転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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402 ブレイブvsフォラス 再び!! 悪魔のスライムの新たな能力!!! その②

風妖精(エルフ)の里を襲撃したチョーマジンの数は軽く千を超える。オオガイ達は数日を掛けて戦力を整え、その全てを一斉に全方位から襲わせた。

戦ウ乙女(プリキュア)星聖騎士団(クルセイダーズ)、そして妖精族の戦士達は総力を挙げて敵を迎え撃つ。今は里の辺境地域で敵を中心地に突入させない為の戦いが続いている。しかし既に里の内部にもチョーマジンが発生(・・)していた。

 

*

 

風妖精(エルフ)の里 中央区北部》

 

齢十四の少女 夢崎蛍は一部の例外を除いて虫に嫌悪感情を抱いている。特段、毒虫に身体を刺されたというような逸話を持っている訳では無いが、それでも友好的な感情を抱く事は出来なかった。

そして今、蛍はその嫌悪感情を強烈に発生させられている。彼女の目の前には今、人生上最悪と言っても過言ではない程の光景が広がっていた。

 

「……………………!!!!」

 

それは、虫を素体とした大量のチョーマジンだった。向こうの景色が灰色に染まる程の密度、人間の感情から冷静さを奪い取る羽音が一斉に襲い掛かった。加えて不運だったのは虫の身体が中途半端に肥大化し醜悪な顔面が認識できるようになってしまった事だ。

 

「う、うわあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!!?」

「!!? ブレイブ!!?」

 

いくら女神に力を与えられていると言ってもキュアブレイブは一皮剝ければ一般的な感性を持つ少女である。その彼女が大量の虫(のチョーマジン)を前にして冷静さを保っていられるかと問われれば答えはやはり否である。戦闘中であるという事実も先程までのフォラスと戦うという決意も、目の前の光景によって全て吹き飛んでしまった。

ブレイブの本能は脊髄を通して身体に逃走という行為を命じた。しかし、その命令が履行される事は無かった。

 

「《陽光之爆弾(アマテラス・ニニギ)》!!!!」

「!!?」

 

瞬間、ブレイブの視界は白い光に染まった。それはフェリオが放った光だ。

彼女が持つ究極贈物(アルティメットギフト)陽光之神(アマテラス)》の光と熱を掌に凝縮させて一気に解き放つフェリオの応用技。加えて今回は光の中に僅かに解呪(ヒーリング)を含ませてある。その光の直撃を受けたチョーマジンは元の虫に戻り、意識を失って地面に落ちた。

 

「フェリオ………………!?」

「言わなくても分かるファ。虫が怖いんファよね。それがダメだなんて言わないファ。

でも忘れないで。 ブレイブには最初から、いつも私が一緒に居るファ。私と一緒ならブレイブはあんな奴らに負けたりはしないファ!!!」

「……………!!! うんっ!!!」

 

フェリオの言葉はブレイブの精神を埋め尽くしていた恐怖や動揺を消し去り、新たな闘争心を芽生えさせた。

そして新たな布陣を張る。ブレイブはフォラスに、フェリオは援軍のチョーマジン達に向き直る。互いの死角を防御する布陣だ。

ブレイブはフォラスと相対し、そして彼に口を開いた。

 

「………………何も言わないんだね。」

「何?」

「いつもならこういう時、『人に依存してる』とか『一人じゃ戦えない』とか言うと思ったのに。

それともチョーマジンをけし掛けてるから言いにくいとか?」

「否じゃ。唯無駄な行為を嫌っておるだけじゃよ。儂がいくら弁を弄しようとも最早貴様等の性根は変わりそうも無いからな。」

「そうだね。私は一人じゃない。守ってくれる人が居て、守りたい人が居るからこうして戦えるの!!!」

「━━━━其の守りたい人というのは仲間か。それとも此の里に住まう者達か。其奴等が今血の海に沈んで居る可能性は考えなんだか。」

 

フォラスは前言を撤回し、ブレイブの精神を揺さぶる言葉を口にした。しかし最早フォラスの言葉では動揺しない程にブレイブの精神は、フェリオの言葉によって強く支えられていた。

 

「そんな事簡単に出来ないって、良く分かってるんじゃないの? まぁでも、皆が心配っていうのは否定出来ないかな。じゃあ今すぐこんな無意味な戦いを終わらせて、皆の所に行くよ!!!」

「!!?」

「あなたの敗因は私の新しい力をちゃんと知れなかった事!!!!」

「!!!!」

 

その瞬間、フォラスの視界からブレイブの姿は消え、その身体は両断されていた。ブレイブは《焔之神鳥(ガルダ)》の翼を羽ばたかせた推進力で一気にフォラスとの距離と詰め、解呪(ヒーリング)を纏わせた《女神之剣(ディバイン・スワン)》を早業で顕現させ、フォラスを両断した。

そのどちらもフォラスに割れている手札であり、通常一度見せた技が二度通用する事は少ない。それでもブレイブの脚力が生んだ推進力がフォラスの反応速度を追い越した。

 

 

しかしその時、ブレイブはミスを犯していた。攻撃が完全に成功した事による優越感が後方へ意識を向ける事を邪魔していた。

その時フォラスの口元が不敵な笑みを浮かべている事に気付かなかった。

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