転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~   作:Yuukiaway

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424 分裂する悪魔のスライム!! 孤軍奮闘の勇者!!! (用途)

焔之神鳥(ガルダ)》の炎の翼の解放。それが意味する事はキュアブレイブが全力を出してアギラ達を相手にするという決意の表れである。しかし、ブレイブは決して彼等を侮って今まで全力を出さなかったのではない。

ブレイブは全力を出さなかったのではなく、出せなかった(・・・・・・)のである。その理由は風妖精(エルフ)の里をオオガイ達の毒牙から守り切るという目的においてアギラ達を止める事は直接の解決にはならないからである。即ち、ブレイブはこの先(・・・)を意識していた。この戦いの先、ギリス達の元へ向かい戦い続ける自分の姿を思い描いていた。

 

しかし今、ブレイブはその未来が来る可能性は高くないと理解した。フォラスはまだ見ぬ力を解放し、ブレイブの前提は崩れた。たとえ自分がこの戦いで戦闘不能になったとしてもアギラ達を止める、自分では無くても誰かの手によって最終的に里が無事であればそれで良い、と腹を括ったのだ。

 

*

 

「《焔之神鳥(ガルダ)》!!!!!」

 

その一言と共に、アギラ達の視界に煌々と輝く炎の翼が映る。それがつい先程、高台でのダグリュールとの戦いの中で見せた究極贈物(アルティメットギフト)と同じものであると理解すると、彼等は一様に口角を上げた。それはブレイブが自身の持てる力の全てを出し切るという決意の証明であり、同時に自分達がそれ程までにブレイブを追い詰めたという事を示していたからだ。

 

「━━━━漸く力を出し惜しむ気が失せたか。」

「だがもう遅い。後数秒早く其の判断が出来ていれば体力を空費せずに済んだと言うのに。」

 

アギラと煌焔がブレイブに向けて言葉を発する。それが全くの的外れでは無いと理屈では理解していた。

ブレイブは今日だけでも決して少なくない回数、刀剣系究極贈物(アルティメットギフト)女神之剣(ディバイン・スワン)》を振るっている。魔法警備団本部とツーベルクでの経験則から考えても自分は少なからず体力を消耗していると気付いていた。

 

何よりブレイブはアギラ達を本気で相手取る決意を固めたが、ギリス達に助太刀する望みを完全に放棄した訳では無い。その可能性を掴み取る方法は一つしか無いと、ブレイブは理解していた。

ブレイブの脳内で構築された次の一手、そしてアギラ達の全く同じ思考回路で組み立てられるブレイブの息の根を確実に止める方法が一致し、戦場に変化が訪れる。

 

「はてさて、次は誰の何(・・・)が突き刺さるかのう。願わくば儂の嘴が奴の脳を貫いて欲しいのじゃがの!!」

「そうか。ならば儂は奴の素っ首を狙おう。」

「儂は何も変えん。奴の臓腑を潰すのみよ。」

「抜かせ。儂の尾が奴に引導を渡すのじゃ。」

「!!」

 

彼等がブレイブとの決着を付ける為に取った選択はやはり、四人での一斉攻撃だった。それは幾度も通用している策であり、今回もブレイブに通用すると彼等は信じて疑わなかった。その彼等の思考を見透かした上でブレイブは対策を講じていた。

 

(甘く見てもらっちゃ困るよ。こっちだって何も考えてない訳じゃない。きっとこの力(・・・)はこういう時の為に与えられたんだ。

みんなは一斉に攻撃して来て、確かに今までの(・・・・)私は同時に三発しか防げなかった。でもそれなら、攻撃して来る前に撃ち込めば良い!!!!)

「《刺突之神(アテナ)》!!!!!」

『!!!!?』

 

アギラ達が一斉攻撃を仕掛ける為に一歩前に出た、その一瞬をブレイブは突いた。ブレイブの取った行動は単純に何も持っていない拳を突き出すというものだった。しかし刺突(・・)の威力を引き上げる《刺突之神(アテナ)》の能力を付与されたそれは周囲の空気を巻き込んで貫通力の塊と化し、煌焔の上半身を残らず吹き飛ばした。

これにより煌焔の刀の攻撃は未然に防がれ、彼等の攻撃とブレイブの防御の頭数が合う。しかしブレイブはそれで満足はしなかった。

 

「《焔之神鳥(ガルダ)》!!!!」

『!!!!』

 

突如として煌焔の身体が吹き飛ばされたその事実を残りの三人が認識した一瞬を狙い、ブレイブは背中に生えていた炎の翼を振るう。炎で形成された羽根が三枚、弾丸となって三人の胴体に直撃し、爆発した。

 

『……………………ッッ!!!!』

(これが私が考えた新しい究極贈物(アルティメットギフト)の使い方!!

刺突之神(アテナ)》は素手に纏わせて刀剣系を節約する為に、《焔之神鳥(ガルダ)》はただ飛ぶ為だけじゃなくて炎を撃ち出す為にも使う!!!

そしてみんな私の先制攻撃に驚いてダメージから反応し切れていない!!! チャンスはここしか無い!!!!)

「《解呪(ヒーリング)》!!!!!」

 

アギラ達の一斉攻撃から自分の身を守る事がブレイブの最終目標では無い。彼女の理想は言うまでも無く、今もこの里のどこかで戦っている仲間達の元へ向かう事である。それを可能にする為にブレイブが取った選択は単純明快、《解呪(ヒーリング)》を纏わせた《女神之剣(ディバイン・スワン)》による一撃だった。

 

「ヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」

『!!!!!』

 

焔之神鳥(ガルダ)》の翼の羽ばたきによる爆発性の加速を身体に乗せ、ブレイブは一気に四人との距離を詰める。

迷いの一切無い動きでアギラの翼、煌焔の頭部、ボルガーの牙、ネシアの胴体を一気に両断した。

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