転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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403 ブレイブvsフォラス 再び!! 悪魔のスライムの新たな能力!!! その③

留意すべきは、ブレイブはこの一撃でフォラスを仕留められたと慢心してはいなかったという事である。しかしそれでも解呪(ヒーリング)を纏わせた刃で両断したならば一瞬でも隙を生み、そこから必ず突破口が生まれると、そう強く確信していた。

故にブレイブは気付く事が出来なかったのだ。フォラスの口角が不敵な笑みを浮かべている事に。ブレイブの攻撃に全く怯んでいない事に。

 

 

 

***

 

 

ブレイブは《女神之剣(ディバイン・スワン)》をフォラスに食らわせた。剣を通してブレイブの身体に伝わって来た感覚は確実な『切断』の実感だった。それでもブレイブはフォラスの悪辣さ、そしてそのしぶとさを熟知している。この一撃で彼の息の根を断ち切れたとは思っていない。

一瞬脳裏に過った攻撃成功の達成感を即座に押し込め、背後で反撃準備を終えているであろうフォラスに追撃を加える。ブレイブのその判断に一切の間違いは無い筈だった。唯一、敵の姿(・・・)を除いては。

 

(……………決まった!!! 後はこのままフォラスにもう一発━━━━)

「ブレイブ!!! 後ろファ!!!」

(うん!! 分かって

「ッッ!!!!?」)

『ガァンッ!!!!』

 

フェリオの声が聞こえた時点でブレイブは既に《堅牢之神(サンダルフォン)》の展開を完了させていた。フェリオの声に耳を傾けるまでも無く盾を後方に突き出し、反撃を防御する。それには間違いなく成功した。

しかし、ブレイブの表情は驚愕の一色に染まった。ブレイブを攻撃したのはフォラスではなかった(・・・・・・・・・・)からだ。

 

(!!!? !!!!? な、な、何こいつ!!!!?)

「はっはっは!!! 愉快よのぉ!!! 儂の(・・)突きすら容易く受け止める其の(能力)!!!

実に興味深いのぉ!!!」

 

ブレイブを攻撃したのはフォラス、正確には紫色のスライム(・・・・・・・)ではなかった。そこに居たのは骸骨の仮面を被った紫色のスライムでは無く、金色の身体を持った人の身長程もある鳥類だった。彼の口に備えられた嘴がブレイブの《堅牢之神(サンダルフォン)》に突き刺さっていた。その鳥類の口から発せられた声はフォラスとは異なる甲高い男性の声だった。

しかしブレイブは直感的に目の前の鳥とフォラスを結び付けた。目の前の鳥の頭部に、白骨化したかのように鳥類の頭蓋骨が覆い被さっていたからだ。

 

「落ち着くファ ブレイブ!!! 私は見てたファ!!!

今ブレイブが斬ったフォラスがその鳥になったファ!! そいつは変身したフォラスファ!!!」

「!!!」

「…………惜しいが肝心な所が違っているな、フェリオよ。儂はフォラスでは無い(・・・・・・・・)

儂は《アギラ=タタルハザード》じゃ!!!」

『!!!!?』

 

 

 

***

 

 

 

スライムの研究を大きく前進させた偉業を持つ学者 ネプラの冒険者や研究者に向けた単独講演会は話の本筋に到達しようとしていた。その日、魔人粘性生命体(イフリートスライム)という存在は再び人々の意識の中に復活したのだ。

 

「━━━━一言で言うならば、その魔人粘性生命体(イフリートスライム)の力の本質は先程も申し上げたスライムの特性の究極系であると、私はそう考えています。

炎を吐くスライムも居れば体組織に鉄成分を持つスライムも居ます。これがスライム特有の周囲の環境への適応能力によるものである事は先人達の研究によって証明されています。その適応能力の極致こそ魔人粘性生命体(イフリートスライム)の力の本質なのです。これは私の憶測ではありません。

私が独自に入手した古代文献にはこのような記載がありました。『この世には食べた者の能力(・・・・・・・)を再現できるスライム』が存在する とね。

 

話が長くなりましたが、私が結局何を言いたいかと言いますと兎に角、貴方達が寿命を延ばしたいならば決してスライムという生物を侮って掛からない事を忠告したいのです。いえ、スライムだけとは言えませんね。全ての魔物は私達がまだ知らない恐ろしい能力を隠し持っているのですから。」

 

 

***

 

 

フォラスの切れ端(・・・)が変化し、アギラと名乗る巨大な鳥へと変化した。ブレイブが認識出来たのはそこまでだった。果たして目の前の鳥がフォラスの体内に飼われていたのか、そもそも名乗った『アギラ』という名前が彼の本名なのか、気になる点を挙げれば切りが無いが、その全てが無意味と割り切った。

それが証拠に、アギラは再び首を振り上げる。彼の目はブレイブの心臓を狙っていた。

 

(!!! また来る!!!)

 

ブレイブは咄嗟に《堅牢之神(サンダルフォン)》で上半身を防御する。先程盾を通して伝わって来た衝撃は、有り得ないと分かっていても防御を貫通されると思わせる迫力があった。

 

「フフフ。儂の狙いは貴様ではないわ!!!!」

「!!!?」

 

アギラは身体を仰け反らせた嘴の突きを放つ体勢のまま身体を翻し、腕の部分に備えられた翼を振り抜いた。その方向に居たのはブレイブではなく、フェリオだ。

 

「うわぁっ!!!」

「フェリオーーーーーーーーーーーーッ!!!!!」

 

アギラの翼が発生させた突風がフェリオの身体を吹き飛ばした。

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