転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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406 ブレイブvsフォラス 再び!! 悪魔のスライムの新たな能力!!! その⑥

キュアブレイブもとい夢崎蛍はギリス達に進言した。次にフォラスと相対した時は自分が戦うべきだと。一見慢心に聞こえるその意見だが、誰も異を唱える事は無かった。ブレイブに備わった《堅牢之神(サンダルフォン)》と《肉球之神(バステト)》がフォラスの消化液の対抗策として有用だと皆一様に判断したからだ。

しかし蛍のその意思を肯定するという事は即ち自分達がフォラスと戦う事を想定しなくなるという事に蛍達は誰も気付かなかった。(キュアブレイブ)は自分がフォラスを取り逃がす事は無いと、無意識の内に高を括っていた。蛍はフォラスの力量を見誤った。ましてやフォラスから四体の分身が現れるなどと夢にも思わなかった。

 

*

 

自らが生み出した四体の分身に悪戦苦闘するブレイブの姿は果たして、フォラスの精神を高揚させた。先のツーベルクでの戦いでは分身という手札を伏せ、ブレイブに自分の強さの程を誤認させた。それはブレイブが無意識の内に慢心し一対一での戦いに臨む行動を誘発する為の布石だった。

そしてブレイブの醜態にしてやったりと言わんばかりに口角を歪め、フォラスは言った。『フェリオの肉の味を堪能して来る』と。その一言は戦闘中のブレイブの耳に明瞭に届き、そして『フェリオを殺す』という意味に変換された。

 

「ま、待って!!!!」

 

フォラスの言葉の意味する所を理解した瞬間、ブレイブの精神は沸騰した。視界からは分身達の姿は消え、フォラスの下卑た笑みだけが映し出される。フォラスを足止めするという目的に全神経が注がれて、肉体はその目的を履行する為に全身全霊の力で駆動する。

しかし如何に視界を歪めようとも、如何に意識を捻じ曲げようとも、目の前に広がる現実は何一つとして変わりはしない。

 

「!!!」

儂等(・・)の邪魔はさせんぞ 勇者よ!!!』

 

ブレイブとフォラスの間にアギラとボルガーが割って入り、異なる声で全く同じ台詞を口にする。ブレイブは知る由も無い事だが、フォラスとその分身達は元々同じ肉体を共有している。故に口に出さずとも思考を伝え合う事が出来るのだ。その特性を最大限活用した連携は何者にも勝る。

 

「退いて!!!!」

「愚かなり!!!」

「!!?」

 

アギラとボルガーに刃を振るおうとした瞬間、横から煌焔が距離を詰め、手に持った刀を繰り出した。ブレイブはその攻撃を身を引いて躱すが、その一発で攻撃は終わらない。意識が煌焔に向いた瞬間、どこからともなく現れたネシアの強靭な尾が直撃した。

 

「!!! うぐっ………………!!!」

 

ネシアの攻撃を胴に受け、ブレイブの身体は地面に叩き付けられながら宙を舞う。地面に手をついて辛うじての着地に成功する。その視線の方向では煌焔とネシアが並んで追撃の準備を整えている。

 

「……………………!!!」

愚者(・・)キュアブレイブよ。ディスハーツに言われたであろう。退けと命じるのではなく退かす事でしか貴様の望みは叶わない!!」

「何じゃその面は。四対一の此の状況が不満か? 儂等は元々一人のスライム。故に卑怯もへったくれも無い。……と言えば屁理屈に聞こえるか? 聞こえた所で何も思わんがな!!!」

 

 

 

***

 

 

 

ブレイブがフォラスと交戦している最中、言うまでも無く、風妖精(エルフ)の里の各地では激戦が繰り広げられている。オオガイ達が最初に降り立った高台から数十メートル離れた地点では二人の男女(・・)が交戦していた。

 

「~~~~~~ッ!!!」

「馬鹿野郎が!! そんな枯れ枝みてぇな剣一本で俺の究極贈物(アルティメットギフト)を凌げる訳ァねぇだろうが!!!」

 

星聖騎士団(クルセイダーズ) 九番隊隊長ハニの剣ととダクリュールの爪がぶつかり合い、周囲に火花を散らす。ハニは自らダクリュールの足止めを買って出た。ダクリュールの言う通り、究極贈物(アルティメットギフト)を持たないハニには荷の重い役目だったが、彼女の心に一切の後悔は無かった。

 

「おらぁッ!!!!」

「んぐっ!!!」

 

ダクリュールの蹴りがハニに突き刺さった。辛うじて剣での防御に成功したものの、その防御の上から彼女の身体を吹き飛ばした。

 

「………………!!!」

「距離が開いちまったなァ!!? オルアァァッッ!!!!!」

「!!!!!」

 

ハニが意識を前方に向け直した瞬間にはダクリュールは既に体勢を低く構えて突進する姿勢を取った。次の瞬間にはダクリュールの渾身の突進がハニに直撃する。剣を防御の形で構えていた事が幸いし急所への直撃は避けたが、やはり彼女の身体はまたしても吹き飛んだ。

 

「んぐぅっ………!!! ク、《軟化クナリリース()》!!!」

「!」

 

ハニは背後の樹木に《軟化(クナリリース)》を掛け、己の衝撃を吸収した。しかし突進の威力は強烈である。彼女の口からは一筋の血が垂れていた。

 

「……………………!!!!」

「はっはっはァ!!! ようやく一発返せたなァ!! こいつがトリケラトプスのタックルだぜ!!!」

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