転生したらプリキュアだった件 ~助けてくれた女神様の世界をプリキュアになって守りたいと思います!~ 作:Yuukiaway
ブレイブの一撃によって状況が好転したか否かと聞かれれば、肯定も否定も出来ないというのがブレイブの心情である。
渾身の一撃は確かに決まり、フォラスの分身体四人は煌焔、ボルガー、ネシアがその身体を失い、アギラの身体に核を寄せる事で命を繋ぎ止めるという苦肉の策を取らざるを得なくなった。これにより彼等は四人での一斉攻撃という盤石の一手を失う。
しかし一方で、ブレイブもこの一撃によって少なからず体力を消耗した。もう既に刀剣系
即ち話を纏めると、ブレイブの現状はその内容こそ変容したものの有利不利の割合は未だ変化しておらず、渾身の一撃を以てしても状況を好転させる事は出来なかった、というのが結論である。
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「~~~~~~!!!」
ブレイブの表情は目に見えて険しくなっていた。
《
「やはり素人じゃな。意識が刀に行き過ぎておるぞ。」
「!!!」
二人が鍔迫り合いを行い両者が至近距離で拮抗している状態で、ボルガーの片脚に変化が現れた。筋肉を練り固めたような脚が溶け、緑色のスライム状の肉体になる。その直後、色が青く変わり変化を完了した。それはネシアの尻尾だった。
先程ブレイブの脇腹を襲った、鱗に覆われた鈍器とも呼ぶべき尻尾がボルガーの脚の先に付いていた。
「臓腑の次は其の脳天じゃァッ!!!」
「!!!」
ネシアの
回避には成功したが、ブレイブの意識は次の攻撃に向いていた。回避によって煌焔の刀が自由の身となったからだ。
(な、何で来る!!? 刀!? 嘴!? 突進!? それともまた尻尾━━━━!!?)
『ゴッッ!!!!』『んがっ………………!!!?』
敵の次の攻撃に集中していたブレイブの思考は半ば途中で強制的に断ち切られた。《
ブレイブは認識出来なかったが、それはアギラ達の攻撃だった。
まず両足をボルガーのものに戻し、屈んで力を溜めた。それを一気に解放し、その勢いに乗って嘴の突きを放った。《
(一斉攻撃が出来んのなら、儂等の力を掛け合わせるまでよ!!!)
『ガァンッッ!!!!』「あぁっ!!!!」
ボルガーの脚力で放たれるアギラの嘴。その衝撃によってブレイブの身体は吹き飛び、そのまま後方に生えていた木の幹に激突して止まった。背中に衝撃が走り肺からくぐもった声と息が漏れる。それが残り少ないブレイブの体力を更に削った。
「んぐっ……………………!!!」
「ふっふっふ。どうやら本当に虫の息だったようじゃな。まぁ生意気にも儂等の身体を三つも奪ったのじゃ。十分に誇るが良い。」
「……………………!!!」
敵が自分に止めを刺そうと迫ってくる。その窮地を前にしても尚、ブレイブの心は何処か冷静だった。ブレイブの思考は場合が不適切だと分かっていても敵の情報を分析する事に集中していた。
(さっきの声、一度目が鬼のもので、二度目が魚みたいなやつのものだった。って事はもしかして、身体は一人になっても攻撃は各自一人一人で決めてるって事……………!!?
あぁダメだ!! 今はそんな事考えてる場合じゃないのに………………!!!)
たとえ敵の情報や弱点を理解出来たとしても、それを活用出来なければ全く意味が無い。今のブレイブに求められるのは敵の分析では無く現状の打破である。それは他でも無い彼女自身が良く理解している。
「決めたぞ。喪った三つの身体の餞に、貴様の身体を三つに裂いて引導を渡してくれよう!!!」
「!!!」
煌焔の声で発せられた言葉と共に刀が振り上げられる。それこそがブレイブに危機感を告げ、早急な対処を身体に命じた。しかし肝心の身体にそれを履行する体力が残っていなかった。
(こ、このままじゃやられる……………!!!! 何でも良い!! 何でも良いから反撃しないと━━━━!!!)
「さらばじゃ勇者。否、身の丈にそぐわぬ戦いにその身を投じた、愚者よ!!!!」
「!!!!」
***
「━━━━━━━━は???」
それは、煌焔の声だった。彼がそのような気の抜けた声を発した理由は目の前の視界の変化にあった。
彼が刀を振り下ろした、そこにブレイブの姿は無かった。その時、ブレイブは既に煌焔達の背後に回り込んでいた。
しかし、ブレイブも同様に戸惑っている表情を浮かべていた。その時既に自分の身体に起こっていた変化を、彼女はまだ理解出来ていなかった。