転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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423 分裂する悪魔のスライム!! 孤軍奮闘の勇者!!! (手札)

複数人の同一人物(・・・・)を相手取っていたのはディスハーツだけでは無い。キュアブレイブもまた、アギラ、煌焔、ボルガー、ネシアという四人のフォラスの分身体との戦闘を強いられていた。

そしてその時、ブレイブは自分の精神が少しずつではあるが着実に削られている事を肌で感じていた。それはフェリオが此処に居ない事が深く関係していた。孤軍奮闘を強いられている事よりも、何時も側に居た相棒とも呼ぶべき彼女が今どうなっているか定かではない、その不安が彼女の精神を蝕んでいた。

 

「……………………ッッ!!!」

「はっはっは!!! 腕の動きが鈍って来たのぉ!!! 其の脳を儂の嘴が貫く未来が見えるようじゃ!!!」

「其の血が儂の刃の錆になる時も近いか!?」

「儂が其の四肢を挽き肉にしてやろうぞ!!!」

「ならば儂が胴を三枚に卸してくれる!!!」

 

相も変わらず、全く異なる四つの声が全く同じ物騒な口調でブレイブに各々の思い描くブレイブの末路を嘯く。しかしブレイブはそれを戯言と切って捨てる事が出来なかった。それは単純に彼女が数的不利(・・・・)を取っていたからだ。

 

『ハァッ!!!』

「ぐっ!! (《女神之剣(ディバイン・スワン)》!!!!《堅牢之神(サンダルフォン)》!!!!《肉球之神(バステト)》!!!!)」

 

アギラ達四人(・・)が一斉攻撃を放つ。それに対してブレイブは持てる三つ(・・)究極贈物(アルティメットギフト)を発動して防御を試みる。それこそがブレイブの数的不利だった。

 

『ズガッ!!!』

「!!! ガッ……………!!!」

「ほっほぅ!! またもや良いのが入ったのォ!!!」

 

女神之剣(ディバイン・スワン)》の刃がアギラの嘴を、《堅牢之神(サンダルフォン)》の障壁が煌焔の刃を、《肉球之神(バステト)》の肉球がボルガーの突進を防ぐ。しかし残る一発、ネシアの尾の一撃がブレイブの脇腹を直撃した。鍛え上げられた筋肉の鞭とも形容すべきその一撃は脇腹を通してブレイブの内臓にも衝撃を与える。ネシアは尾を振り切り、ブレイブの身体を吹き飛ばした。

 

「ガッ!? グッ!!? ウグッ!!!」

 

ブレイブは身体を地面に叩き付けながら転がって吹き飛んだ。しかし幸いにも吹き飛ばされた事で衝撃が分散され、内臓や骨への負傷は無い。しかし現状はかなり悪いと言える。このままではまた一斉攻撃を受けた際、誰かの攻撃をまともに受けてしまう。

 

(今はたまたまあの鱗の一発だったからこの程度で済んだけど、こんなこと何時まで続くか分からない。次はもっと大きいダメージをもらうかも…………!!! こんな時、)

『『フェリオが側に居てくれたら』か?』

「!!!!」

 

四人の声が一斉に重なり、ブレイブの精神を見透かしたかのような言葉を発した。しかし一瞬の驚愕の後に彼等(・・)がその言葉を発した事に強く憤った。

フェリオがこの場に居ない状況を作り出したのはアギラであり、そもそも四人に分身して襲い掛かっているフォラスにそのような事を言われる筋合いは無い。その思考が顔に出たのか、アギラが続けて口を開いた。

 

「何か思い違えておるようじゃから言っておこう。儂等がこうして分かれている事と貴様が今刀剣系を振るっている事に、一切の違いは無い。」

「!!? 何が言いたいの……………!?」

「分からんか? 儂等も持てる能力を全て使って戦っておるだけと言っておるんじゃよ!! 互いに能力を駆使し死力を尽くし、其の果てに貴様が敗れたならば其れは唯の貴様の力不足!! 其処に卑怯もへったくれも無いわ!!!!」

「!!!」

 

それを詭弁と言うべきか屁理屈と言うべきか、或いはブレイブの気付かなかった視点と言うべきか、兎にも角にもブレイブの精神に衝撃を与えた事は間違い無かった。ブレイブが衝撃から立ち直る事を待たずに煌焔が続く。

 

「そうとも。故にこそ儂等(・・)は力を身に着けた。そうしなければ無様に命を奪われる事を何度も(・・・)思い知らされて来たからな!!!」

「!!? それってどういう━━━━━━」

「おっと、無駄口が過ぎたようじゃな。では今度こそ貴様に引導を渡してやるとしよう。」

「!!」

 

その言葉と共に四人が一斉にブレイブに近付いて来る。彼等にとってブレイブを攻略する方法は単純、四人で一斉に攻撃を仕掛ければそれで一定以上の成果は保障されている。

それはブレイブも同様に理解していた。そしていくらアギラ達を糾弾した所で現状が変わらない事も十分に思い知らされた。故に自分の状態を変える。その為の言葉を力強く叫んだ。

 

「《焔之神鳥(ガルダ)》!!!!!」

『!!!?』

 

その言葉と共に、ブレイブの両肩から炎が噴き出し、翼の形になって固まった。今のブレイブの目には唯一、全力で目の前の四人を打ち砕くという意思だけが浮かんでいた。

 

「四人になったのも、一斉に攻撃して来るのも、私達をバラバラにしたのも全部持てる能力 か。そっちの言い分は良く分かったよ。

なら!!! 私一人の力で勝って、力不足じゃないって分からせてあげる!!!!」

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