転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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407 風妖精(エルフ)の里の大乱戦!! 奮闘する戦ウ乙女(プリキュア)達!!! (前編)

星聖騎士団(クルセイダーズ)では地位や経歴よりもその実力が重要視される。それはまだ十代のハッシュやハニ、ソフィアなどが他の者を押し退けて隊長という職に就いている事からも明らかである。ハニも同様に入団してからは鍛錬を積み、その才能を開花させた。

そしてその才能は今、ダクリュールを相手に時間を稼ぐという形で日の目を浴びている。

 

*

 

ダクリュールは自身の突進で山程の体格を誇る大型の魔物を屠り去った経験を持つ。今回ハニを襲ったのはそれ程の代物である。しかしハニは明確に意識を保ってダクリュールに相対した。自分の全力の突進を以てしても命は疎か意識すら断ち切れないという事実に驚愕すると同時にその原因を論理的に分析していた。

 

(何発か撃ち込んで分かった。一言で言やあいつはキュアブレイブとは逆の強さを持ってんだ。

キュアブレイブは生意気にも究極贈物(アルティメット)をいくつも持ってるが基本の身体が成ってねぇ。逆にあいつは究極贈物(アルティメット)を持ってねぇが身体や技術が仕上がってる。でなきゃ俺の攻撃を食らって立ってられる訳がねぇんだ……………………。)

 

ダクリュールは目の前のハニを倒すべき敵と認識した。しかし一方でハニは現状の分析を中心に思考を巡らせていた。

 

(と、とりけらとぷす……………!? 何を訳の分からない(・・・・・・・)事言ってるの…………………!?

それに何で私にここまでこだわって攻撃して来るの!? 今は『配置に就く』事が先決の筈なのに………!! まさか、私を倒してからじゃないと発動出来ない作戦って事!!? それって……………………!!!)

 

ハニはダクリュールが自分に執拗に攻撃を加えて来る理由を『作戦の発動に時間が掛かるから』と推測した。この場で邪魔になり得る自分を確実に排除してから出ないと遂行出来ない作戦だと考えた。しかしそれは必ずしも自分達にとっていい報せでは無かった。

発動までに時間が掛かる作戦は重大な効果をもたらすと相場が決まっている。その事実を理解したハニの精神は更に引き締められた。何があってもダクリュールに負ける訳にはいかない と。

 

(なら、それなら尚更負けられない!!! 私が負けたらこの里に危険が及ぶなら、絶対に!!!)

「……………何を一人で勘ぐってんのか知らねぇが、どうせやる事は変わらねぇ。テメェ等が飽くまで俺達に歯向かうってんならなァ!!!」

 

 

 

***

 

 

風妖精(エルフ)の里 南区郊外。そこもまた戦場と化していた。

戦闘を繰り広げているのは戦ウ乙女(プリキュア) キュアカーベルとその従属官(フランシオン)、タロスとエミレである。ギリスの提案によって三人一組のチームを組んだ彼女達の、これが最初の実戦であったがまるで何年も前から訓練を積んでいたかのような連携を見せた。

しかし、彼女達の表情は明るくは無かった。その理由は自分達の攻撃が全く敵に届いていなかったからだ。彼女達は別のもの(・・・・)と戦っていた。

 

「七時の方向!! 次弾来ます!!!」

「タロスさん、防御を!!!」

「ウス!!! 《影之龍王(バハムート)》!!!」

 

エミレが状況を分析しカーベルが指示を飛ばしタロスがそれを履行する。それまでの時間に一切の無駄は無く、影之龍王(バハムート)は敵の攻撃から三人を守った。

それは、敵の贈物(ギフト)によって作られた(・・・・)大岩だった。

 

『うぐぅっ………!! オ、重テェ………………!!!』

(マジか。そんな大岩を幻覚(・・)で………………!!!)

(…………俄かには信じ難いですね。私の常識を覆す事態ですよ。)

(噂には聞いていましたが、あれがホタルとリナを追い込んだ男………………!!!)

 

三人の意識は上空(・・)に向いていた。他でも無いそこに敵が居るからだ。その敵は背中に生やした翼を羽ばたかせ、苦戦する三人をほくそ笑んで見下ろしていた。ダルーバの姿がそこにはあった。

 

「三人固まって動かないなんて自分から絶好の的になってるも同然だよ。なら次はその気持ち悪いドラゴンごとまとめて串刺しにしてやるよ。

幻覚之神(アザゼル)》!!!」

『!!!!』

 

ダルーバの目が不気味な金色の光を発し、三人の上空に突如として凶器(・・)が現れた。それは身の丈程もある槍だった。その槍は何本もあり、その切っ先を三人に向けていた。

ダルーバが手を振り下ろすと、槍はまるで意思を持っているかのように三人に向かって突撃した。それは幻覚だが、受ければその生命にも危険が及ぶ。

 

『ダ、駄目ダ!! 数ガ多スギル……………!!!』

「《旋風之神(ミカエル)》!!!」

「!!」

 

タロスの影之龍王(バハムート)では力不足と判断するや、《旋風之神(ミカエル)》の風を周囲に展開した。槍はその風の流れに巻き込まれ、周囲に散って消える。その現象こそが槍が本物ではない証拠だ。

風が晴れ、カーベルとダルーバは互いの目を見合う。両者共に相手を脅威と認識していた。

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