その認識は既に過去のものであった事を彼はようやく理解した。最早自分の前に立っているのは未熟なキュアブレーブ(・・・・・・・)では無く、真なる勇者キュアブレイブ(・・・・・・・)であった事を理解した。

自分の目の前に広がる光景がそれを雄弁に物語っていた。

 

 

 

***

 

 

「……………………!!!!!」

 

ロノアやフォラスが持ち帰った情報から、コキュートスもブレイブが刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)に目覚めた事、そしてその剣があらゆるものを硬度を無視して両断する能力を持つ事も知っていた。

しかし、コキュートスは肝心な事を忘れていた。自分が知った気になっていたそれらの事は単なる情報(・・)に過ぎず、実体験には遥かに劣るという事を。先程の振りすら能力の一端に過ぎない。ブレイブは初めて風妖精(エルフ)の里の中で本気で刀剣系を振り抜いた(・・・・・)

 

先程まで自分が乗っていた高台が、その根元から両断され宙に舞っていた。通常の剣では到底不可能な現象がコキュートスの眼前で起こっていた。

 

(コ、コレハ、不味イ!!! 私モ彼等モ!! オノレ!!!)

 

コキュートスの頭上では今、巨大な土の塊が重力に引かれている。自分の身体より遥かに大きな体積を持つ物質は直撃すれば究極贈物(アルティメットギフト)の持ち主であるコキュートスであっても無傷では済まない。自分だけでは無く、今高台に乗っている仲間達も然りである。

 

「小癪ナ!!! 《豪雪之神(オカミノカミ)》!!!!」

「!!」

 

コキュートスはブレイブに両断された氷塊を変形させ、その先端を自らの頭上へ移動させた。生物の触手のように動く硬いそれは高台の地面を砕き、そしてその上に立っていた男達を受け止めた。

ブレイブはその一部始終を冷静な精神状態で見つめていた。ブレイブはコキュートスの攻撃から仲間達を守る事が出来ただけで御の字だ。

 

「…………………!!」

「オノレ…………!! 貴様ハアレカラ劇的ナ変化ハシテイナイ。多少膂力ハ上ガッテイルダロウガ、ソレモ高ガ知レタモノ………………!!!

ダガ!! ソノ剣ダ!!! ソノ剣故ニ貴様ニガミラハ負ケ、フォラスト戦ッテモ尚五体満足デ生キテイル。ソノ剣ノ一振リ一振リガ我々ノ野望ヲ阻ム!!! 実ニ忌々シイ…………………!!!!」

「いや、そうでもねぇぜ。」

『!!!』

 

コキュートスの背後には土の塊と氷塊が纏めて地面に落下し大量の土埃が舞っている。そして当然、その中には彼等(・・)が居る。その全員が纏めて姿を現した。

 

「二回だ。奴に二回も刀剣系を使わせただけで十分な消耗だぜ。もしかしたらもう虫の息かもな!!」

 

オオガイを始めとする六人が一斉にブレイブの前に姿を現す。つい先程自らそこ(・・)に飛び込んだにも拘らず、ブレイブはその迫力に思わず喉を鳴らした。辛うじて一時の窮地を脱しただけで、状況は何も好転していないと自分に言い聞かせる。

しかし、状況は好転せずとも絶えず変化している。

 

「ブレイブ!! ブレイブ!!」

「!! ギリス!! みんな!!」

 

背後から聞こえた声に振り向くと、ギリスを先頭に仲間達が一斉に駆け寄って来た。ようやく迂闊に手出し出来ない拮抗状態から抜け出たのだ。

 

「ギリス……、ごめん私、勝手に先走っちゃって…………!!」

「謝る事は無い。助けに行けなかった俺達にも非はある。だからあそこで分かった事を出来る限り教えろ。」

「うん分かった。

あの、黒い虫の人はなんかカウンターみたいな能力で、あのメガネの人は磁石の能力を使ってたよ。」

「………《征服之神(アダマス)》と《電磁之神(アルゲース)》を与えられたか。それが分かっただけでも十分だ。

後、ダクリュールをふっ飛ばしたのは誰だ。星聖騎士団(クルセイダーズ)の制服を着ていたのは見えたが。」

「あっそうだ!! ハニさんが、ハニさんがダクリュールを追いかけて森の中に!!」

「……成程、あいつらが一対一でか。それは少々不味いな。ダクリュールはあいつの手には余る。」

「そ、そうだよ!! 早く誰か助けに行かないと━━━━!!」

「それはそうだ。だがそれは簡単にはいかなさそうだがな。」

「!! うん、そうだね………………!!」

 

ブレイブ達の眼前では依然としてオオガイ達六人が不敵に口角を上げて佇んでいる。自分達の勝利を信じて疑わないと、そう言っているようにブレイブの目には見えた。しかし、勝ちを譲る気が無いのはブレイブ達も同じだった。

 

「ブレイブ、お前が何を考えていたとしても今から俺達に出来るのは一つしか無いぞ。」

「うん、分かってる………!!」

「お前達!!! ギルドマスターとして俺から言えるのは一つだけだ!!!

この里に居る者全員、全身全霊を掛けて守り抜くぞ!!!!!」

 

後手後手の膠着状態から抜け出し、ギリス達は遂にオオガイ達と全面衝突の時を迎えた。

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