転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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414 私は不完全!? キュアレオーナvsディスハーツ!!! (顕現)

ミーアがギリス達のギルド《勇気デ戦ウ乙女達(ブレイブソウルプリキュア)》に志願したのは全くの偶然である。今となっては英雄レイン・クロムウェルの血筋に引き合わされたとも、これが運命付けられていたとも言う事は出来る。

しかし、故郷の村を出て志願者募集中のギルドの情報を張り出していた掲示板を見ていた時の彼女に戦ウ乙女(プリキュア)になる未来など微塵も思い浮かべていなかった事もまた事実である。

 

自分は戦ウ乙女(プリキュア) キュアレオーナとして戦う覚悟などとうに固めていたとそう信じて疑わなかった。しかし風妖精(エルフ)の里にて体力を使い果たし、地面に膝を突いている醜態を指摘し、違う穏やかな未来があった事を諭す人物が居た。

彼の名はディスハーツ。レオーナは彼の指摘を事実として認めている、戦ウ乙女(プリキュア)としての覚悟を否定する自分が居る事に心底驚愕した。

 

*

 

「……………………!!!」

「肯定する気は無くとも否定も出来ない、といった表情()ですね。では貴方に最後のチャンスを与えるとしましょう。

今すぐに風妖精(エルフ)の里から退散し、この戦いから手を引くと誓うのです。そうすれば貴方を見逃すと約束しましょう。」

「!!!!」

 

それは、少なくともディスハーツにとってはレオーナに歩み寄った提案だった。本来なら自分に関わる事も無かった里の面々やギリス達と自分の命を天秤に掛け、どちらを取るかと提案した。決して悪くない話だと、ディスハーツはそう考えた。

 

(そ、そんな事………………!!!)

「する訳無いでしょう そんな事!!!」

「!! マキ!!!」

 

レオーナとディスハーツの間にマキが割って入った。彼女の口から発せられた否定の言葉にディスハーツは顔を顰める。

 

「マキ・マイアミ。私は今レオーナと話をしているのですよ? 貴方の回答など求めていません。

とは言え、貴方にも同じ問いをする必要はありそうですね。レオーナを連れて私の前から立ち去るなら、これ以上ては出さないでおきます。」

「だから乗る訳無いと言ってるでしょう!!! ホタル達もこの里に居る皆も、私達の大切な友達になった!! その友達を見捨てて逃げるくらいなら最後まで戦います!!!」

 

その言葉と共に、マキは地面を蹴り飛ばしてディスハーツとの距離を一気に詰めた。掌に発生させた《爆破之神(カグツチ)》の炎を練り上げ、刃を形成する。最短距離で狙うのは彼の心臓だ。

 

(最小限の動きと力で急所を狙う!!! これなら!!)

「通用する、とでも?」

「!!!」

 

ディスハーツは余裕の笑みと共に淀みの無い動きで上半身を引き、マキの突きを躱した。レオーナの解呪(ヒーリング)によって増々彼の動きは洗練されている。

それだけではなく、マキの指先に自分の指を伸ばした。

 

「貴方のような女性には戦場より指輪の方がお似合いです。プレゼントしますよ。

尤も、金属製の安物ですがね!!!」

「!!!」

 

マキは自分の指に灰色の粉が纏わり付き、指輪が形成される光景を見た。そして次の瞬間、その視界が大きく揺れる。それがディスハーツに背負って投げられたからであると理解したのは背中に衝撃を受け、彼の姿を見た後だ。

 

(こ、こんなに簡単に投げられるなんて━━━━)

「!!?」

 

即座に戦線に復帰しようとしたマキだったが、手が壁から離れなかった。視線を送ると、先程はめられた鉄の指輪と、森の木の幹に埋め込まれた鉄の塊が吸着している。

 

(いつの間にこんな所に鉄の塊を!? それに磁力を与えて………………!!!)

「!!!」

 

離れない手から前方に視線を送ると、ディスハーツが両手を自分の方に伸ばして構えていた。その目は明らかにマキの命を狙っていた。そして次の瞬間、彼の両腕から稲光が発生した。

 

「実は私、元々は雷魔法の使い手だったです。そして私の両手の間に小さな金属の塊を作り出す。すると何が起こるか………………。」

『!!!!』

 

レオーナ達はディスハーツの言っている事を理解出来なかったが、それが今までで最強の攻撃である事は容易に理解出来た。

電磁之神(アルゲース)》の磁力に雷魔法を付与すると、螺旋状の強力な磁界が発生する。その内部に金属を装填する事によって加速させ、必殺の弾丸に変える。

ヴェルダーズはこの技に、《電磁砲(レールガン)》という名前を与えた。

 

「や、止めてぇッ!!!!」

「!?」

「レオーナ!!!」

 

ディスハーツの必殺の一撃によってマキの生命が破壊される。その未来を察知したレオーナは血相を変え、懇願する一言を発した。しかし彼の心には届かなかった。

 

「今更何を片腹痛い事を。私は先程、確かにチャンスを与えましたよ。それを無碍にしたのは貴方方です。

身の丈に合った依頼を見抜く目を養う事など、常識中の常識です。それが出来ない者は死んでいくだけなのですよ!!!!」

『!!!!!』

 

ディスハーツの必殺の一撃が放たれた。彼とマキの間に眩い光の柱が発生した直後、轟音と共に爆発が起こった。直撃を受け、マキの身体は跡形も無く消し飛んだ。その光景を爆炎の中に思い浮かべ、ディスハーツは不敵に口角を上げた。

 

「ア、ア、ア、ア

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

「そう五月蠅く吠えずとも直ぐに後を追わせてあげますよ。」

 

マキの死を目の当たりにしたレオーナは沸き起こる感情を口から吐き出す事しか出来なかった。止めを刺さんと迫って来るディスハーツも最早気にも留めず、ただ己の不甲斐なさを嘆いた。

 

(こんな、こんな事で終わっちゃうの!!!?

何が戦ウ乙女(プリキュア)!!? 何が冒険者!!!? 自分は、友達の一人も守れない!!!!!)

『ソンナコト無イヨ。』

『!!!!?』

 

その時、レオーナは声を聞いた。脳内に直接、子供のような優しい声が入って来た。レオーナは反射的にマキが居た方向に視線を送る。ディスハーツもその方向に只ならぬ気配を察知して振り向いた。

 

「………………マ、マキ!!!!!」

「何ですって………………!!!?」

 

マキはディスハーツの必殺の一撃を受けても尚、無傷だった。その理由は彼女を守った者が居たからだ。その者は人間では無かった。マキの身体に巻き付き、ディスハーツが放った弾丸を噛み砕いていた。

それは三つの首を持った巨大な獣、ケルベロスだった。

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