転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
「……ここは……どこなのだ………?」
リルアは目を開けた。自分は今 ベッドに寝かされていて、どこかの天井が見える。
「あ!ギリス!! リルアちゃん 起きたよ!!」
「そうか! なら早くこれを飲ませろ!!」
少女の声と親友の声が聞こえた。
その少女がやってきた。手にはコップが握られている。リルアはそれを1口飲んだ。
「うぅ………体中が痛いのだ………」
「
蛍は既に何回も
「リルア、目が覚めたか。大丈夫か?」
奥からギリスもやってきた。自分を心配してくれているらしい。
「ギリス、ここは……」
「ここは俺たちが使ってる宿屋の部屋だ。
お前、あの後一向に起きないから死んだと思ったんだぞ。大丈夫なのか?」
「うん。体はズキズキするけど 大丈夫なのだ。」
蛍はこの会話から彼女の口調の変化を再確認していた。初対面の時に見せた現代っ子のような言葉遣いとはうって変わり、いつかのアニメで見たロリババアのような言葉遣いだ。
これが本来のリルアなのだろう。
魔王 リルア・ナヴァストラ。これから長い付き合いになるのだ。
***
蛍達はリルアと一緒に彼女が暮らしていた施設に足を運んでいた。
「何!!? お前、彼女が人間族じゃないと知ってたのか!!!?」
「落ち着いてください。
というのも、
彼女が倒れていたのはつい最近、その姿でなんです。記憶を無くした状態でね。それで私は、彼女が生まれた時からこの施設にいると教えてここで面倒を見ていたんです。
嘘をついてごめんなさい。」
施設長の女性が座ったままで頭を下げた。
「いや、俺は怒っている訳では無い。
むしろ行き倒れていた俺の友を匿ってくれたこと、心から感謝している!!」
「そう言ってもらえると気が楽になります。
しかし、まさか 魔王だとは夢にも思いませんでした。
なぜ そんな人物が記憶喪失になっていたんですか?」
「それは 答えられない。強いて言うならある人物に命を狙われた としか言えないな。」
施設長とギリスとの話を聞いていると、施設長が蛍に質問した。
「それで、リルアちゃんはどうするんですか?」
「彼女には私たちのギルドに入って貰います。彼女にはそれだけの力がありますから。」
「そうですか……なら、あなた達を信じましょう。」
蛍達はリルアを連れて施設と施設長に別れを告げた。
これから【
***
「ねぇギリス、ホントにこれからどうするの?」
「実を言うとまだ決まっていないんだ。リルアを探し出すのに精一杯で、その後を考えてなかったんだ。」
蛍達はリルアを連れて街中を歩いていた。
「まあ、そんなことは良いではないか!
今はこうして再び会えたことを喜び合うべきだ!」
「それなら既に済ませている。」
しがみついてくるリルアをギリスは流した。
「それにしても蛍、ヴェルダーズと何の関係もないのに
「そんなのいいよ!私は自分で命を助けたいって思ってやってるだけだから。」
リルアは蛍にも接してくる。
「それからワタシ達はもう 友達と言うより………
マブダチだよな!!!!」
「わかった わかったからそんなにしがみつかないでよォ。」
リルアは無邪気な笑顔を浮かべ、蛍の背に抱きついた。蛍も嫌な顔はせずに笑っていた。
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コキュートス………
お前ともあろう男が逃げ帰って来るとはな…………………。
「申シ訳ゴザイマセン!!! ヴェルダーズ様!!!
コノ失態、死ヲモッテ償ウ覚悟デコザイマス!!!」
コキュートスが頭を跪き、頭を下げていた。
その前にあるのはヴェルダーズの座る玉座だ。
それはよい………
それより 今の話は本当なのか?
あの魔王 リルア・ナヴァストラが生きていたというのは…………
「本人ガソウ言ッテイタノデ 間違イ アリマセン。証拠ノタメニ結晶ニ 記録シテオキマシタノデ、 確認ヲオ願イシマス。」
うむ。後でやっておく。
…しかし………ギリスに続いてリルア・ナヴァストラまで生きているとなると………いよいよまずいことになるな………。
コキュートス、皆にも気を引き締めろと伝えろ。それでこの失態のことはなしにしておく。
コキュートスは頭を下げ、向こうに走っていった。ヴェルダーズ達は着々と戦力を整えていく。
そのことを