転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
"ダクリュール・イルヴァン"
夢崎蛍ことキュアブレーブが彼を
「聞こえねぇのか?
テメーは何なんだって聞いてんだよ。」
「……えっ………」
ブレーブはなぜ彼の名前しか分からないのか。そして、一体彼が何なのかということに強く疑問を抱いていた。
「何だ?ひょっとして
それなら簡単だ。 俺
「普通の人間共だってそうしてるぜ。
そんなことも知らねぇとはお前、トーシロか?」
ダクリュールは直感的にこの奇抜な格好をした少女があのチョーマジンを"木を殺すことなく"倒したのだと悟っていた。
「まぁ んなこたどうだっていいけどな。
なんせ…………」
テメーは俺達の敵なんだからなァ!!!!!
「!!!!」
ダクリュールはそう叫びながら木の上から一瞬でブレーブとの距離をつめ、
ズゴォン!!!!!
という激しい音を立てながらブレーブのいた地面を爪で大きく刈り取った。
ブレーブはその攻撃を座り込んだ状態からの片手のバク転でかわし、逃れた。
「!!!!」
ゾワッッ
音にするならそんな感覚がブレーブの全身を駆け巡った。
ダクリュールがたった今攻撃した場所、つまりブレーブがさっきまでいた所がまるで隕石が落ちたクレーターのように
あのままあそこにいたなら、
たった14年使っただけの頭でもそれくらいのことは容易に想像できた。
「逃がすかよォ!!!」
「!!!?」
気がつくとダクリュールの足がブレーブの首に絡みつき、あっという間にブレーブは地面に組み伏せられてしまった。
「テメーの正体なら見当はついてるぜ。
お前、ヴェルダーズの親分が言ってた【
ブレーブは黙っている。コイツにそのことを言うのは絶対にまずい。
ブレーブはそう直感していた。
「
俺も聞かせてもらったぜ。何でも親分の力を完全に浄化できちまうって話だ。」
「もっとも今のテメーにはそこまでの力はなさそうだがな。見たところ力を身につけてまだ日が浅ぇってことだろ?
違うか?」
そう言うとダクリュールはおもむろに腕を上げた。
「まぁ そうであろうとなかろうともだ。テメーが俺達にとって危険な人間であるっつーこたァ曲げらんねぇ事実だ。だったら…………」
ここで死ねやぁッッッ!!!!!
ダクリュールの爪がブレーブの顔面に迫る。
ブレーブはこの一撃を待っていた。
『
『
『
ブレーブは冷静にダクリュールの手首をつかんで捻り、彼のバランスを崩した。
「何!?」
ブレーブの腹部を拘束していた彼の足は腕に気を取られて緩まった。
その一瞬を見逃さずブレーブは彼の拘束から脱出し、
「やぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」
「ブフォッッ!!!?」
ダクリュールの腹を両足で蹴り飛ばし、難を逃れた。
だが、ダクリュールはすぐに回転してその場で着地し、冷静さを取り戻した。
「チクショー、やっぱり
ハァハァ………
ブレーブの方は息が上がっている。
ついさっき肉体に負担のかかる
さらに、彼女は今まさに殺されそうになっていたのだ。精神的疲労も計り知れない。
「そんなら道理で…………
"
「!!!? 今なんて………!!!!?」
「あ? 分からねぇのか?俺も持ってるって言ってんだ。
冥土の土産に教えてやるよ。」
「
それが俺の
英雄系
効果:恐竜と同等の運動能力を体に宿す。
筋力などは持ち主に依存する。
ボッッ!!!!
それは、ダクリュールが大地を蹴った音だった。
蹴った地面は深く穴が空いていた。初速から全速力である。
その勢いと全体重を全て乗せて、ブレーブにストレートパンチを放った。
咄嗟にガードするも力に押し負け、ブレーブは後方へ吹き飛ばされた。
……こいつは
ブレーブは吹き飛ぶさなか、そう直感した。
『ブレーブ!ここは逃げた方がいいファ!!!』
「……いや、それは無理。絶対追いつかれちゃうよ。」
「……だから、私の全力のカウンターで隙を作らなきゃ、逃げられない。」
『ブレーブ………!!』
「なにをブツブツ言ってやがる?
まぁ、これではっきりしたな。
お前が今話してたのはそいつだろ?」
「……つまり、これで心置き無くお前を全力で潰せるってわけだ!!!!」
(チャンスは1回きり!!!
ミスったら終わる!!!!!)
ブレーブは極限まで集中していた。
『
『
『
ダクリュールがまた全速力で突っ込んでくる。
その時
「ブッッッ!!!!!?」
ダクリュールが吹き飛んだ。
「エッ!!?」
「誰だァ!!!?」
2人が攻撃された方向をみると、
そこには茶色いフード付きのマントに身を包んだ10代前半と思われる少年がいた。
「よく来てくれた! 【
俺はずっと待っていた!!!
お前が現れることを!!!」