転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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422 その身に宿すは弓と眷獣!! 躍動する新生レオーナ!!! その⑤

「来い!!! 《アイラー》!!!」

 

ディスハーツの姿を森の中に捉え、レオーナはその名前を叫んだ。すると彼女が乗っていたペガサスの媒体(トリガー) ペンゴラノの姿が光に包まれ、新たな魔物が姿を現す。

獅子と山羊の顔、そして蛇の尻尾を併せ持った魔物 キマイラの姿をしたレオーナの戦ウ乙女之媒体(プリキュアトリガー)、《アイラー》が姿を現した。

 

『アイラー、あいつは君達(・・)射程距離(・・・・)に入ってるっスか!?』

『ウン!! 匂イデ分カル。アノ距離ナラ十分ナ威力ヲ食ラワセラレル!!』

『エェ!! アノニヤケ面ヲコンガリ焼イテヤルワ!!』

 

獅子と山羊の口からレオーナと同じような年若い少女の声が発せられる。アイラーは一人の身体に二人の女性の人格を持った媒体(トリガー)なのだ。

 

『森の中に逃げ遅れた人は居ないっス。遠慮無くぶっ放せるっスよ!!!』

『『ウン!!! ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!』』

 

アイラーの二つの口が開かれ、その中に真っ赤な魔力が集まっていく。レオーナはその魔力の属性もこれから起ころうとしている事も、アイラーと初めて会った時に理解していた。

 

『『ハアッ!!!!!』』

 

アイラーの口から二筋の炎が放たれた。その二つは混ざり合って巨大な業火となって森の向こうに居るディスハーツへ襲い掛かった。

 

 

 

***

 

 

 

目の前の視界を一面の業火が覆い尽くした瞬間、ディスハーツはレオーナが召喚獣を使い自分を森の中まで蹴り飛ばした理由を理解した。レオーナにとって、市民街という戦況は足枷になっていたのだ。チョーマジンの大量発生による混乱で未だに避難出来ずにいる一般人を巻き込むまいとする為にレオーナは派手な攻撃を出来ずにいた。

そして今、ディスハーツが森の中まで飛ばされた事でその前提は崩れた。相手がディスハーツのみになり、周囲に守るべき人々が居なくなったが故にレオーナはここまで大規模な攻撃が可能となった。

 

「クゥッ!!!」

 

ディスハーツは魔力を練り固め半円形の魔力の盾を展開し業火を防いだ。炎の直撃を免れても身を焦がすような高温が身体を襲う。しかしその状況下でもディスハーツは冷静に現状を分析しようとしていた。

 

(この炎は先のフェニックスのもの!? いや、それにしては火力も高いし範囲も広い!!

まさか、フェニックスとは別に炎を操る召喚獣が居るとでも!? レオーナはこれを狙っていた……………!!?)

 

程無くして炎は収まり、周囲に広がる焼け野原が鮮明に映った。ディスハーツは本当にこれがレオーナの秘策だったかどうかを疑問に思いながらも圧倒されていた。キュアレオーナという少女の自分に対する執念に。

 

(まさか木々を犠牲にするような策を彼女が取るとは……………!!!

しかしこれを凌いでもまだ安心は出来ない。必ず彼女は私の状態を確かめる為にここまで来る!! それに何よりレオーナの次の策に備えなければ……………)

『━━━━ガサガサッ』「!!!」

 

レオーナの次の行動を予測しようとしている時、彼の耳に後方の草木が揺れる音が届いた。それを耳にした瞬間、咄嗟に行動を起こす。レオーナの存在に意識を集中させていたが故の迅速な反応だった。

 

「そこに居ますね!! 丸分かりですよ!!!」

 

ディスハーツは茂みの中へ隠し持っていた刃物を投げ付けた。しかし直後、彼は自分の目を疑った。

茂みから出て来たのはレオーナでは無く、一匹の蜂だった。剰え昆虫とは思えない俊敏な動きでディスハーツの刃物を躱した。その現象から即座に一つの仮説に至った。

 

(蜂を《従属之神(アルテミス)》でテイムして!! 影武者を掴まされた!!)

「!!!」

 

後方の蜂に視線を向けたその時、その背後からアイラーに乗ったレオーナが姿を現した。テイムした蜂に気を取らせ、虚を突くのがレオーナの次策だった。

 

(今度はキマイラ!! やはり先程の炎はこの魔物のもの!!!

ですがこれならまだ━━━━!!!)

「!!」

 

ディスハーツはレオーナへ向けて飛び上がり、アイラーに乗っていたレオーナを蹴り飛ばした。レオーナの次の策の真偽は分からないが、それが何であろうと実行される前に対処すれば何も問題は無い。

 

「何を企んでいたかは知りませんがこれで全て無意味になりましたね!!」

「━━━━いや、こうなる事も予測してたっスよ!!」

「!!?」

 

その時、レオーナの手に握られていた弓矢、その弦が不自然にディスハーツの方へ伸びた。その現象がレオーナが弦の長さを変えたが故である事は即座に理解した。分からないのはその行為の理由だ。ディスハーツがその現象に気を取られている時、レオーナは両足を曲げていた。

そして今度こそ秘策を発動する為の名前を発する。

 

「来い!!! 《テルゴーン》!!!!」

「!!!?」

 

その瞬間、アイラーの姿が別の魔物に変わった。額に一本の角を生やした馬の魔物、ユニコーンの《テルゴーン》だ。

角に弦が引っ掛けられ、馬の後ろ脚がレオーナの足の平と接触している。

そしてテルゴーンは脚を伸ばしレオーナを後方へ蹴り飛ばした。『ギチギチ』という軋んだ音と共に弦が引っ張られる。その音を聞いて漸く、ディスハーツはレオーナの秘策の全貌を理解した。

 

(ユニコーン!!?

角が引っ掛かっている!!?

弦の長さが戻った!!?

弦の張力!!?

と、飛んで来る!!!!)

 

一瞬の内にディスハーツの脳内では様々な思考が駆け巡る。しかしそれに対する対抗策を取るよりも早く、レオーナの秘策が発動した。弦が元に戻ろうとする張力で身体を引っ張り、ディスハーツの方へ急接近する。

 

(矢を簡単に防がれるなら、自分が矢になれば良いんスよ!!!)

「ウオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

『ドゴッ!!!!!』「!!!!?」

 

矢と同等の加速度を乗せたレオーナの拳が、ディスハーツの顔面を捉えた。

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