転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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410 私は不完全!? キュアレオーナvsディスハーツ!!! (回顧)

「? どうしたミーア。食欲無いのか?」

「えっ? あぁいや別に。ただ、もうすぐ(・・・・)だなって思っただけで━━━━」

 

時は現在から数ヶ月程遡る。場所は《ミンク村》に建つ一軒家のリビング。時は日が傾き始めた夕食時。

ならば当然の成り行きとしてそこでは夕食の整えられていた。その家の表札には、レオアプス(・・・・・)と書かれていた。

 

「そうね。でも別に緊張するような事じゃないわ。この里で生まれた人は皆大人になったら村を出るもの。」

「! うん……………。」

 

ミーア・レオアプス。現在は戦ウ乙女(プリキュア) キュアレオーナというもう一つの顔を持つ獣人族の少女。

しかし彼女は元々は冒険者を目指して故郷を出た。戦ウ乙女(プリキュア)という道を選んだのは彼女自身の選択だが、その切っ掛けはギリス達のギルドを偶々志望したという天文学的な偶然である。

即ちこの夕食の一幕はミーアがギリス達と出会う前の話である。しかし戦ウ乙女(プリキュア)となった今、ミーアはこの夜の事を何度か思い起こす。それは両親、父 グルガ・レオアプスと母 サマラ・レオアプスから言われた言葉が心に残っているからだ。

 

「ミーア。父さんも若い頃は魔物と戦っていたんだ。その経験から一つ言わせてもらうとだ、世界は広いって事だ。絶対にお前と分かり合える掛け替えの無い仲間に出会える。そうなったらもう大丈夫だ。」

「そうね。それに辛くなったらいつでも帰って来て良いのよ。だってこの村は他でも無いミーアの故郷で、ここはミーアの家なんだもの。」

「………………! うんっ!」

 

その言葉でミーアは本調子を取り戻し、胸にはまだ見ぬ世界への期待が膨らんだ。

 

*

 

ブレイブこと蛍にはフェリオが居る。フォースことリナにはヴェルドが居る。グラトニーことリルアにはリズハが居る。その事実にミーアは焦りを覚えていた。

元々その性質(・・・・)を合わせ持つカーベルことフゥは例外として、自分には、戦ウ乙女(プリキュア) キュアレオーナには相棒たる戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)が居ないのだ。特に豪華客船 グランフェリエにて新たにリズハが加入した時には少なからず驚愕した。無論それはリルアに妹が居たからだけではなく、リルアに媒体(トリガー)が生まれたからだ。

 

更にグランフェリエから帰還して、ギリスの提案でギルドが複数のチームに分けられた事でその焦燥感は実像を結んだ。無論、ギリスに微塵も悪気が無かった事は十分に理解している。しかしミーアのチームの媒体(トリガー)が空席と扱われた事実は少なからず彼女の心を揺さぶった。それは誰を責めるでもなく、自分が他と比べて力が劣っていると指摘された気がしたからだ。

ギリスはその時、『焦らなくても良い』と言ってくれた。その言葉で彼女の心の負担は幾許か軽くなったが、同時に自分を低く見られているような下衆な勘繰りをしていた自分が居る事を否定出来ないでいる。

 

詰まる所、一言で言うならばミーアは、キュアレオーナは、仲間の役に立てないでいるのがどうしようもなくもどかしいのだ。

 

 

 

***

 

 

グランフェリエでのリルア達との一時は掛け替えの無いものだった。チームを組む事になったマキは今では大親友と呼べる仲だ。そしてこの風妖精(エルフ)の里での宴、蛍との二人きりでの一夜は掛け値無しで楽しかった。その全てに噓偽りは無い。

しかし心のどこかでこのままではいけないという焦燥と使命感が入り混じった感情が渦巻いていた事もまた事実だった。そしてその使命を後回しにしていた代償は今、風妖精(エルフ)の里にて支払われようとしている。

 

レオーナは今、マキと共にディスハーツと交戦している。その戦況は悪く、打開策を見出せていないのが現状だ。

 

 

「クッ!!!」

 

ディスハーツが操る刃物が三本、高速で飛んで来る。ミーアはそれを正確に矢で撃ち抜き、空中で撃ち落とした。しかしこれをいくら繰り返したところでディスハーツは痛くも痒くもない。レオーナは体力を削って矢を生成している。しかし一方で贈物(ギフト)で刃物を操るなど、彼にとっては指を動かす程度の疲労にもならない。

 

「………………!!!」

「先程から不可思議ですね。《狙撃之王(ロビンフッド)》の能力がありながら馬鹿正直に狙いを定めるのは何故です? もしや狙いを定める事で贈物(ギフト)の負担を減らしているのでしょうか?」

「!!」

「成程成程。よもやそこまで追い込まれていたとは。どうやら運は私に向いているようですね。

あなたの精魂が尽き果てるのが先か、それとも体力が底を尽くのが先か。どちらにせよ私の勝利は揺るぎないようですね!!!」

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