転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
自分がいつの間にか弓兵になってしまっている事を、キュアレオーナは薄々感じていた。そしてその事実に危機感を覚えてもいた。
その理由は弓兵という人間には明確な弱点が存在しているからだ。それは矢が尽きれば戦力が著しく低下する事、そして矢を警戒されれば攻撃が通じにくくなる事だ。幸運なレオーナは前者の弱点を克服する事が出来た。そして今、彼女は後者の弱点を克服しようとしている。
*
(矢を撃つだけじゃこの人には勝てない。矢はもう何本も防がれてるし、こっちは打つ度に消耗する。
自分は矢を撃つだけの
レオーナは自らの弱点を克服する方法を掴みかけている。彼女が今持っている弓はブレイブの《
眼下のディスハーツを見詰め、己の脳内で思い描いた戦法を実行させる決意を固める。
『………マキ、この高さから飛び降りて無事でいられるっスか?』
『えっ? そりゃ着地は出来るだろうけど………』
『なら自分に賭けて欲しいっス。次の作戦に行くっスよ!!!』
この会話はディスハーツには聞こえていない。ディスハーツは次の攻撃を防ぐ事に全神経を注いでいた。自分の最大火力が防御される以上、受けに徹するより方法が無い。しかし彼は見誤っていた。次も今までと同様に矢が飛んで来ると決めて掛かっていた。
「来い!!! 《ケルギラ》!!!」
『!!?』
レオーナは声高にそう、自分の
(あれは、先程のケルベロス!? 何故ここで!?
滞空能力の無い獣では地面に落下するまで無防備になる筈なのに━━━━)
「ッ!!?」
空中でのケルベロスへの切り替えという余りに不合理なレオーナの行動にディスハーツは一瞬気を取られた。しかし直後、それが
これから上空で自由落下に囚われて無防備になるであろうレオーナ達に攻撃しようとした所で彼は自分の両腕が動かない事に気付いた。視線を送ると、彼の上半身には一本の紐が巻き付いていた。
(これは、レオーナの弓の弓弦!! 一方を解いて私に巻き付けたのか!!
あのケルベロスへの切り替えはこれを悟られない為の囮!!!)
「!!」
レオーナの弓は理論上は自由に変形させる事が可能である。今回、レオーナは弓弦の一方を解き、それをディスハーツに届くまでに
「マキ!! 頼むっス!!」
「任せて!! 《
「!!!」
レオーナはケルギラから飛び出し、ディスハーツ目掛けて急襲を掛ける。マキはそれに完璧にタイミングを合わせて《
爆風は推進力に変わり、レオーナの身体を更なる速度へ押し上げた。弓弦でディスハーツを拘束しつつ攻撃への道標の役割を与える。その上での一撃がレオーナの狙いだった。
「うりゃああっ!!!!」
「小癪!!!」
『ガッ!!!』「!!!」
レオーナは上半身の自由を奪われたディスハーツの顔面へ目掛けて拳を放った。しかしディスハーツは身体を翻し回し蹴りの要領でレオーナの拳を受け止めた。
「クッ!!!」
「とんだ小細工をしてくれたものですね!! 弓兵の貴方が不用意に近付いてどうすると言うのです!?」
「自分は弓兵なんかじゃないっス!!! 自分は
「戯言を!!!」
*
レオーナは己の作戦を実行し、ディスハーツと衝突した。それを見てマキもケルギラから飛び降りる。しかしその方向はレオーナの援軍に向かう方向ではなく、その反対方向だ。その行為を要求したのは他でも無いレオーナだ。マキはつい先程、レオーナから言われた言葉を思い起こしていた。
『マキ、自分があいつとぶつかったら、隙を見て反対に飛び出して他の所を助けに行って欲しいっス。ここからは自分があいつと戦うっス!!』
(信じて良いんだよねレオーナ。お願いフェフミリア、他の皆、レオーナを守って。絶対に負けないで!!)