転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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41 よみがえる記憶! キュアグラトニー 爆誕!!!

「リルア………・ナヴァストラ………ダト………? マサカ………!!!!」

 

彼女が名乗ったその名前に聞き覚えがあった。

確か ヴェルダーズが昔 葬ったと言っていた人物にそんな名前があった。

 

信じてはならない事だと思った。しかし、そうでなければ今 目の前でこの少女がチョーマジンを屠り去った説明がつかない。

 

「リルア、とうとう思い出してくれたか!!!

私が分かるか!!?」

「……あぁ。ギリス 全て思い出したのだ!!

あの時 ワタシの身に何が起こったのかも 自分が何者なのかも 全てな!!!」

 

ギリスは涙を抑えることで精一杯だった。

ようやく 何年も続けていた隠遁生活が報われたのだ。ようやく何年も離れ離れだった同士にこうして会えたのだ。

 

「ラジェル、聞こえるか!!?

たった今 リルアの記憶が戻ったぞ!!!」

 

ギリスがラジェルを呼び出し、声高に伝える。

 

ブレーブにはよく聞こえなかったが、ラジェルも喜んでいることは考えるまでもなく分かった。

 

自分が交戦中だということも忘れ、ギリスの喜びを感じていた。

 

「それからギリス、ラジェルが言っていたあの戦ウ乙女(プリキュア)の話だが、

 

喜んで受けようではないか!!!

憎きあのヴェルダーズを倒す戦士の一員、このリルア・ナヴァストラが請け負った!!!!!」

「その言葉を待っていたぞ!!!」

 

ギリスとリルアの間の空間から、蛍の物とは違うブレイブ・フェデスタルが現れた。

リルアの手には既に剣が握られている。

 

「何にも遠慮はいらない。

今までの鬱憤を込めて思いっきりやれ!!!!」

 

ギリスに頷き、リルアは高らかに叫ぶ。

フェデスタルの隙間に剣を差し込んだ。

 

《プリキュア・ブレイブハート》!!!!!

 

 

リルアの体が赤色の光に包まれた。

その髪が濃い赤色に染まり、束ねていたテールも長く伸びる。

 

今この時、2人目の戦ウ乙女(プリキュア)が産声をあげた。

 

 

 

 

 

燃え上がる 魔王の力

 

《キュアグラトニー》!!!!!

 

 

***

 

 

「リ、リルアちゃん……!!」

「やっと 戦ウ乙女(プリキュア)が見つかったファ!!!」

 

2人目の戦ウ乙女(プリキュア)の誕生にブレーブとフェリオも喜んだ。

 

「オノレ 小癪ナ………!!!!

コウナッタラ私ガ 直々ニ!!!!」

 

コキュートスが槍を振り上げると、ハッシュがそうはさせまいと背後から組み付いた。

 

「貴様ァ!!」

「残念だけど今の僕には君の足止めくらいしかできない。

だけど彼女の邪魔はさせない!!!」

 

コキュートスは業を煮やし、チョーマジンに激を飛ばす。

 

「2人トモココデ始末シロ!!チョーマジン!!!!」

 

コキュートスによって残りの魚 2匹はブレーブに強襲した。

反応が一瞬遅れてブレーブの体勢が崩れた。

 

 

ズドォン!!!! 「!!!!?」

 

グラトニーがチョーマジン 2体を蹴り飛ばした。さっきのように首が飛ぶことはなかった。

 

2体は対岸の木に激突してグロッキーになる。

 

「キュアブレーブ、ホタル・ユメザキ。

頑張らせてしまったな。後はワタシに任せろ!!!」

 

グラトニーが自信満々にそう言った。彼女は既にチョーマジンは解呪(ヒーリング)の対象であると分かっているようだ。

 

「だいぶ鈍ってしまったからな。

リハビリと景気づけに本気でやらせてもらうぞ!!!!!」

究極贈物(アルティメットギフト) 増幅之神(サタナエル)が発動しました。』

 

グラトニーの体からエネルギーが迸る。

ブレーブが押しつぶされそうになる程だった。

 

 

増幅之神(サタナエル)

悪魔系 究極贈物(アルティメットギフト)

能力:力を込めて自らのエネルギーを増幅させる。

 

「本気で行くのだ!!!!!」

 

グラトニーが手をかざして魔法陣を展開し、そこにブレイブ・フェデスタルを乗せた。

ブレーブが乙女剣(ディバイスワン)にフェデスタルを使うように、あれが彼女の使い方なのだろう。

 

「食らえェェェ!!!!!」

 

魔法陣から無数のレーザーがチョーマジンに向けられた。

 

かろうじて身をかわすが、避けた先には既にグラトニーが回り込んでいた。

 

「終わりだ!!!!」

 

グラトニーが2体を蹴落とした。地面に叩きつけられて再びグロッキー状態になった。

 

「終わらせようか!!!

 

解呪(ヒーリング)!!!!!」

 

グラトニーの両手に解呪(ヒーリング)の力が溜まっていく。

 

 

《プリキュア・グラトニーイレイザー》!!!!!

 

グラトニーの両手から放たれた光は2体のチョーマジンを一瞬で小魚に戻した。

決着がついたのだ。

 

 

 

 

「マサカ コンナコトガ……!!

仕方アルマイ!!!」

 

見入っていたハッシュの拘束から脱出し、コキュートスは距離をとった。

 

「逃がすか!!!!」

 

グラトニーはそれを見逃さず、コキュートスに追い討ちをかけようとした。しかし、その前に変身が解かれた。

 

解呪(ヒーリング)を使った体が玄海を迎えたのだ。

 

豪雪之神(オカミノカミ)!!!」

コキュートスの前方に巨大な雪の壁が作られた。

 

多勢に無勢。コキュートスが撤退したことは明らかだった。

 

ブリザードが晴れ、雪の壁が無くなった後にはコキュートスの姿はなかった。


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