転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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398 キュアブレイブ帰還!! 風妖精(エルフ)の里の防衛戦!! (後編)

ブレイブは知らない事だが、オオガイ達が風妖精(エルフ)の里へ襲撃し戦闘が開始してからまだ数分しか経っていない。ブレイブの体感時間では数十分は経過しているが、それが誤った認識である事は他でも無い彼女が理解していた。

 

『━━━━ねぇギリス、()の状況ってどうなってる?』

『今は腕のある奴等が総動員でチョーマジンを押し留めている。特にあいつ(・・・)が先陣切っている以上、心配は要らない。』

『あいつ? アッ……………!!』

 

ギリスの一言でブレイブは現状を完全に把握した。今この場において居るべき人間が一人居ない。それがギリスの自身の根拠だった。

 

「おい、何を話してる。作戦会議でもしてるのか?」

 

今この場において最も警戒するべき敵を前にして小声で言葉を交わすギリスにオオガイは怪訝な表情を見せ、対するギリスは不敵な笑みを浮かべる。

 

「そうだな。お前等の浅はかさを話していた所だ。

はっきり言おう。お前等の作戦は既に頓挫している!!!」

『!!!』

 

その時、その場に居た全員が村の外に起こった劇的な変化を視界の端で認識した。巨大な樹木が凡そ植物とは思えない動きを見せた。それだけではなく、その周囲を舞うものがあった。それを見てブレイブは息を飲んだ。それが生物の首や腕であり、鮮血と共に舞っていたからだ。

 

言うまでもなく、それらはチョーマジンの身体であり、それ(・・)を行ったのはシャルディアである。ブレイブはそれに少なからず衝撃を受けたが、表に出す事はしなかった。

それが行われかった場合にどのような悲劇が待っているかは想像に難くない。

 

「…………シャルディアはあそこか。」

「そうだ。あいつの相手はチョーマジンは無論の事、お前達でも務まるかどうか怪しい。早い話、ここにチョーマジンが来る事は有り得ない!!」

 

今現在、風妖精(エルフ)の里はチョーマジンの襲撃から守られている。シャルディアを筆頭に里に住まう妖精族の戦士達、そして星聖騎士団(クルセイダーズ)の面々も即座に里の異変を察知し、然るべき行動を取っている。だからこそブレイブは今も尚チョーマジンの姿を見ていない。

 

(シャルディアさんだけじゃない!! あの隊長さん達も、ソフィアさん達も一緒に戦ってくれてる!! 私、一人じゃな)

「『一人じゃない』とでも思ったか? 偽物勇者。」

「!!?」

 

自らの孤独感が解消され心の中に生まれ始めた自信を打ち砕いたのはオオガイの心の内を見透かしたような一言だった。

 

「本当にお前の甘さにゃ呆れて言葉も出ねぇぜ。人に依存してばかりで自分(テメェ)の役目一つこなせねぇくせに口だけは一丁前と来てる。そいつらが居なかったらお前、今日だけで何回死にかけた?」

「!!!」

「返す言葉もねぇ か。だったらよォ、一人じゃ何も出来ねぇ無能のままでいろや!!!」

 

オオガイはその言葉を言い終えると共に地面を蹴り飛ばしてブレイブに強襲を掛けた。龍の里でも見せた体格に似合わない俊敏な動きは今も尚健在である。それに反応出来たのは二人(・・)だけだった。

 

『━━━━ガァンッ!!!!』

「!!!!」

「………あの直後(・・)でもまた助けられる(・・・・・)とは、馬鹿は死ななきゃ治らねぇらしいな!!」

 

オオガイの通常より巨大で強力なその拳はブレイブには当たらなかった。それを止めたのは姿を成年に変えたギリスとルベドだった。贈物(ギフト)も使わず、純粋な身体能力だけでそれを受け止めた。

 

「警備団の時から思っていたが、貴様等の暴論は聞くに堪えない。

あいつが人に依存していると言うならお前が単独で此処に居ない事をどう説明するつもりだ?」

「論点がずれてるぜ。俺はあいつを役目一つこなせない無能だっつったんだ。俺達は違う。与えられた役目は全てこなして、それで勝つ。

なァ!!! そうだろ!!?」

 

相手陣営の中で最高戦力であるギリスとルベドを前にして、オオガイは後方に視線を送り激励するような笑みと共にダルーバ達に問い掛け、彼等もそれに笑みで応える。その直後に起こった事が、ブレイブ達に教えた。出方を伺って手を出さずにいたが、その判断が如何に間違っていたかという事を。

 

配置に就け(・・・・・)!!!!!」

『!!!!』

 

オオガイは一言、里中に響き渡るような声でそう言った。瞬間、オオガイの背後で待機していたダルーバ達五人が一斉に、別々の方向へ走り出した。彼等が一向に攻撃をしてこなかったのはそれより優先すべき事があったからだと、ブレイブ達はその時点でようやく理解した。

 

(配置!!? 今、配置って言った!!? って事はその後(・・・)で何かする気なの!!? とにかく、止めないと━━━━!!!)

 

一瞬の事に虚を突かれ、またしても相手に先手を許した。ならば今必要なのは彼等の策略の阻止であると、ブレイブ達は瞬時に理解した。そしてそれを最も効率的に行える人間がブレイブの背後には居た。

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