転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
フェリオが吹き飛ばされた。ブレイブはその事実を認識した瞬間、真っ先に足を前に出していた。その時彼女の脳裏にあったのはフェリオを助けなければならないという感情だけであり、フォラスやアギラへの警戒心や大量の虫(のチョーマジン)への嫌悪感は軒並み消えていた。
『そう来ると思っておったよ!! させんよ!!』
「!!!」
フェリオを救出しようとしたブレイブにフォラスとアギラが一斉に立ちはだかった。元々同一人物だったからか、老人のしわがれた声と甲高い声が同じ台詞を発する。今までフェリオと共に数的有利を取っていた状況は一瞬にして瓦解した。しかしブレイブの戦意は微塵も減退してはいなかった。一撃で戦況を逆転出来る策を持ち合わせているからだ。
「邪魔ァッッ!!!!!」
『!!!』
ブレイブは渾身の力で《
だからこそブレイブは
「ッ!!!!」
『ガァンッ!!!!』
二人を両断した瞬間、ブレイブの腹部目掛けて攻撃して来る者が居た。その人物の攻撃にブレイブは辛うじて反応し、《
その人物は頭部に二本の角が生えた人骨のような仮面を被り、赤と黒で構成された鎧を身に纏っていた。そして最も特徴的だったのは手に持っている武器だった。創作物に然程明るくない
(さ、侍の……………… 鬼!?)
「女神の剣を継承する勇者 キュアブレイブ。相手に取って不足無し。貴様の首、此の
「!!!」
煌焔と名乗ったその男はブレイブの首を狙って手に持った刀を振るった。その攻撃を身を引いて躱し、敵との距離を取る。その時点でようやくブレイブは理解した。自分が相対している敵の頭数が足りないのだ。
(フォラスを斬ったら二人になって、今はその二人を同時に斬った……………!!
じゃあ一人足りない!! 一体どこに━━━━)
『ズドォンッ!!!!』
「ッッ!!!?」
瞬間、ブレイブの右腹部を暴走する大型車両のような衝撃が襲った。辛うじて《
その時点でようやくブレイブは自分が感じた衝撃が異様に硬く、そして二点に分散されていた事を理解した。そして直後、その衝撃の正体を視認する。
「!!! (イ、イノシシ……………!!?)」
「はっはっはっはっは!! 実に滑稽じゃのぉ、紙屑が如くに吹き飛びおるわ!! 先程迄のしたり顔も何処吹く風じゃのぉ!!!」
「!!」
口から槍のような二本の牙が生えた骨を被った緑色の四足歩行の獣。それがブレイブが直感的に収集し処理した視覚情報だった。ブレイブの脳内でその情報は『猪』という猛獣と結び付いた。緑色の猛獣は野太い声で余裕を無くしたブレイブを笑い飛ばした。そして直後、歩を進める。向かう先に居るのはフォラス達だ。
(一体何なの!!? 鳥に鬼に猛獣に…………!!! 一体何人居るの!? 皆フォラスの分身なの………………!!?)
「はっはっはっはっは!!! 愚鈍な勇者よ!! 先の貴様の『一人ではない』という嘯き、とくと味わうが良いぞ!!!」
「安心せい。直ぐに貴様も彼の飼い狐と同じ道を辿らせてやろうぞ!!!」
「否。此奴の首はガミラの魂と共に儂の刃で斬り落とすと決めている。」
「儂とて譲れんな。彼奴の五体は此の《ボルガー》の牙で挽き肉に変えてくれる。」
骨を被っているという唯一の共通点以外、種族も外見も異なる四体の魔物が異なる声でありながら同じ口調で話す。ブレイブにはその光景が極めて異様に映った。
「よ、四人になったからなんだって言うの!!? 元は一人のスライムでしょ!? その消化液も攻撃も私の
「否、
「!!!?」
その発言と共にフォラスは自らの身体を二つに切り離した。直後、下半身に相当する部分が青色に変色しそして姿を変える。魚の頭部のような骨を頭部に被り、全身が鱗に包まれ、蛇のように長い身体と細くも鍛え上げられた腕が生えた異様な怪物がその姿を現した。
ブレイブは何処か他人事のような感覚で新たに現れた魔物が『細長い魚のようだ』という印象を抱いた。
「………………!!!」
「お初にお目にかかる 勇者キュアブレイブ。儂の名は《ネシア》。此れより貴様を海の藻屑と変える者の名である。」