転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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415 七人の眷獣媒体(トリガー)!! チームレオーナ完成の時!!! (前編)

ディスハーツの必殺の一撃からマキを守った謎の巨大な獣。その存在に一番驚いたのはレオーナだった。つい先程聞こえた自分の卑下を否定する言葉は目の前の獣が発したのだと理解した。

そしてディスハーツもまた自分の一撃が完璧に決まった未来を覆され、心中穏やかでは無かった。自分の眼前に居る獣が自分の脅威に成り得る存在である事は瞬時に察知した。

 

(あれは、ケルベロス!!? 馬鹿な!! あんな巨大な魔物が生息しているなどという情報は確認できなかった!!!

まさか、そんな事が……………………!!!)

 

ディスハーツは己の動揺を抑え込み、目の前の不審な獣の正体の分析に全神経を注いだ。程無くして一つの結論に達する。それは彼にとって非常に不条理なものだった。

レオーナも同時に、全く同じ結論に辿り着いていた。

 

(あんな魔物、テイムした覚えも無いし、《従属之神(アルテミス)》だって一度も使ってない!! それって……………!!!)

『ソウダヨ、ミーア。』

「!!!?」

 

瞬間、レオーナの周囲には先程までの風妖精(エルフ)の里の森の中とは全く異なる空間が広がっていた。木々も建物も一切なく、ただ真っ白な空間が果ても無く続いている。常識外れの変化だったが、レオーナはその現象を既に一度経験していた。

 

「こ、これってまさか、あの女神様の━━━━━━━━!!!」

 

レオーナは周囲の光景を見渡し、その視覚情報を過去の記憶と照らし合わせる。即座に過去の経験は思い起こされた。自分が初めて戦ウ乙女(プリキュア)になる直前、ハジョウ達の攻撃からミーアを守る為に女神ラジェルが彼女を転送した空間に酷似していた。

 

『イツマデボンヤリシテンダヨ、ゴ主人。』

『ソウヨソウヨ、シッカリシテ欲シイワネ。』

『!!!』

 

周囲の変化に気を取られていたレオーナの背後から声が聞こえた。幼くも低い少年の声や甲高い女性の声だ。半ば反射的に背後を振り向き、視界に飛び込んで来た光景にレオーナは目を見開いた。

簡潔に言うならば、そこに居たのはレオーナが見上げるような巨体を持つ六体の魔物だった。

 

一体は猛禽類の顔と翼、そして猛獣の身体を併せ持った魔物。

一体は槍のように細長い角を額に生やした馬の魔物。

一体は天使のような白く透き通った翼を背中に携えた馬の魔物。

一体は全身に赤い炎を纏った鳥の魔物。

一体は獅子と山羊の顔を持ち、蛇の尻尾を生やした魔物。

一体は鶏の身体に臀部から蜥蜴の尻尾を生やした魔物。

 

それら六体の魔物がレオーナの前に立っていた。レオーナはその六体の魔物の名前を全て知っていた。

 

(グリフォンに、ユニコーンに、ペガサスに、フェニックスに、キマイラに、バジリスク………………!!!?)

「あ、あんたらは、まさか………………!!!」

『チョットチョット、ソンナヨソヨソシイ話シ方シナイデヨ。』

『ソウダヨ、僕達ハズット君ノ側ニイタノニ。』

「!!?」

 

人間すら捕食対象と見做しそうな迫力を持つ魔物達の口から子供のように穏やかな声が発せられる。その不自然さに調子を崩されそうになるレオーナだったが、どうにか気を持ち直して問い掛ける。

 

「あ……、いや、君達はまさか、自分の戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)……………!?」

『ソウダヨレオーナ。君ガ強クナッテクレタオ陰デヤット会エタンダ。』

「!!? 強く!? 何を言って…………!!」

 

魔物の内のペガサスが顔に笑みを浮かべ、レオーナに語り掛けた。しかしレオーナの表情は明るくならなかった。言われた事を肯定出来なかったからだ。

ペガサスの背後から、今度はグリフォンが口を開いた。腕白な少年のような声だ。

 

『オイ、モウコノ空間モ限界ダゼ。』

『本当カイ、ジャアレオーナ、君ヲ今カラ現実ニ戻スヨ。

君ハ一人ジャナイ。マシテヤ弱クモナイ。ソレデモ不安ナラ、僕達ノ名前ヲ呼ンデ欲シイ。』

「!!? それって━━━━━━━━」

 

その言葉を言い終えるよりも早く、レオーナの視界は明るく白んでいった。直後、現実世界に戻る。

 

 

 

***

 

 

「━━━━━━━━ハッ!!!」

 

レオーナの視界は先程までの白い空間から元の森の中へと戻った。眼前にはディスハーツ、更にその向こうには身動きを封じられているマキと彼女を守っているケルベロスの姿が変わらずにある。

レオーナの意識は目の前の光景では無く、直前ペガサスに言われた言葉に集中していた。

 

(あのペガサス、『名前を呼べ』って言った!!? そんなもの、知ってる訳が━━━━!!!)

「レオーナ!!! 前っ!!!!」

「!!!?」

 

レオーナの意識はマキの決死の言葉によって強制的に引き戻された。眼前ではディスハーツが両手を伸ばし雷魔法を込めている。先程と同じ必殺の一撃、《電磁砲(レールガン)》を撃ち出す構えだ。

 

「あの魔物への疑問は尽きませんが、貴方が危険な存在になりつつある事は十分に分かりました。先に貴方の首を貰い受けるとしましょう!!!」

「レオーナ!!!! 逃げて!!!! 逃げてぇ!!!!!」

「!!!」

 

マキの必死の呼び掛けは、レオーナの耳には完全には(・・・・)届かなかった。その言葉を掻き消すように彼女の脳裏にある情報(・・・・)が流れ込んで来たからだ。

 

(いや、分かる!!! 自分はあの子達の名前を呼べる!!!)

「レオーナァ!!!!!」

「今度こそ終わりです!!!!!」

 

ディスハーツの両手から眩い光の柱、必殺の一撃が放たれた。直撃すれば即死は免れないその一撃を前にしてレオーナは何ら動揺していなかった。自分達(・・・)はその攻撃を凌げると確信していたからだ。

絶対的な確信と共にその名前(・・・・)を叫ぶ。

 

「来い!!!! 《フェフミリア》!!!!!」

『!!!!?』

 

瞬間、レオーナの周囲を赤い炎が覆い尽くしディスハーツの一撃を防いだ。

爆炎が晴れた後、レオーナの背後には一体の巨大な魔物が居た。全身に炎を纏った鳥の魔物、フェニックスだ。

 

『フッフッフ。次ハ私ッテ訳ネ。良イワ。存分ニ暴レテアゲル!!!』

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